門真さん ~3~
中学生の同級生 門真さんの話です!
一年生の行事で、冬の極寒の中でオリエンテーションで、
一日20キロを歩く行事がある!
当然、みんな嫌がる・・・
女子達は絶対に嫌だ!!と猛抗議をしている!
当然、私もその一人なのだが・・・
学級委員である柊君が、その猛抗議を真っ向から受けていた。
「お前ら!諦めろ!」
「いやよ!!柊君何とかしてよ!!」
柊君が何を言ってもブーイングしか起きないのであった。
今はオリエンテーションでの班割を決めているのだが、
女子達からの強烈な反対によって進まないのである。
「っていうか、時間もないし。勝手にこっちで決めるよー。」
「いやよ!!そもそも参加も嫌だもん!!」
「そう言っても、決めなきゃ出せないからな!
俺が先生から怒られるわ!」
ブーブー文句を言う、女子生徒達に四苦八苦している柊君。
どうにかして助けてあげれないか・・・
私は困っている柊君を何とか出来ないかと思っていた。
・・・いや、まあ、私も反対派に回っているのだけど・・・
それに私はそんなにみんなの前に出て行動できるタイプではないし、
やったこともない。
こんな風に後ろからヤジを飛ばすだけだったのだが・・・
助けてあげたい!その思いに駆られて、
「ねえぇ、じゃあ、その班を女子に決めさてよ。」
「はぁ?」
柊君が呆然と私の方を見る。
「全然やりたくないけど、やらなくちゃいけないのなら、
せめて私達が好きな班にさせてくれたならいいよ。」
私は柊君のために意見を言うと、女子みんなが私の意見に賛同してくれて、
「わ、わかった・・・。」
柊君も驚きながら決まったのである。
そのあとは男子達に意見をもめることなく、
班割が決まっていったのであった。
私は最初に意見を言っただけで、
後はみんなが勝手に盛り上がって決めていってくれた。
そんな状況だったのだが、
「門真、ありがとう。」
「ううん。」
柊君にお礼を言われて、ちょっと頑張ったかいがあったよ!
そして、私はこの頑張りで柊君から
誕生日プレゼントを貰える何って全然思ってはいなかった・・
誕生日当日、朝からハイテンションな両親に祝いの言葉を言われて
更には朝からケーキを食べさせられるというハプニングまであった!!
いや、まあ、朝からケーキでも全然食べれるけどさ・・・
学校にいつも通りの時間に着いて、
下駄箱から上靴を取り出した時、そこに手紙があることに気づいた!
慌てて、手紙を手に取ってポケットにしまう!!
誰にも見られてないことを確認して、私は慌てて教室へと行き、
柊君の荷物がないことを確認して、柊君からじゃないのか・・・っと確認した。
そのままトイレに行って、手紙を開いてみると、
“放課後、校舎裏に来てくれ”
それだけが書かれていた紙だった。
男子の字ではあることは確かだし、いつも見る柊君の字とは全然違う。
それに名前も書かれていない手紙・・・
もしかしたら柊君が緊張したから字がいつもと違うのでは?という淡い期待をして、
また教室へと戻ったのだ。
その頃には友達が私に誕生日のお祝いを持ってきてくれたりして、
ずっとお礼を言いっぱなしだったのだが、
横目では柊君がこのタイミングで来てくれないかと願っていたのであった。
この光景を見ると私が誕生日であることを自然に柊君に伝えることが出来るからだ!!
だけど、この日に限って言えば柊君はギリギリに教室に来たのであった。
その服装は、若干乱れており、急いで教室に来たのは手に取るようにわかる。
「おはよう、ギリギリだね?」
「おはよう。ホントに・・・危うく間に合わないかと思ったよ。
学校にはずいぶん前にいるのにさ~。」
ああ、部活の朝練が長引いたんだ!と納得した。
それなら仕方ないか・・・と思っていたら、
「あ!そう言えば・・・
門真さん、誕生日おめでとう。」
「え!?知ってたの!?」
「さっき知ったんだよ。南って同じ小学校出身なんだろう、門真さんって?
