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転生機ゼフィルカイザー ~チートロボで異世界転生~  作者: 九垓数
第二十三話 この手の話になると主人公が悪役にしか見えない件
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023-007

 新古式ゲートロン。コア以外はすべて帝国全盛期に作られた新物であり、後にヌールゼックの原型ともなった魔動機。反乱軍の最強機、大鷹丸が現れるまでは最強の新古式と言われていた機体だ。

 機道魔法は障壁の展開。霊鎧装のような絶対装甲ではなく、物理的な手段でも破ることは可能だ。

 だが、両手に構えた双盾。魔剣に近い製法で鍛えられたこの盾は魔力伝達率がきわめて高く、この盾に障壁を纏わせたとき、その防御力は精霊機をも凌駕する。それをヌールゼック以上の膂力で叩き付けるシールドバッシュの威力たるや、生半可な機道魔法など話にもならない。

 あえて弱点を言うならば、遠距離戦闘の手段がない、という点だ。だが――


「霊鎧装じゃない魔力障壁を攻撃に使ってくるなんて……!」


『盾やバリアは武器にも使えると相場が決まっているからな……!!』


 歯噛みするゼフィルカイザーは連続のブーストステップで動き回り続ける。一拍遅れて、前いた位置を魔力の弾丸が抉った。


機動奥義ライザーアーツ――シールドバリスタ!!』


 ゲートロンの構えた金色の盾、それを覆う紫の魔力障壁が収束し、そのまま矢となって発射される。

 ゲートロンの機動奥義、それは極めて単純なものだ。魔力障壁を、攻撃にも転用するものだ。ゼフィルカイザーが読むまでもなく、それは有名な話だった。

 避けながら左のリボルバーを連射するゼフィルカイザーだが、障壁が無くとも盾は盾、ろくな傷もつけられない。

 とはいえ、敵の盾は既に残り一枚。もう一枚は盾のど真ん中に大穴が開いた状態で闘技場に転がっていた。ゼフィルカイザーが右手に持つ即席兵器、HEATハンマーによるものだ。

 形状はハンマーそのもので、ヘッド部分の両端が巨大なHEAT弾頭になっている。これで攻撃を掻い潜りながら、左の盾を奪い取ったのだ。事実、ゲートロンの左腕はズタズタになっており、盾にするくらいしか用を成さないだろう。


(こないだの試合を思い出してぞっとするというか、なんというか)


 ゼフィルカイザーの左腕は外見上は修復されているが、中身はまだ不完全だ。振動波で念入りに砕かれたせいで、修復に時間がかかっている。

 戦いは既に終局に向かいつつあるが、魔力を消耗しているはずのゼロビンに衰えは見えない。


「よく魔力がもつな、おっさん! 羨ましいったらない!」


『はっ、いっぱいいっぱいであるがな! だがこの程度、あの帝都落ちの苦難に比べればまるで大したことないわ!』


 恐るべきは魔力でも操縦技術でもない、初老に達するまで戦い続けてきたゼロビンのその戦闘経験そのものだ。


『敵機を研究しているのが己だけだと思うたであるか――シールドバリスタ!』


 さらに盾から魔力弾。しかも今度は細かい弾が連続で放たれる。範囲を見切って大振りに避けてまわるゼフィルカイザー。


「くっそ、距離が詰められない……!!」


『注意しろ、HEATハンマーはあと一発しか使えんぞ!』


 ツトリンの作った武器でゲートロンを倒す、と啖呵を切った手前、その手段を模索した結果できたのが、今脇に抱えている即席のハンマーだ。開いた右手はリボルバーの装填中だ。

 本音を言えばキ印技研のようにパンツァーファウストを用意したかったところだったが、技術的にも時間的にも余裕がなかった。

 そこでゼフィルカイザーが思い出したのが、予選でのモーターライザーの戦いだ。あの時、モーターライザーは不発だったパンツァーファウストをパイルバンカーよろしく叩き付けて起爆させていた。

