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新大日本帝国 防衛軍

作者: オボロ

この世は腐ってる。昔そんなことをいった人がいたらしい。だが残念ながら今の日本……いや新大日本帝国よりは腐っていなかっただろう。




2050年8月6日に、日本国民全員が、イリアンキャパ【異質な能力】に目覚めた。それは人それぞれ違うさまざまな能力だった。

このイリアンキャパの目覚めは、当然の如く一瞬で世界中に、広がった。

この初めて能力に目覚めた、世代を1世代とした。

これから日本が狂い始めた……


現在……2350年4月1日新大日本帝国東京、世代は10世代コード10.70代が防衛軍に入る年、新大日本帝国建国から丁度今年の8月6日で250年となる記念すべき年である。


ここは、東京第5階層 防衛軍基地伍、その中に、1000人の新入防衛軍が全員整列している。みな20歳の防衛軍学校卒業したてである。服装は、日本帝国の軍服を、ほぼそのまま採用している。ここは防衛軍基地伍の中にあるホールで、1000人が立ったまま、整列してギリギリはいる程度の大きさだ。


その中に1人の青年がいた。その青年の名前はオボロ、見た目は、死んだ魚の様な目で、髪型はぼさぼさで色は真っ黒、少し長めで、後のルックスは典型的な、日本人である。だが彼は、防衛軍学校では成績トップだったのだがそうは見えない。

その後ろに立っているのが、オボロの相棒で防衛軍学校では成績2位のホムラだ、この焔はいつもいつもへらへら笑っていて、顔は超イケメンで茶髪、髪型短めのストレート、髪なので天パはあまり目立たない。身長は168cmだ。ホムラは朧いわくとらえどころない奴らしい。


急にホール内の空気がピリッと針積めた。オボロはずっと下を向いていた顔をあげた。オボロの視線の先には、頭は白髪になっているが、顔はもう歴戦の猛者の顔をしている、じいさんがいた。そのじいさんはホールの真ん中にある壇上に立ちながら、マイクを持ちいきなり大声で

「オイッヒヨッコども今日から防衛軍で働くてことは、命捨てる覚悟はできてるんだろぉうなぁ?今日、この式が終わったらもう防衛軍なんだ、いつ緊急出動があるかもしれねぇそしてっ俺から言えるのはこの事だけだ……死んでこいッ!」

と叫ぶと最後にじいさんは、静に

「これにてコード10.70代式終了とする、みなは各自渡された電子ペーパーに記載されている、待機室にいくように」

そう締めくくりじいさんは壇上から降りて消えていった。


オボロは、渡された電子ペーパーを見た。電子ペーパーとは、そのままだが電子でできた紙で、人間の電子で表示させているので、ゴミが出ないのでエコなので世界中で採用されている。

オボロの電子ペーパーには586室と書いてあった。そしてそのまままっすぐに、586室に向かおとしたら、

「オボロ~おいおい冷たいなぁぼくも一緒に連れてってよ~」

焔がいつながら、へらへらしながらはしかけてきた。オボロはため息をつき

「お前どこなの部屋」

そっけなく言うと焔は

「ん~586室だよ~~一緒でしょー?だって僕オボロなしだとなんにもできないから~」

オボロは(はぁこいつ苦手なんだよなぁいつの間にか相棒になってしまったが)と嘆いていた。

その後はオボロがホムラを誘導しながら、5分程度で586室に着いた。

この待機室は普段は、簡易的な作戦会議などもするので、電子モニターが設備されている。この待機室の広さは、一般的な学校の教室の半分程度の、大きさがある。しかしこの586室には、少しモダンな感じのイスが3つしかなかった。

おそらくこの部屋割りは、小隊作りのためだと思われるが、3人は少なすぎるとオボロは思った。オボロとホムラはイスに座ると同時程度に、586室のドアがバンっと開いた。そこから身長が2m近くある大男が入ってきた。

その顔を見た瞬間に、オボロはここの部屋が3人しかいない理由が分かったのだった。この大男の名前はケンジで顔は、身長は噂だと2mだという、顔は真面目という顔をしている。そんな彼は防衛軍学校の成績3位なのだ。ケンジはこっちに、少し頭を下げた。ケンジは礼儀正しいのだ。

そうここ586室は防衛軍学校の成績トップ3がいるということになる。オボロは、嫌な予感がした(これはめんどくさいことになりそうだ)

ドンッとドアを開く、そのドアの奥から入ってきたのは、オボロもホムラもケンジも知っている人物だった。

そしてその顔を視認したオボロ、ホムラ、ケンジ、3人とも顔をひきつらせた。

オボロはこの時思った

(あぁ嫌な予感は当たるんだなと)