それがさっき騒いでいて、プレゼントを渡しに行くって言ってたよ。」
「え~!?南からのプレゼントはいらないのに・・・。」
南、グッジョブ!っと思ったのだが、あいつのプレゼントはいらないな~・・・
だって、あいつ女子ならだれでもいいタイプだし、
全然誠意がないもん!!
柊君の言葉に私が感想を述べていると、
私の友達が・・・
「柊~、言葉だけじゃなくて、なんかプレゼントはないのよ?」
「プレゼントって言われても、さっき知ったところだからね。
さすがに用意なんて出来てないよ。」
「じゃあ!今日買ってきてあげなよ!!」
ええ!?私は友達の言葉に慄いきながらも
もし買ってきてくれたら嬉しい!って思ってしまう!
友達もよくやったと思う反面、そんな無理やりはと思って、慌てて止めに入るのだが・・・
「ちょ、ちょっと!いいよ!言葉だけで十分だって!」
「うぅ~ん・・・。」
「いいんだよ!そんな悩まなくって!!」
「いや・・・今日の放課後時間ある?部活が休みだから、
ちょっとしたものくらいならプレゼント出来るよ。」
「え!?」
「いや、そんな高価なモノはダメだけどさ。
この間のオリエンテーションの時、お世話になったから、どうかな?」
「いっちゃえ!いっちゃえ!!」
何と柊君と一緒に放課後、私が欲しいモノを買ってもらえる流れになったのであった!!
嬉しくて言葉が出ない状態になってしまうのであった!!
「じゃ、じゃあ・・・一緒に行こうかな。」
「了解。じゃあ、放課後に。あ、ただ、ちょっとだけ時間頂戴ね!
部活の荷物を少し持って帰らないといけないからさ。」
「うん!」
この日の授業は本当にものすごい速さで進んでいくのを感じた、
気がついたら放課後になっており、
柊君を教室で待っている間もウキウキとして、
どれを選んでもらおうかと考えていたのであった。
柊君とのデート・・・私の中では・・・は・・・
ものすっごく楽しかった!!
学校近くのモールに言って、ソフトクリームを買ってくれて、
2人でベンチに座っている時間が幸せな時間であり、
そのまま色々な雑貨屋を見て回るのもすごい幸せな時間だった!
「ご飯は・・・家で食べるよね?」
「う、うん・・・ごめんね・・・。」
ああぁ!!もう!本当は全然断りたくなかった!!
一緒に柊君とご飯を食べたかったのだが、
うちの両親は今日は・・・今日は絶対にご馳走を用意してくれている!
それを断るわけにはいかないのだ・・・
・・・ものすごい残念・・・
ただ、柊君が食べていた、回転焼きを一口貰ったりして、
“間接キス!?”
とかを堪能していたので、いいけどさ・・・
結局、私の誕生日プレゼントは予算が3000円と言われたので、
写真立てとピアスを買ってもらった。
「ピアス開けてないだろう?」
「うん、だけど、高校になったら開けるからさ!」
そう宣言して買ってもらったのである。
更には帰り際にはちゃんとプリクラを撮って帰れた・・・
あぁ~!!何って幸せな誕生日だったんだろうか!!
柊君に家まで送ってもらい、ちょっとだけ家の前で話していると、
両親からの電話があって、渋々別れることになったのだった・・・
もうちょっとだけ、話したかったのに・・・
そう思いながら部屋に戻って時間を確認すると、
1時間も経ってる!?
本当に好きな人との時間は圧倒いうまだな・・・
私は苦笑しながら、制服を脱いでいる時にポケットに何か入っていることに気づいた。
「何だろう?」
そう言いながら取り出すと、朝下駄箱に入っていた手紙だった。
「結局、柊君からの手紙じゃなかった・・・期待したのにさ。」
そう言いながら、手紙を握りつぶしてゴミ箱に捨てたのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