 さらにそこから連鎖的に、ロボット物のラノベ、その中でも間違いなく一番売れたミリタリ色強めの作品に出てきた武器を思い出した。映像化していない部分だったので思い出すのに手間取ってしまった。それを再現したのがこのHEATハンマーだ。

 即席の上に使い捨てだ。しかし結果論だが、これだけの大口径でなければゲートロンの盾は撃ち抜けなかった。またも投げ捨てられたショットガンが転がっているが、ショットガン用のHEAT弾では盾を貫通することができなかったのだ。


(欲を張って二回使えるようにしてはおいたが、今さらながらよく一発目のときに誘爆しなかったな)


 恐るべきはツトリンとアウェルの工作技術ということだろう。

 そうして連射をかわし切ったと思ったゼフィルカイザーの足を、障壁弾が穿った。ゲートロンの盾は魔力障壁が再展開している最中だというのに。

 だが、引き裂かれた左手の、もげるかもげないかという指が挟んでいるものがあった。輝きからして、盾の破片だ。それに魔力を込め、時間差で障壁弾を発射したのか。

 大した威力ではない。だが、足を止めさせただけでも十分なのだろう。


『これでトドメである、ぜえりゃあああああっ!!』


 魔力障壁が再展開された盾、ゲートロンはそれを振りかぶり、ゼフィルカイザーへと投擲してきたのだ。障壁は端が鋭利になっており、直撃すればゼフィルカイザーは真っ二つになるだろうが――


「悪いけど――似たようなのを経験済みだ……!!」


 盾の投擲。それはかつて、リリエラがベルエルグで見せた戦法だ。風を切って迫る盾を、ゼフィルカイザーは絶妙の低い体勢で潜り抜ける。股関節が悲鳴を上げなくなったのは、旅をしてきた成果だろう。

 そしてゼフィルカイザーも、次なる展開を予想しきった。


『アウェル、後ろだ!!』


「おう!!」


 ゼフィルカイザーは振り返ることすらせずに左のリボルバーを背後に連射。

 観客たちは絶句した。避けられたと思った盾が、弧を描いてゼフィルカイザーを急襲したことも。ゼフィルカイザーがそれを見もせずに迎撃したことも。軌道を逸らされた障壁付きの盾は回転しながら地面を切り抉っていく。

 それを気に留めることなく、ゼフィルカイザーはハンマーを構えた。ゲートロンの手に武器はない。左手は流石にもう使えず、右手のみ。

 だが、その右手に魔力の光が灯った。障壁の光だ。それが幾重にも折り重なっていく。

 これこそ、ゲートロン真の切り札。魔力障壁を多重展開、積層化して叩き付ける、


機動奥義ライザーアーツ――ブルームボルト!!』


 カウンターのごとく放たれた機道奥義がゼフィルカイザーへと迫る。圧縮されていた障壁が解き放たれる様は花が咲き誇るがごとく。まるで紫の薔薇だ。

 無骨な武人然としたゼロビンにしては風雅な機道奥義にゼフィルカイザーは感嘆しつつも――


『悪いがそれも読めている――無粋に行かせてもらうぞ!!』


 バリアを武器とする手法は数多く見知っているだけに、この手も予想していた。

 両肩のポッドが火を噴く。だがそこに装填されているのはミサイルではない。ツトリンの武器で倒すと、そう宣言したがためだ。

 全十六の弾倉に装填されていたのは大口径の散弾だ。それが一斉に放たれ、咲き誇るゲートロンの機動奥義を砕いて散らしていく。

 さるロボットゲームシリーズの有名機体にも、同様に両肩にベアリング弾を搭載した機体がいた。これもそこからの着想だ。


『一発一発が手製の特注品だ……!!』


 あやかった機体のパイロットの台詞を真似ながらブルームボルトを引き裂き、現れた金色の機体へとHEATハンマーを叩き込んだ――




「いつつ……おいぼれが無理をするものではないであるな」


「父上、血が……!!」


「あー、よいよい。この程度かすり傷よ。それより魔力が足らんほうがつらいのである。してお主ら、世話をかけたな」


「この程度は大したことじゃない。な、ゼフィルカイザー」


(腰がめっちゃ痛いけどな……!!)


