古谷くん ~5~
幼稚園・小・中・高校一緒の古谷君の話です!
休みが明けて、学校へ行くのだが、
俺に対しての女子の視線が冷たいことに気づく。
まあ、有象無象に冷たい視線を向けられても俺は気にもしないけどな。
俺はいつも通り席に座っているのだが、
いつまで経っても門真さんは現れることはなかった。
風邪でも引いたのかな?
一昨日は、元気だったはずなのに・・・
少し心配なのだが・・・
心配をしていた俺だったが、チャイムが鳴っている最中に門真さんが
先生と一緒に教室へと入ってくるのを見かけて、ホッとした。
寝坊かな?たまには誰にでもあるよね・・・・
いつも通り、俺の方を見ることもなく座る門真さん。
俺はチラリと横目でその一挙手一投足を見逃さない。
俺の幸せな時間だ・・・
少し汗ばんでいる門真さんは必ず汗をハンカチでふく!
・・・あれ?拭かないんだ?
よく見ると汗を全くかいていないや・・・
どうしてだろうと思っていると、先生が、
「突然だけど、席替えするぞ!!」
「「「えええ!!」」」
「「「やった!!!」」」
先生の言葉に色んな声が混じり合っている。
今の席が良い物はええっという声だろう。
逆に悪いモノにとっては、やった!っという声だろう。
かく言う俺は「ええ!?」の方だ!
だって、門真さんが隣なんだぜ?
まあ、門真さんの隣が柊というのは前から気に入らなかったけど・・・
まあ、俺と門真さんだ!
運命の赤い糸で結ばれているのだから、席替えをしたところで
きっと席が隣同士になるはずである!!
今回の席替えはくじ引きか?それともあみだくじか?
どんなモノでも俺の運命の前には関係ないけどね!!
「よーしお前たち!今日は時間もないから、
俺がさっき決めてきたからな!
それに従って席替えしろ~!!」
そう言って、黒板に先生が決めた席を貼りだしたのであった!!
俺は・・・
窓側だけど!一番前だ!
門真さんは!?
俺はの周りの席にはいない!!
・・・いたのは・・・
廊下側の一番後ろの席に門真さんがいたのであった・・・・
・・・どうして?
どうしてなんだ・・・
俺と門真さんの仲を裂くのか!?
打ちひしがれていると、
「・・・先生、なんで俺は一番前の真ん中なんですかね?」
柊がそんなことを聞き出した。
「・・・お前の体はデカいのに、そんな位置にいるから、
みんなから見にくいという意見があがってるんだ。」
「・・・なんも言えないっす・・・。」
「分かったら、素直に従え。」
しょぼくれる柊に、門真さんがすっと近寄っていく。
俺がその行動を見逃すはずがない!!
柊を慰めるのか!?それなら俺も・・・・
「柊君・・・ごめんね・・・。」
「うん?ああ、イイんだよ。図体がでかいのはホントのことだしさ。」
・・・何の会話をしてるんだ?
その頃になると、柊にはクラスメイトから罵声が飛んでいた!
「お前のせいだ!!」
それに対して、
「俺じゃねえだろう!?」
「体を小さくしろや!!」
「ついでに態度も小さくしろや!!」
「器がちっせいぞ!」
「ちょっとまて!最後のヤジはおかしいだろう!?」
爆笑に包まれながら、みんなが移動を開始するのだが、
ちょっとまて!どいつもこいつも!そんなことで柊を許していいのかよ!!!
だって、こいつのせいで席替えになったんだぜ!!
もっとこいつの責任を追及してやらないとダメだろうが!?
俺は心で叫びながら、机に座って下を向いていると、
すっと俺の机の上に手紙が置かれるのであった。
それは女子が授業中によく回すような、ノートの切れ端を折った手紙であり、
顔をあげて、その差出人を見ると、
「これ・・・読んで・・・。」
何と門真さんだったのだ!!
そして、それだけを言って自分の席を移動させる門真さん・・・
え?
え?
これは何?
どういうことだ!?
呆然としていると柴田がやってきて、
「見たぞ、今の。」
その顔はニヤニヤとしているのであった。
そのニヤついた顔を見て、俺は事態を理解しだした!
俺は、門真さんから手紙をもらったのだ!!
しかもこのタイミングだ!!
告白か!?
それとも今までとなりにいたのに、
今日でお別れになって寂しいって内容だろうか!?
この手紙に対して、ものすごくワクワクしてきた!
「開けてみようぞ!」
柴田が勝手に手紙に触ろうとするので、俺はそれをすぐに制止させて、
「あとでみる!」
「けっち!まあ、結果を教えてくれよ。」
そう言って、柴田は自分の席へと向かう。
俺は荷物をまとめて、指示された座席へと行くのだが・・・
授業が始まっても全然集中できない!
っていうか、一番前のせいで、先生から丸見えだし、
授業中に見るのは困難であった。
早く休み時間にならないかとずっと願っていて、
休み時間になったらすぐにトイレ・・・いや、別校舎に行こう!!
1人別校舎へと駆けだしたのであった。
周りを見て誰もいないことを確認してから手紙を開いていく、
いよいよ文書が書かれているところを開くぞ!!
“もう私を付け回すのは止めてください”
・・・え?
“二度と話かけないでください”
・・・
“私はあなたが嫌いです。”
書かれていた内容はこの3行だけであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




