025-005
目まぐるしく移り変わる攻防に、観客たちはただただ息を呑んでいた。
ゼフィルカイザーの圧倒的な性能は最早明らかだ。あれほど軽やかな機体駆動は、それこそ精霊機でもなければ不可能だろう。だというのに、速度で劣るスケアクロウを詰め切れない。
一方でスケアクロウの、否、渡九郎の戦闘技術も形容できる域を超えている。次から次へと出てくるゼフィルカイザーの攻撃に、まるで臆した様子がない。
初手でゼフィルカイザーから切り離されたミサイルポッドから、ミサイルが連続して放たれた。恐らくミサイルポッドは半ば意図的にパージしていたのだろう。八発が尾を引きスケアクロウへ向かう。そのミサイルが、すべて中空で爆散した。
スケアクロウが、その手にしたライフルですべて撃墜してみせたのだ。設計者が同じだからか、使いこなす動作に一切淀みはない。
そして薬室内に最後の一発を装填するや、即座にライフルを放り捨て、再度ゼフィルカイザーへと追撃をかける。銃の機構を知る者ならば違和感しか感じないその様子に、しかしだからこそ、ツトリンは絶句した。
「ありえん――なんで読まれたんや!?」
ライフルに限らず、ショットガン、リボルバーにも、最後の一発には暴発するように細工した弾丸が仕込んである。奪われた時のために。
ゼフィルカイザーの神経質さにも呆れたが、渡九郎が実際にそれを成し遂げ、さらには読み切った様を見れば金属質の背筋も凍るというものだ。
パトラネリゼもクオルも、やはり言葉無く白の機体を必死で追っている。
「――俺ならどうする」
最初にそんな言葉を漏らしたのは、かつてゼフィルカイザーに勝利し、また敗北を喫した男だ。
どうすれば勝てるのか。ゼフィルカイザーに。またスケアクロウに。
帝国を滅ぼし、大魔動機を倒し、邪神の封印を緩めた元凶の中の元凶。ある意味で母の仇ともいえる存在。それに、シングとミカボシならどうやって戦うか。ガルデリオンとエグゼディならば、どうやって。
「……今のデスハウルじゃ、まだ無理だ」
シングたちとは別の場所で、ムーは悔しげにつぶやく。
デスハウルの機体特性は、現在主流の接近戦主体の機体を相手にするためのものだ。あの二機のようなひたすら相手を引っ掻き回す類は天敵と言っていい。
アウェルを真正面の戦いに引きこめたのは、事前のゆさぶりと、アウェル達が手札を縛っていたためだ。
それを侮辱されたと思わなかったわけではない。
だが今、繰り広げられる試合の光景を見れば、そんな気も失せてくる。
ゼフィルカイザーに食い下がるスケアクロウも、渡九郎に食い下がるアウェルも、どちらも己の尽くせる限りの手を費やしているのだ。アウェルに策を用いた自分と同じように。
「――ふふ」
そしてその熱気に当てられてか、ゼロビンもくぐもった笑いを浮かべた。
「父上?」
レルガリアはその様子に目を見張った。観客席にやってきたときはどこかしょぼくれた様子だった父が、今は戦意を滾らせている。
「レリーよ、悪いが隠居の話――ありゃ取り消すのである」
「な……!?」
「我輩にも、まだ滾る血が残っておった。ならばまだまだ、これからというものである……!!」
いろいろと棚上げを喰らった気は無論あったし、隠居の取り下げというのは貴族としてどうなのかという気もある。
しかし父が活気を取り戻したのは嬉しく思うし――そんなことも、あの戦いの前ではどうでもいい。
「どうぞご随意に、父上。私も、私のやり方で勝ってみせます」
他の場所でも、血を熱くするものがいた。
「今のビルガンデルの性能じゃ厳しいか……いっそ足を増やすか?」
「機体がある先輩はいいね。あたしはこれから手に入れなきゃいけないってのに」
