4.ギルドカード作成
僕が異世界へ来て2日目。女性の天使様とひとつ屋根の下で眠ることは僕にとって至難の技だった。
「今日こそはギルドカード発行してきます。」
「ああ、分かった。俺も少し用事があるから今日は1人で行ってくれ。」
「分かりました、行ってきます。」
僕は地下室から地上へ出る。地下室への入り口は人目のつかない人2人並べないくらいの狭い家と家の間にある。
僕はギルドへ走り出す。風が頬を擽る。
商売をしている者。話をしている者。今からダンジョンへ行こうと作戦を企てている者達。ギルドへ行く途中様々な人を見た。それだけで、これからの生活にワクワクしてしまう。
やがてギルドに到着する。
「おーい!レイ君、こっちこっち〜。」
ギルドカウンターの向こうでカスピさんが手を振って呼んでくれている。
僕はカスピさんに駆け寄った。
「こんにちは、カスピさん。」
カスピさんはニコッと笑いギルドカード発行の準備をしてくれる。
「ここに手を置いて。」
僕は言われた通り魔法陣に手を置く。すると魔法陣は淡い光を放ち出す。光が消えると魔法陣と手の間にカードが造り出されていた。
「それがギルドカードよ。呉々(くれぐれ)も知らない冒険者に見せないようにね。冒険者どうしの殺し合いもあるんだから。で?ステータスはどうだった?私はレイ君のアドバイザーとして知る権利があるんだからいいでしょ。」
僕はギルドカードの見方がわからなかったから素直にカスピさんに見せる。
レイ・キリガミ
職業:なし
ランク:1
スキル1:なし
スキル2:なし
固有スキル:なし
ステータス レベル:15
筋力13 敏捷15 耐久力11
HP10 体力12 MP1 魔力1
知力1582
「レイ君って何者!?知力1000超えって1級冒険者レベルだよ!それ以外は他の冒険者と比べて低いけど……」
この世界では中学卒業程度で1級冒険者レベルらしい。
「落ち着いてくださいカスピさん。まず基本的な事を教えてください。」
「そうだね。まず職業から。これは前、話した通り。ランクはステータスを上昇させる。ランク1では変わらないけどランク2になれば全てのステータスの数値が2倍になり、ランク3では3倍になる。ランクは自分の限界の壁を破る事により上げることができるよ。」
なるほど、じゃあランクが1違うだけで天と地の差があるわけか。
「レベルはアビリティが100上がる毎に1上がるよ。スキル1とスキル2の違いは、1が常に発動しているスキル。2は自分の意志により発動出来るスキルだよ。固有スキルは、自分だけが持てる特殊スキルかな、同じスキルを持ってる人は滅多にいないんだよ。」
スキルとか聞くと早く使いたくなっちゃうよ。
「そう言えば知力以外のステータスは分かるんですが知力が高いと何が起こるんですか?」
「成長速度が早くなったり、精密な魔力操作が出来たりすることかな。」
「なるほど、分かりました。ありがとうございました。」
「そうだ!レイ君まだ冒険に必要なアイテム揃ってないよね。私がついて行ってあげるから、行こうよ。」
はっ!!こ、これは、デート!?
「よ、よろしくお願いします。」
僕は緊張しながら歩き出した。