 口では答えず、内心で悲鳴を上げるゼフィルカイザー。ゲートロンをカフュー騎士団のガレージまで運んできたのだが、おかげで腰や膝に負荷がかかった。戦闘ダメージよりもきついかもしれない。

 戦闘そのものについては、ゼフィルカイザー側のダメージは皆無と言っていい。攻めあぐねいた部分こそあったものの、試合としては完勝だった。

 とどめのHEATハンマーで右腕を失ったゲートロンは、なおもあがこうとしたが魔力を切らして膝をついた。それが、準々決勝第一試合の決着だった。

 ジャッカルの時と違い、ガレージ内にはカフュー騎士団所属らしい人間が多数控えていた。降りてきたゼロビンを気遣う一方、アウェルには複雑そうな視線を投げかけている。むしろ直接的な手段に出ないあたりに、ゼロビンによる統制がしっかりとれていることが感じられた。


「あー……その、そんじゃお邪魔しましたってことで」


 このままここにいても、周りもやり辛かろうと撤退しようとしたアウェル。だが、そこに食ってかかった奴がいた。馬鹿息子だ。


「魔力の少ないアウェル、勘違いするなよ!? お前が勝てたのは機体と武器の性能があったからだ!」


 尊敬する父が負けたことがよほど悔しいのだろう。それに、負け惜しみで言っているだけのようだが、アウェルにとってはそれはどうしようもない事実だ。


「――んなこたぁわかってるよ」


 しかし、その程度でアウェルは今更怯まない。

 元々はかつてヴォルガルーパーとの戦いの中で既に根付いていたものだ。それに、ムーとの戦いで改めて気づいた。それがアウェルの中に今も確かに息づいている。

 そして。勝てたのは、それだけではない。こうしてゲートロンを運んできたのは、それを問い詰めたかったからだ。


「だけどおっさん。一つだけ聞いていいか。全力でオレたちを叩き潰すんじゃなかったのか」


「……ッ、何を言う、父上に侮りがあったとでも!?」


 アウェルの言葉に表情を曇らせながらも反論するレルガリア。しかし、その表情がなによりも雄弁にアウェルの言葉を肯定していた。 

 アウェルは戦士としてはいっぱし程度だ。だがそのアウェルでも見透かせるほどに、ゲートロンとゼロビンには隙があった。

 強敵だったのは確かだ。機体性能はフラムフェーダーと同レベル、乗り手の技量はリリエラ級であり、そこに長年の戦闘経験が加わっている。

 だがしかし、ほんの一瞬ではあったが明らかに気が逸れていた瞬間があった。それを突けたからこそ、一枚目の盾を落とせたのだ。

 あれがなければ、試合の流れは大きく変わっていただろう。

 そして、レルガリアも観戦しながらその隙に気づいていた。恐らくある程度の腕のある者は皆気づいたことだろう。

 反論したくとも言葉の見つからないレルガリアの方に、硬く重い手が乗せられた。だが子供のころから知るその手が、なぜか弱々しく感じられてしまう。


「――なに。若いとはいいことだと、そう思っただけのことである。

 かつて帝都の正門を任された吾輩とゲートロンに食らいついてくる彼らに、吾輩は我を忘れたのである。

 おそらくであるがな。ムー・ツェンが勝ち上がってきたとしても――機体が十全であれば、吾輩が負けていたであろう」


 そう呟くゼロビンが、背丈相応に小さく見えた。疲れ切ったような雰囲気は、トーラーに通じるものがある。そして惚れた相手の父親であり、自分の師匠だった人にも。


「……おっさん、教えてくれ。なにがあんたにそうさせたんだ。いったい何が――」


「ジンガーサマー……!! いるならば朕の前に馳せ参じるのじゃ……!!」


 詰め寄るアウェルの声をかき消すように、罵声同然の怒鳴り声がガレージに響いた。

 竜の形質の男、さらにそれとは別に耳の尖った青白い肌の女を付き従えて現われたのは、上質な衣に身を包んだ蛍色の髪の少女。リュイウルミナ・ラビロニア・ベーレハイテンだ。