ジャッカルに悪態をつくフローネイル。しかし共に請負人と呼ばれた男と、その名を奪い取った女は、闘技場から目を逸らすことはない。
「――――ちっ」
猛禽の特徴を持つ男、ケセロニア・アジェト。彼も同様だ。
最強の新古式を駆る、フラットユニオン最強者。魔力至上主義廃絶を謳いながら、魔力至上主義を体現するかのような己。
だが、結果として負けた。驕っていたのか、卑下が過ぎたのか。正直なところどちらもだろうが――負けたという事実の前には大した問題ではない。
勝つために手を尽くす。魔力だろうと機体性能だろうと、ある手は使う。まずはそれからだと、ケセロニアは思い決めた。
活気に湧く観客の中、フードの下、無感動な目で試合を見つめる者があった。
商会連合代理人、そういう名前で試合に出た者だ。正確には出たわけでなく、機体を操って吹き飛ばしただけだが。
代理人にとっては仇討の機会だった。しかし機は逸してしまった。
次こそは。そう決めた代理人は表情こそ無感動だったが――奥歯が、ぎり、と鳴る。
師に届かぬ己の技量も、それをもってしても仕留められなかった皇帝殺しの力にも。
悔しさにふと逸らしたその目が、有り得ないものを見た。
大きく伸びた高い耳。それはすぐに観客の中に紛れる。
己の師と同格にあった、現在の大陸屈指の有力者。それが何故一般の観客席にいるのかと。
そんなものがいるはずもなしと、代理人は意識を闘技場へと戻した。かつてよりも、これからのために。
そして試合の残滓が聞こえる程度の場所にて。
「……本当に朕に機体を任せてよいのかえ?」
「お前に生身での武働きができるのか?
魔力のある者こそ最強なのだと証明してみせろ、愚妹。
出来なければ、我がお前を殺す。弱者は我の帝国に必要ない」
竜の子らは、その光景を目にすることなく憎悪を滾らせていた。
『ガトリングの残弾、あとわずかか……!!』
「どうして倒れないんだ、あいつは」
主装甲が何ヵ所も剥げ落ち、内部フレームを晒す場所も少なくない。右膝と左足首からは時折火花が飛び散り、メインカメラと思しきバイザーにもヒビが入っている。
だが、止まらない。機体を酷使してなお食い下がるその様に、アウェルは戦慄した。
そう、渡九郎は食い下がっているのだ。ゼフィルカイザーの圧倒的性能に。
ワイヤーガンをあらぬ方向に撃ったかと思えば、その反動で大きく軌道をずらしてくる。その先にあるのは、スケアクロウが切り離したほうのポッドだ。そのポッドから六発、鉄塊が射出される。今のワイヤーで発射信号を伝えたのか。
放物線を描く砲弾は、無誘導だろうに的確にゼフィルカイザーの進路を阻んでくる。違う、そうなるよう、機を合せて使ってきたのだ。降ってくるロケット弾を避けきった先に、スケアクロウがパイルバンカーを構え待ち構えていた。
予想通り。ガトリング砲とリボルバーで迎え撃つ。だがフェイント。スケアクロウは右腕を抜き打つことなく跳躍し、ゼフィルカイザーを飛び越した。
その最中に切り離されたものがゼフィルカイザーに直撃し、中身をぶちまけ炎上する。
『がっ……プロペラントタンクか、むしろここまで被弾させずにいただと……!?』
マントと共に炎を振り払うゼフィルカイザー。誘爆を恐れて予備弾を持ち込んでいなかったが、持ち込んでいたらどうなっていたか。
そして背後では爆発音。スケアクロウが着地点で爆発に見舞われていた。
左足のミサイルランチャーを用いて製造していた地雷だ。それを今の回避動作の最中に散布していたのだ。