2

鬼教官アキラと聞けば、2040年以降のA級クラスだった人たちなら全員顔をひきつらせるだろう。世代番号は、10.01で、10世代で初めて正式に防衛軍入隊を許された世代番号だった。そしてその中で、英雄と呼ばれる人間がいた。それがアキラである。


アキラは、入隊の次の日に、反乱軍茨城支部に小隊の1人として突入したが、その支部を単騎で、制圧し茨城支部の支部長の捕縛に成功した。


これの戦績により、防衛軍基地伍から防衛軍基地尼に、移動をとげ異例の大出世をとげる。それから小隊の隊長となりその隊は鬼神と呼ばれるほど強かった。関東地区の反乱軍を殲滅し終えた2039年8月6日に、この建国記念日に反乱軍本部京都に、アキラは小隊メンバー約100名と突入する。


だがアキラが率いていた、鬼神とまで言われた小隊が全滅した。

アキラだけは、行きのみだが戦意喪失し、全線から脱退し防衛軍学校A級クラスの、教官を勤め始めた。


だがアキラの指導はまさに鬼で、マラソンの場合普通は40kmを1時間だが、アキラは80kmで30分という無理難題をだし、出来なかったら、アキラ自身との組み手がついてくる。


そしてこの586室に現れた人物こそ鬼教官アキラなのだ。おまけに、ここにいる座っている3人は、A級クラスだった。


アキラの顔を見てケンジは、顔を真っ青にし、いつもへらへらしているホムラさえ笑顔がひきつらせている。オボロは、完全に固まっていた。アキラ自体は、見た目は、そんなに鬼のようではなく、目が少しするどいが、それ以外で見た目は特筆するべきところはない。


しかし3人ともその、あまり特徴のない顔なのに、視認しただけで顔がひきつり、顔をひきつらせたり青くさせたり、完全に静止させたりできるのは、おそらく学生時代のトラウマからだろう。

アキラはオボロたちに向かい合わせになるようにたち、平然と電子モニターを起動させ、そして

「えーと、とりあえずこの小隊の名前と方針をだな……」

といいかけた時真ん中に座っていたオボロが手をあげ、

「あの……なに平然と会議始めようとしてるんでしょうか」

オボロは少しびくびくしながら聞くと、アキラはオボロを睨み付け

「あん?俺この小隊の隊長になったから会議始めようとしてるんだよ、文句あります?」

なぜか半ギレ気味に言われ、オボロは固まる。続いてオボロの右側に座っていたケンジが、手をあげ、

「あのすみません、自己紹介ぐらいはどうですか?」

震えた声で言うとアキラはチッと舌打ちをするとさらに鋭くなった目でケンジを睨み付け

「お前れら全員俺の教え子たがらッさッ自己紹介しないでもいいと思ったんだよぉぉぉッ悪いかごらぁ?」

完全にキレたアキラを見た3人は

(あぁそうだったアキラ教官は、いつも怒ってたな~)

と思い心の中で泣いたのだった。そうアキラが鬼教官の理由は、つねにキレているからだったのだ。

4

アキラがキレてから10分後……やっと落ち着き、会議が始まった。アキラは、話始めた。

「じゃあとりあえずこの小隊の名前は、『神風』だこの小隊の目的は、反乱軍の殲滅にある。東京の護衛のようなぬるい任務はない、お前らは優秀だからな。いいか?」

そう聞いたオボロは真剣な顔で

「1つ疑問があるのですが質問よろしいでしょうか?」

と聞くとアキラはオボロの顔を見て質問を許可した。

「神風とは、俺たちには、死ねということですか?」

オボロは神風とは、第二次世界大戦で、物資がなくなった日本が、戦闘機に帰りの燃料をつまずに、戦場にいかせた、神風特攻隊のことだと思ったのだ。


アキラは

「違う。まぁ説明するかな、えーとなまずこの頃防衛軍と反乱軍の戦いが激化しているのは知っているな?」

オボロはうなずくとアキラは続けて

「なら反乱軍のほうが優勢で、防衛軍はじりじりとおされているのは知っているか?」

オボロはうなずくとアキラは少し間をあけて続けた

「そう今は防衛軍が押されていて士気も低下している。だからこのままではまずいと、上層部が判断し、昔英雄と言われた俺が、戦線復帰で士気を上げようと思っているらしい。そしてさらに俺は小隊の隊長に抜擢された。そうこの小隊のことだ。『神風』っていう名前の由縁は、防衛軍に神風を吹かせるという目的で作られたからだ。まぁ簡単言うと士気上げたかったからて感じだよ。」

それを聞いたオボロは

「なんでそのメンバーが俺たち何ですか?3英雄たちを集めたほうが士気上がりそうですけど」

そう言うと、アキラは笑いながら

「あぁ単純な話だよ、俺あいつら嫌いだし、防衛軍学校の時、お前ら3人は俺が教えたやつらの中で1番見所があったから、せっかくならお前らが成長するところ見たいなと思っただけさ」