 じっとしていれば可愛らしい顔立ちは、満身の怒りに歪んでいた。そしてそれは、ガレージ内にたたずむ白の機体が目に留まるとより一層深くなる。


「なんであるかな、皇女殿下」


「なんであるか――ではないのじゃ……!! 貴様、帝国の旗に泥を塗ったという自覚があるのかえ!? その上、己に恥をかかせた相手を招き入れるとは……!!」


「はて。帝国というのは当に滅び去って久しいはずであるがな」


「貴様……それでもベーレハイテンの臣を称せるつもりか。おいラクリヤ。魔力をろくに持たぬ輩に敗北したこの恥さらしを手討ちにするのじゃ」


 ガレージ内にどよめきが広まる。だが皇女はそれを意に介さない。雑音程度にしか捉えていないのだ。


「……殿下、さすがにそれは」


 流石にまずいと主を諌めようとしたラクリヤの顔を、リュイウルミナが手にした鞭が打ち据えた。


「貴様のような汚らわしい半竜が朕に口答えするとは何のつもりなのじゃ。

 魔力があるから生かされているだけに過ぎぬ分際で……!

 どいつもこいつも、何故至尊たる朕に従わぬのじゃ!?」


 地団太を踏むリュイウルミナ。

 台詞回しこそやたらと大仰だが、アウェルには、いや、それ以前にこの場にいる誰の目にも、ベーレハイテンの皇女はただの小娘にしか見えなかった。


「ああもう、まあよいのじゃ。この半竜を生かしておいて貴様を殺す理由もないのじゃ。

 ただし、ゲートロンは引き渡してもらうのじゃ。わかっておるな」


 ゼロビンを倒すうえで、この一点のみが気がかりだった。しかし、ゼロビンは大げさに首を振った。


「いやぁ、そうはいかぬ。何せゲートロンは最早吾輩の機体ではないからの」


「――なんじゃと?」


「しかし殿下がこうしていらっしゃったのならば、ありがたいのである。

 今よりこの時を持って、ゼロビン・ジンガーサマーは隠居するのである。ゲートロンは嫡子たるレルガリアに譲るとする」


「なっ……父上!?」


 聞いてもいなかったのか、レルガリアは驚きと共に父を見たが、父は諦めたように首を振るのみだ。それをどう取ったのか、リュイウルミナは表情をほころばせた。


「なるほど。隠居して此度の失態の責を負うということかえ。なればこれまでの忠勤もある。機体の召し上げは取りやめるとしようぞ」


 そして、その縦に裂けた光彩がレルガリアへと向いた。


「これからも帝国に変わらぬ忠勤を期待するぞえ、新たなるジンガーサマーよ。その魔力、思う存分帝国のために役立てるがよい」


 一方的極まる物言いに反論しようとしたときには、皇女の視線はレルガリアから外れていた。


「――――なんだよ」


「なるほど。こやつを朕の面前に引きずり出したとなれば、むしろジンガーサマーは功を上げたと言えなくもないのじゃ。

 下郎、貴様は朕の力で、この世から塵も残さず消滅させてくれる」


 吐き捨てるだけ吐き捨てて、リュイウルミナは共を連れて去っていく。出がけにラクリヤが頭を下げ、皇女一行の気配がガレージから遠ざかったところで――ゼロビンは、深く深くため息をついた。そして、


「アウェルよ、それにレリーよ。あれが、答えである」


 先ほどのアウェルの問いに、これ以上なく簡潔に答えた。


(問題があるとか、そういうレベルじゃないぞあの皇女……!? なにか、この世界の王家だのなんだのはみんな人格破綻者ばっかりなのか!?)