だが、スケアクロウはやはり止まらない。地雷が作動しても直撃する前に回避し、左手に構えた武器――このわずかな間にハンガーから奪い取ったショットガンを、ゼフィルカイザーへと向けていた。
右のハンガーアームは破壊されている。外部パーツ故に五感が通っていないことが仇になった。
炎に巻かれたことで生じたわずかなロス。回避しきる間はない。伸ばした左手から展開した粒子の壁が、散弾を遮る。
『ち、即座に連射せずに間を置くあたりタチが悪いというか……!!』
ショットガンが撃ちきられる間に、粒子も尽きた。バリアも、まともな防御効果を望めるほどのものは展開できない。
左手でリボルバーを抜く。その間にスケアクロウは突っ込んできた。リボルバーを連射。だがすべて避けられる。しかしその回避がためにガトリングの射程へと身を躍らすスケアクロウ。
リボルバーを四連射。しかし今度は全く当たらない。まさかこのわずかな間に、ガトリング砲の偏差を完全に見切ったとでも言うのか。
大きく振られるパイルバンカーを右腕で受ける。ガトリング砲が砕け、残り少ない弾帯が零れ落ちる。
『――――弾を撃て!』
「っ、お前が」
『私のことはいい!』
リボルバーの残る一発が弾帯を弾く。その衝撃で、弾帯は連鎖的に爆発し、弾丸を無差別に飛び散らせた。
ガトリング砲自体が盾になったゼフィルカイザーの損傷はさほどでもない。右半身側からアラートが鳴り響いているが、許容範囲内だ。
だがこれで本当に武器が尽きた。手元にあるのは右手のガトリング砲、その残骸と、腰のヴァイタルブレードのみ。リボルバーの残弾は自爆する代物だから投げれば役に立つかという状況だ。
対するスケアクロウは、アウェルが躊躇したおかげとはいえ被害は甚大だ。無事な個所などほとんどない。厄介だった左腕のワイヤーガンも損壊し、残るは右のパイルバンカーのみ。それでも、スケアクロウはまだ戦意を失っていない。
奇しくも試合開始当初の間合いを保って、二機は制止していた。
「――なあ、一つ聞きたいことがある」
不意に、アウェルは尋ねた。
「なんであんたは強くなったんだ? なんで、あんたは戦ってるんだ?」
スケアクロウは答えず、右腕を構えた。言葉は不要とでも言うように。
『行くぞ、アウェル』
ゼフィルカイザーが呼びかける。或いはここから先逃げに徹していれば、試合は勝てるかもしれない。スケアクロウの損傷はそれほど甚大だ。
そうしたい思いを断ち切って、アウェルはガトリング砲の残骸を握りしめた。
空気が軋み――ゼフィルカイザーが、ブースターを全開に突進した。右腕を大きく振りかぶると、胴体ががら空きになる。誰もがゼフィルカイザーが串刺しになる様を幻視した。
だが胸部、フェノメナ粒子炉の前には残るフェノメナ粒子を全開にした障壁が展開されていた。
気づかず打てば致命打にならない。気づいても、パイルバンカーをこちらの右腕にぶつけるには間合いが足りない。
「これで――――え?」
勝利を掴む、そのわずか、一歩前。振り上げた足を降ろしきるほんの間際で、アウェルは我を忘れた。
パイルバンカーが狙うのは右腕でも胴体でもない。左腕だ。その動きは緩慢。受けようと思えば受け切れる。
ムーの機道奥義を受けたときと、同じように。ゼフィルカイザーの、左腕を砕いて。
そこに生じた隙は本当にごくわずか。だがこの試合の趨勢を決めるには決定的だった。
――――だからこそ、この機を待っていたものがいた。
『信じていたぞ――――貴様を!!』
思い出す。パトラネリゼを助けるために、ブースターを起動したときの感覚を。
今やゼフィルカイザーは機体の機能ほとんどを取り込んでいる。だが、FCSによるファイアリングロックを初めとした制約はそのままだ。そこに、介入する。
