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  作者: 森饅頭(もりまんじゅう)
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プロフィールにもあるとおり

文章力がないのはもちろん、言い回しがくさかったりくどかったりするでしょう。

出来るだけ改善するようには善処いたしますが、皆様には暖かな目で、何も考えず読んで頂ければ幸いです。

蒸し暑さの増す湿気た季節、"奴"はやってきた。



諸君は蚊を知っているだろうか。


勿論知っているだろう。


奴等はプゥンプゥンと気の抜けた音で、我々人間の意識の外側から忍び寄り、タンパク質という恩恵を我々から吸い授かる。


その一方で奴等は我々に、"吸われた箇所が痒くなる菌"を残し去って行く恩知らずな愚虫である。


稀に死に至らしめる事もあるらしい。

あまりにも極悪非道ではないか。


その為"人間"にとって奴等は害でしかない。


しかし諸君は知っているだろうか。

先程から偉そうに語ってすまない。もうじき終わる。


改めて、諸君は知っているだろうか。


我々に害を及ぼす蚊は"メス"だけらしい。


では"オス"は何をしているのか。


どうやら彼等は、フルーツとかなんかそういう物を吸っているらしい。

ふむ、徐々に知的なメッキが剥がれ落ちフワフワしているのは自覚している。

仕方ないじゃないか、蚊に関心なんてなかったんだもん。


我々が蚊に関心を持つようになったのは"奴"がやってきてからなのだから。




2013年の梅雨、"奴"はやってきた。





「おいおいもうすぐだなぁっ!」


「私、待ちきれないです…っ!」


多田野と中村が惜しみ無く気色悪さを発揮している後ろで、宇津木がため息をついた。


「お前等もっとこう…どうにかなんないの?ここ教室だぜ?」


まともに思えるだろうが宇津木はむっつりなだけで、間ごうことなき彼等と同類"変態"である。


彼もまた、人が居なくなったとみれば、早々によそ行きの仮面を取っ払い、多田野や中村同様、惜しみ無く気色悪さを発揮する。


まぁ常識がある分、二人よりずっとマシである。


「乳野も引いてんぞ?」


乳野とは僕である。牧場育ちの父親の家系を心底憎んでいる17歳の高校二年生である。


名前だけならこの中の誰よりも気色悪い。


僕は彼等とは違い、正義感の強い紳士的な男であるというのに。


だが案の定彼等は僕の存在、いや姓を知り、それだけで仲間と勘違いし、二年生で同じクラスになって以来ヌメヌメと付きまとってくるようになった。


「馬鹿、乳野はソワソワしてんだよな?」


多田野は悪意は無いがニヤニヤとした不快な顔で僕の肩に手をまわしてきた。


「僕は君達とは…」


「あーわかってるよ!じゃないとこんなノート作らねぇもんなっ!」


勘違いしないでもらいたい。


僕は、彼等が《夏を頑張る乙女応援計画》というなんとも変態のにおい立つゲスな計画を企てている事を知った。


それは、これから始まる夏休みにまで、学校で部活や補習、その他の理由で汗水流し頑張る乙女達の着替えを覗いたり、あわよくば置いていった体操着ユニフォーム制服その他諸々をなんだかんだした上で応援しようという、計画の名に恥じない、女性が聞いたら泡を吹くであろう気色の悪い内容であった。応援とは何なのか。


だが、盗んだり盗撮したりはしないようで、特に女性に危害を加える訳ではなさそうだった。


いや彼等も思春期なのだ、同性としてそういった辛さはわかる。

日々悶々と過ごしているのだろう。

思春期の不安定な心は成長していけば、いずれは治まるもの。


ここまで行き過ぎた行為は如何なものかと思ったが、危害を加える訳でも無し。

ならばせっかくの彼等の楽しみを邪魔するのは同性としてあまりにも酷だと思った。


と同時に、このまま彼等だけで決行すると、おそらくバレて停学、いや退学かもしれない。

最悪警察行きであることが読み取れた。


思春期男子の一時の気の迷いで彼等の家族や彼等自身の人生を棒に振るのはさすがに可哀想である。


そこで僕がその計画を聞いた以上、彼等が警察のお世話にならないよう、そして女性にもしもの事がないようにしなければならないと考え、彼等の計画に加わったのである。

ノートは計画を無事遂行するためのものである。そう…


「これは君達の命綱なんだ!」


「乳野?」




僕達のクラスには"美女四天王"の一人、関さんがいた。


彼女は剣道部に所属しており、身長は160センチ程の健康的な身体をした、真面目でほんわかとした女性である。


しかし面を打たれ過ぎたのか、多少頭がよろしくない。

一般的な知識が足りないのはもちろん、目についたものは触れずにはいられない性格なのである。空気を読めないと言ってもいい。

だが、悪気は無いことは皆が知っている。

それを裏表が無いと捉える為、誰からも好かれる人気者である。


彼女は確実に夏休みは部活漬けであることは間違いないだろう。


「あの子に関しては細心の注意をしないと。ちょっとでも異変に気づかれてみろ、あの子の好奇心が俺達を殺すぞ」


宇津木は頑張ってセットしたであろう、誰に見せるでもない、もとい、誰が見るわけでもない剣山ヘアーを触りながら不安げな表情をした。


「そう心配なさらずとも成功しますよ。宇津木氏はなんでも気になさる」


中村はこの沼から這い出てきた小妖怪のような癖のある顔と、度の強い眼鏡、オタクのような口調が特徴で、僕達四人の中ではダントツ容姿から変態と分かる変態である。


宇津木のむっつりとは反対に、彼はオープンである。

まぁこれ程"オープン"という言葉が似合わない怪しいオーラは、変態の鑑なのかもしれない。



続き執筆中

なお、不定期更新になります。

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