 ゼフィルカイザーも思考回路をパルスに震わせていた。はたしてトメルギア傾国のビッチであるハクダとどっちがマシか。


「アウェルとムー・ツェンの試合を見て、わかっていたことである。ああして新たな若い力が芽吹いているのだ、帝国はもはや古き時代の遺物に過ぎんとな。

 その輝きに、目がくらんだ。それが吾輩の敗因である」


 呟くゼロビンは、それこそ背丈相応に縮んでしまったように見えた。だが、レルガリアの中には負けじと灯るものがあった。眼前の少年と、ここにはいない屈強な少年。ゼロビンをうならせるだけの物を見せた二人。その二人に負けたくない、そう思った。


「父上。ならば、私が勝ちます。勝ってみせます」


 声も手も足も震えている。背中は汗でびっしょりだが、ここで引け腰になったら、おそらく死ぬまでそのままだ。そう気づいているからこそ、レルガリアは言葉を連ねた。


「――レリー?」


「隠居して、ハーレイとのんびりしてください。ジンガーサマーの武名は、私が守ってみせます。父上が抱いてきた矜持とともに」


「――ふ、ウチの息子も言うようになったのう。

 アウェルよ、お主らのような魔力無きものが戦場に出ること、やはり快くは思えなんだ。その輝きに目がくらみ、身の丈を誤って屍をさらす者が増えるのでは、とな。

 じゃが――そもそもうちの息子からして、これであった。は。吾輩、矛盾しておったのであるよ」


 虚弱で、魔力こそあれ武門の後継ぎとしてはあまりに頼りない息子。だがそれを後継ぎとしたのだ。ならば魔力が無いものが矢面に立つのを止められようか。

 息子の姿に満足したというように頷き、ゼロビンはアウェルへと向き直った。


「すまぬな。醜態を見せてしまって」


「いや、そんなことないよ――正直、羨ましい。オレは父ちゃんも母ちゃんも、師匠も死んじまったからさ」


 アウェルは今更ながら後悔した。ナグラスの死の間際、娘を任せると言ったナグラスに、任せろと、安心しろと言えなかったと。

 まあ本当に今更の話だ。引きずるほどの話ではない。レルガリアなどはそれを聞いて涙ぐんですらいるが。後悔するよりも、やるべきことが山積みなのだ。

 そうして前を向いたアウェルに、ゼロビンは頷いた。


「では、アウェル、それにゼフィルカイザーよ。情報提供ついでに、貴殿らに頼みたい。吾輩を超えたお主らでも、可能かどうかはわからぬ話だ。だが――帝国の旗が再びはためくことはない、あってはならないのである。

 準決勝に、何が何でも勝利してほしい」



 ――以前その名を聞いた時から、ゼフィルカイザーの中に予感があった。今は失われた最強の機体。しかしそんな風に言われる機体ほど、何らかの形で現存しているものなのだ。ロボット物のお約束だ。



「リュイウルミナと皇帝機を、倒してほしいのだ」



 その日、帝都中を激震が走った。或いは大魔動杯の開催宣言以上に。

 準決勝、帝国魔動騎士団の代表機は皇帝機リオ・ドラグニクス。

 駆るのはかつて帝国第二皇子にして皇帝代理騎士であった軍神エゼルカイン。その血を引くリ・ミレニアの皇女、リュイウルミナ・ラビロニア・ベーレハイテン。

 最強の魔動機が、ゼフィルカイザーの前に立ちふさがる。

 準決勝。魔法文明が作り上げた最強の魔動機。

 準々決勝で見せた圧倒的すぎる力に、いよいよ覚悟を決めるゼフィルカイザー。

 一方のアウェルはしかし、何かを見出しつつあった。


 次回、転生機ゼフィルカイザー


 第二十三話


 皇帝機リオ・ドラグニクス


「――あいつだけは、ぜったいに、ころしてやる」


 次回も、お楽しみに!

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