あの時の障壁を砕くような感触とは違う。自分の神経を切り開くような感覚に意識が飛びそうになるのを必死でつかみ止める。
操縦権限の行き来をさせている暇はない。左腕だけを、操縦系統から切り離し――パイルバンカーを、真正面から掴み止めた。
その時初めて、スケアクロウの挙動に動揺のような物が走ったが、それもごく一瞬。パイルが即座に射出され、ゼフィルカイザーの左手から肘までを貫徹、潤滑剤や部品が飛び散った。
『がっ……!!』
コックピット内にアラートが鳴り響く。左腕損壊のメッセージが連続で流れる。
だがそのパイルが抜けない。当然だ。左腕に出力を集中し修復能力を強化。そして左腕のナノマシンは、一番間近にある物体を原料として吸収し始めていた。即ちパイル自体を。
「お前、まさかここまで読んで」
愕然とするアウェルに、だがゼフィルカイザーは激痛を堪えながら、告げるべき言葉をただ告げた。
『アウェル。お前を勝たせたいし――私も、勝ちたい』
渡九郎はあっけにとられていた。
リ・ミレニアとの二連戦において、ゼフィルカイザーはほんのわずかではあるが左側を庇い気味に動いていた。原因は明白、メアドラ所属機デスハウルの一撃で、左腕を持っていかれたからだろう。
かつて帝国の魔動騎士たちにもよく見られた傾向。貴重だからか愛着なのか、機体をかばおうとするあまりに肝心の戦いに乱れが生じる。
魔力の無い者でも動かせる機体だからなのか、対戦相手、アウェルはそれがより顕著だ。ビルガンデルとの戦いや、つい先ほどの自爆技も同じだ。
だからそれを突いた。
獲ったと、そう思った。なのに白の機体はパイルバンカーそれ自体へと手を伸ばしてきた。どこか拙い手つきで、しかし機体の損壊すら厭わずに。
機体にはアウェルしか乗っていない。渡九郎もそれくらいは感じ取れる。だが、ならば誰の意志だというのだ。機体自体だと言うなら、それこそ理解できない。
機体自体に意志があることではない。それは精霊機で見飽きている。だがあれらは自律していない。
渡九郎にとって、機体とは武器であり道具だ。
使いこなせないのはわかる。逆に機体が己についてこないのもわかる。暴走も、目にしたことがないではない。
だが、機体が搭乗者の操縦を振り切って、自壊してまで勝利を求める。そんなことがあるのか。
この世で誰よりも魔動機を、精霊機を倒してきた渡九郎だからこその困惑。それはほんのわずかなものだったが――優秀止まりのパイロットが例外に牙を突き立てるには、十分なものだった。
『――――ッ、ああああああっ!!』
スケアクロウの右腕を、縫いとめたパイルごと引き千切りにかかるゼフィルカイザー。
元々の馬力が違うのだ。腕どころか機体ごと引きずり倒されそうになる。関節部のダメージがコックピットにまでおよび、電装が火花を散らす。その中、渡九郎は右肩の自切機構を作動させていた。
読みを外したのはいつ以来か。だが、今までにもあった。そして死にかけたが、生き残ってきた。
譲る気はない。それだけを思い、渡九郎は機体を操る。来る日も来る日も変わることなく。
右肩内蔵の爆裂ボルトが右腕をパージした。
だがゼフィルカイザーは勢いにたたらを踏むどころか、奪い取った右腕それ自体でスケアクロウを殴りつけた。自切を読んでいたかのように。
パイルバンカーや右腕の破片が飛び散る中、スケアクロウは予想以上に派手に滑った。読んで、打撃を逸らしたのか。
打撃の衝撃がゼフィルカイザーの左腕を内から抉る。だがもう止まらない。スケアクロウが止まらないように。勢いを殺すどころか自身の速度に転化し、スケアクロウがゼフィルカイザーに迫る。残る左手にはナイフが握られていた。
