門真さん ~5~
中学生の同級生 門真さんの最終話です!
その後は、ストーカー行為による嫌がらせは無くなっていたのだが、
急に秋本という女子が私の傍に来た。
そもそも秋本は女子の中ではずいぶん嫌われていた。
かくいう私も嫌いである。
こいつは自分で問題を起こしては、男子に媚を売るタイプで、
それで次々と彼氏を作ってきたタイプなのである。
よくやるよ・・・
正直、そんな奴と関わり合いたちとは思わないのだが、
なぜか話しかけてくるのだ。
それも、
「古谷って意外といい奴なんだよ。」
っと、今自分の取り巻きの古谷や柴田のことを持ち上げているのであった。
こいつはその二人が何をしたのかを知らないのだろうか?
どっちも犯罪者であるにもかかわらず、
何で私に露骨に進めてくるのであろうか?
「どっちも嫌いなんだけど・・・っていうか、あんた何のよ?」
あまりにしつこい秋本に私がキレると、
秋本はそのキレた私を利用して、
柊君へと近づいて、
「柊君!門真さんが怒るんだけど~。」
そんな甘ったるい声を出して、腕に抱き着いているのであった・・・
ただ、そんな秋本をウザそうにしている柊君は、
「また何かしたの?」
すでに秋本は柊君からの信用はなくしていて、
秋本が何かをしたんだと思っていた。
そこは秋本、すぐにその事を察知すると、
「古谷君や柴田君が門真さんと付き合いたいから、
いい情報を流して来いって言われて・・・逆らえなかったんだ・・・。」
その言葉を聞いて、吐き気がする。
どうせ秋本が、私が柊君の傍にいることを気に食わずに
私にその二人をあてがおうとしたんだろう。
それとあわよくばあの二人も私と付き合えればと思って
このクズの意見に便乗したんだろうな・・・
女子を使ってまで取り入ろう何って本当に最低な男だ・・・
中学の時は、結局あの気持ちが悪い連中に悩まされて
柊君のことは好きだけど、結局は男子が気持ちが悪くて、
付き合いたいとかいう気持ちにはなれなかった・・・
・・・ヘタレで告白できなかったっていうのもある・・・
3年生になると柊君とは別のクラスになっていて、
いよいよ卒業式が近づいてきたところで、友達から、
「あんた!3年間好きなんだから、告白しなよ!!」
「いや・・・だけど・・。」
「もう!何で恋愛面についてはヘタレなのよ!!
分かった!今から告白しに行くよ!!」
そう言って、私の手を取って、柊君のクラスまで私を引っ張っていくのであった。
そして毎回、柊君を前にして、言えずに教室に戻り、
「ヘタレ!!」
「チキン!!」
「あんた!本当に彼氏なんて出来ないよ!!」
さんざん友達に言われるのが日課となっていたのであった。
結局、卒業式の日も告白は出来ずに、
柊君と写真を撮って、ボタンを貰ってで私の3年間の恋は終止符をうつのだが・・・
「あんた!高校生になったんだから、
お小遣いはお父さんの会社で働かないと出さないからね!」
お母さんからそんなことを言われてしまって、
私はお父さんの会社のお弁当屋で、土日、更には連休をバイトすることになったのだ・・・
「こんなので彼氏なんかできないよ!!」
家で不満をぶちまけると、
「お前に彼氏なんかまだ早い!!」
そういうお父さんが居て、
「私が高校の時なんか、休む暇なくデートの日々だったわよ。」
そんな嘘くさい自慢をしてくるお母さん。
平日にデートしなさいと言って、家の手伝いは休ませてくれないのであった・・・。
もう最悪だ・・・
ただ、最悪で終わることはなかったのだ!!
その日は、たまたま別の場所にあるお弁当屋さんに行くことになったのだが、
「あれ?」
私は見たことがある男子を見つけるのであった。
私は思わず声をかける!
「ちょ、ちょっと!?」
「あ!?門真!!」
なぜか柊君がそこに居たのであった!!
「うちの母がここでパートをしてるんだけど、
ちょっと体調が悪くなってね。
ちょうど連休だったから、俺が数日入ることになったんだよ。」
「ええ!?そうなの!?」
聞けば数日前からすでに来ており、おばちゃん達とも仲良くなっていたのであった・・・
もっと早くここに入れてくれてば・・・
恨みつらみはあるモノのとりあえず柊君を堪能するのであった。
時間はあっという間で、お弁当を作りながら、ずっと話をしているのだが、
今まで本当にめんどくさかったその作業も苦も無く出来るのであった。
柊君と朝から夕方までずっと一緒に入れるから、
こんなに楽しい家の手伝い何って初めてである!!
次の日も、その次の日も楽しかったのだけど、
連休中のみということで、柊君との出会いはすぐに終わってしまうのだが、
ここで私はいつもと違って一歩だけ!一歩だけ前へと進む!!
「ひ、柊君!」
「何?」
「また連絡してもいいかな?」
「?別にいいけど?」
もうそれだけで私は精一杯だった!!
柊君とはその後はメッセージのやり取りや電話をしたりする中にはなっていたのだが、
柊君に私は思いを伝えることがないヘタレとなっていた。
“ヘタレの中のヘタレ”
が、私の高校時代につけられたあだ名だった・・・
だけど、常に彼女がいる柊君に告白しても絶対に私と付き合ってくれないのに
どうして告白何かできるわけないじゃん!!
どいつもこいつも!!!
高校三年間も告白はすることなく・・・
大学は4年間近くの大学に行くも進展はなく・・・
そして、柊君は結婚した・・・
中学で出会って15年以上ずっと柊君に片思いを寄せながら、
私の恋は実ることはなかったのであった・・・
そんな中で迎えた中学の時の同窓会。
柊君もこの年の同窓会には参加していた
その前の2年間はアメリカに居たらしくて、参加できなかったのだが・・・
そこそこ酒も回って、昔の話になった時である!
中学の時に、うちのクラスで一番可愛かったのは誰かという話になった。
うちのクラスには数人可愛らしい子達が居て、
その子達の名前が挙がる度に、みんなも同意していたのである。
そんな時に柊君が回答する番になった時だった。
「俺は門真が可愛いと思ったけどね。」
「ええ!?」
思わず私が声を出してしまう!!
それもそうだろう!!
だって、自分が出てくるとは夢にも思っていなかったのだから!
「私!?」
「門真はお前以外いないよ。」
苦笑する柊君・・・
そうすると他の男子からも「実は・・・・。」と言って、
私が可愛かったと言い出すのだった・・・
いや、別に他の男子から言われても嬉しくないけど・・・
帰り際、私が柊君に聞いた。
「私が・・・告白してたら付き合ってた?」
「そうだね。」
柊君はそう答えてくれたのであった・・・
今すぐ・・・
私はもう一度人生を中学生の初めに戻せないだろうか・・・
すぐに告白するよ!!
今度はすぐに!!
私が呆然としている時に、中学からの友達が来て、
「だから、私達はアレだけ告白しろって言ったのにさ。」
「・・・もしかして柊君が私のこと好きなのしってのた?」
「好きかどうかは分かんないけど、めっちゃきにしてたのは知ってるよ。
じゃないと、誕生日プレゼントとか買わないでしょう?普通。」
「もっとはっきり言ってよ!!!」
過去の私へ!!
柊君へすぐに告白しなさい!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




