3.ギルド
「ここが、ギルド……」
「ああそうさ、ギルドでは色々なことが出来るんだよ!」
今僕らは、この王国『アンジャル』のギルドの前にいる。アンジャルは海に面しており山もある。一言で言うと、最高な場所だ。
「さあ、中に入ってみよう。」
「はい!」
僕は小学校の遠足気分でギルドの中へと入ってゆく。
「すごい……」
僕は思わず声を漏らしてしてしまう。
「だろ?ここには見ての通りショッピングセンター、ギルドショップなどがある。武器の生産や強化はギルドショップで出来るけど高いから違う所でやってもらった方がいいな。じゃあ、ギルドへ登録しに行こう。」
ワクワクしながらギルドカード発行所に並ぶ。
僕はふときずいた。
「なんで、僕はこの世界の文字を読めるのですか?」
ファヌエルさんは少し考えて言う。
「多分知力が高いからだとおもうよ。ギルドカードに数値化されるから見るといいさ。」
そういうことになっているのかこの世界は、と思いながら話を続ける。
「ファヌエルさんは、普段何の仕事をしてるんですか?」
「してないよ。」
僕は疑問に思った。食料どうしてんの?と。
「だって俺、天使だって言ったじゃん。」
「えぇーー!!冗談で言っているのかと思いましたよ!」
「し、失礼だな!腐っても天使!何も無くても生きていけるよ。」
どおりで美人だなと思ったら天使だったからか……
そんな話をしているとついに僕の番がきた。
「次の方どうぞ!」
僕は元気よく返事をして前へ出る。
「どちらのギルドに登録しますか?」
僕はギルドに種類があることに驚きつつも冒険者ギルドを選ぶ。
「では、職業を選んでください。」
「職業に就くと何があるんですか?」
「職業に就くとステータスという自分の『筋力』『敏捷』『耐久力』『体力』『HP』『魔力』『MP』『知力』が上昇します。もちろん職業によって上昇するステータスは異なります。例えば、魔法使いだったら魔力、MPなどが上昇し、戦士だったら筋力、耐久力などが、大幅なの上昇します。」
う〜ん……そうか、これは重要な選択だな……
「1度決めた職業は変更出来ませんがランクが上がれば複数就くことが出来ます。ランク1では、レベル20から1st職業に就くことができます。何か質問はありますか?」
「なるほど……では、レベルとランクと……とりあえず基本中の基本から教えてくれませんか?」
「え……皆やりながら覚えていってますよ。……ぷぷっ」
「イヤイヤイヤイヤ待って下さい!今笑いましたよね!?ホントすぐに魔物なんかに殺されたらシャレになりませんからっ!!」
「まあまあ、落ち着けレイ。姉さんが困ってるぜ。」
「えぇっ!?なんですかその僕が1人で盛り上がってるみたいな言い方は!」
突っ込みどころ満載だよ!!
「では私がこの『俺は冒険者!!〜入門編〜』と『俺は冒険者!!〜応用編〜』と『俺は冒険者!!〜魔物図鑑〜』の『俺は冒険者!!』シリーズで特別講習を行います!」
「何っ!?『俺は冒険者!!』シリーズといったらわかりやすく有名でとても高価な代物ではないかっ!!」
そうなんですよ。
これらは君の私物かい?
いいえ、これはギルドの……………
……かれこれ話し続けて2時間。
「あ、そう言えば私の名前教えてませんでしたね。私は『カスピ』です。」
「俺はファヌエルだ。」
「僕は、伶。霧神伶です。」
「キリガミレイ君?変わった名前だね。じゃあ明日からよろしくね。レイ君。ファヌちゃんもね。」
「うん、また来るよ。」
どんだけ仲良くなってんだよ……
「帰ろう、レイ。」
「はい。……でもなんか忘れてるような……」
レイがギルドカードを作成、職業を選択していないことに気づいたのはファヌエルの家に帰ってからのことだった。