狙いは胸元。恐らく胸部のフェノメナ粒子炉。コアと勘違いしているかそこまで読んでのことかはこの際どうでもいい。
魔動機のコアを砕く渡九郎だ。これも砕いてもおかしくないし、フェノメナ粒子の生成炉が破損すれば機体がどうなるか分かったものではない。
しかし最初に距離を開けすぎた。突き入れるナイフが、腕ごとゼフィルカイザーに砕かれた。スケアクロウの腕を砕いたゼフィルカイザーの裏拳が、腕の甲と共に開かれる。
青白い焔を纏いながら金色の粒子光を輝かせ、その手の平をスケアクロウへと叩き込んだ。
誰もがその光景に固唾を飲んでいた。
闘技場の中央、白の機体と鋼の機体は制止していた。
杭が突き刺さったままの左腕を除けば本体の損傷は軽微と言っていいゼフィルカイザーは、金色の粒子光を灯す右手を寸でのところで止めていた。ほんのあと一振りで、スケアクロウはその大部分がこの世から消滅するだろう。
しかし決着の合図はない。審判がその力を理解できないからか。否、そうではない。
ゼフィルカイザーに対し、満身創痍のスケアクロウ。主要な装甲はほとんどが剥げ落ち、両腕すら欠いて全身のあちこちから火花を散らしている。
その腰部のアーマーの付け根から、それまでになかったものが伸びている。隠し腕だ。その先端にはちりちりと火花が散っていた。
『この期に及んで、まだギミックを隠し持っているとは……』
「徹底してるな、本当に」
ぼやきあいながらも、眼前の機体から注意を逸らすことは絶対にしない。
「……あの光、何だと思う?」
『レーザートーチ……金属を溶断するための工具に似ているように見えるが』
「あれがオレをお前ごとぶち抜けるってことだけはわかる」
この期に及んでハッタリとは、アウェルもゼフィルカイザーも思いはしない。むしろ左腕のナイフは、この武器を確実に叩き込める間合いに入るための囮だったのだろう。
互いに一触即発。或いは、このまま待てばスケアクロウは蓄積したダメージで自壊するかもしれない。だが、
「ゼフィルカイザー、まだ、行けるか?」
『ああ』
二人は頷き合う。そしてスケアクロウ、渡九郎も諦めてはいない。
双方、どんな挙動も見逃すまいという極限状態。
――――だからこそ。読んでいたはずなのに。障壁に大穴を穿ちながら現れた機体に反応が遅れた。
霊鎧装の展開と共に突如姿を現した、獅子頭の魔動機に。
『下郎ども、くたばれぇえええええっ!!』
狂気と切迫感のみなぎるリュイウルミナの怒鳴り声ともに、隕石のように突っ込んできたリオ・ドラグニクス。落着の衝撃は二機もろとも、闘技場を大きくえぐり飛ばした。
衝撃に吹き飛ばされながらもどうにか姿勢を制御しようとしたゼフィルカイザーだったが、粉塵を分解しながら現れた獅子の爪が、それを逃がそうとしない。
『アウェル、死ねえええええッ!!!』
「リュイ、ウルミナ……!!」
反射的にバックブースト。だが、霊鎧装の爪はゼフィルカイザーの両足を斬り抉った。
『があああああっ!?』
スケアクロウもどうにか二本の足で着地しようとする。だがとうとう限界を迎えた両足が関節から砕け落ちる。勢いのままに地面を転がりひしゃげるスケアクロウは、推進剤か燃料かに着火したのか、機体が勢いよく炎を上げる。
それを見届けたかのように、闘技場に次々と落着音が響いた。姿はない。だが落着時の足跡はある。
その主たちは、不可視の外套を次々と脱ぎ捨てていく。闘技場の屋根にでも潜んでいたのだろう、ヌールゼックが大半の魔動機たちには、リ・ミレニアの紋章が刻まれている。
伝説の戦いは終わった。
ここから始まるのは、一方的な虐殺である。