オボロはそれを聞くとすこし照れてしまいなにも言えなかった。オボロは誉められるのには耐性がないのだった。ケンジは、あからさまに喜んでいる顔で、ホムラはいつもどおりへらへらしているように見えた、だがよくみるとにやけていた。


そしてその3人の顔を見たアキラは

「てめぇらーなににやけてんだこの後すぐ任務だぞ」

と怒鳴った。

5

2050年4月1日午後9時、反乱軍埼玉支部包囲陣の最前線のここに 神風隊の4人が鎮座していた。4人の格好は、迷彩柄の戦闘服だ。

反乱軍埼玉支部の建物は、白色の塗装をされており、形は一般的なマンションの形で50mほどの高さがある。その建物は、防衛軍500人4小隊によって囲まれている。だがまだそれは、反乱軍には、知られていない。防衛軍は、闇に隠れながら上からの、指示を待っている状態だ。

そんな中オボロは不満そうな顔をしていた。それに ホムラが気付くと

「あれーーどうしたの~~オボロこの作戦に不満があるの?」

いつもどおりへらへらしながら聞いてくる。

「いや不満って訳じゃなくて疑問なんだよなぁいやぁさ神風隊がどれだけ上から目をかけられているかといって初陣がこの作戦はひどくない?」

そうオボロは嫌々そうに言うそれを聞いていたアキラが言う

「なに?真っ先に突入するところがひどいのかな?」

「うんそこです」

オボロはアキラがいい終えた瞬間に、食いぎみに言うとアキラはにやぁと笑い

「なんですかーーオボロくんまさかびびってるのかな?」

「もうそんなんじゃねぇよ、あといつ作戦始まるんだよ!」

オボロは若干キレながら言うとケンジが

「まぁまぁ落ち着いて行こうよ」

焦りながら言う。オボロは頭をかきむしりながら

「あぁぁぁぁもううるさいなぁケンジちょっと黙れよ! 俺は落ち着いてるよなんかこの作戦違和感があるような気がしてむしゃくしゃしてるだけだよ!」

そう言うとアキラは

「まだ作戦は始まらんよ、潜入捜査していた隊員からの情報でな、この埼玉支部の支部長が今日の午後10時にこの支部を一旦離れて、本部に向かうそうだ。この作戦目的は、あくまでも埼玉支部の占拠だ。だから支部長との戦闘は出来るだけ避けたいしな。ついでに本部に行く支部長を別動隊がつけて反乱軍の本部を見つけるそうだ。違和感とやらは、気のせいだよ」

そう言ったアキラだったが

(たしかになにかこの作戦にはなにか違和感があるな……)

と感じたのだ。オボロは眉をしかめるアキラに気付いてたがなにも言えなかった。


午後9時30分待機していた防衛軍に通信がはいる

[予定より30分はやく支部長が本部に向かいました。突入準備が終わり次第、神風隊に報告してください。これいこうの作戦指揮は、神風隊に移行します、幸運を……]

その声は女性の声だった。通信が途切れた瞬間神風隊全員に、通信がはいる。神風隊は1人1小隊を指揮する。第1小隊はアキラ、第2小隊はオボロ、第3小隊はホムラ、第4小隊はケンジの指揮下になっている。それぞれの指揮下にある小隊から通信が入ったのだ。通信の内容は準備はすでに完了しているという内容だった。


一気に場の空気が緊張と、恐れなどに変わっていく。この戦闘が始まる前の、空気はひさびさの実戦てはあるが、歴戦の英雄たるアキラでさえ緊張するのだが、この場で2人笑っているものたちがいた、そう神風隊のオボロとホムラだ。オボロは、いつもなら魚の死んだような目をしているが、この時は鬼気なる目になる。ホムラはいつもなら目も笑っているが、今は違う、ホムラもオボロ同様に鬼気なる目になっていた。

その顔を見たケンジは恐怖を覚えた。そしてアキラもその顔を見た、アキラはこの顔を知っている。この顔を見たときから、アキラはオボロとホムラに目をつけたのだ。

(この2人は俺を簡単に抜くだろうな)

と。アキラは通信機に、

[これから一気に神風隊は、入り口突入するこちらがGoを出したら第4小隊から突入するように以上!]

アキラがそう言った瞬間神風隊は、反乱軍埼玉支部に、突入した。

6

通信機に

[Go]

と聞こえた。その瞬間第4部隊が目にも見えない速さで突入する。第4部隊は超機動部隊で、肉体強化のキャパ【異質な能力】を得意とする隊員で構成されている。第4小隊の先頭を走るのは、ケンジだった。第4小隊突入後すぐ通信が入った、その声はケンジのものだった

[こちら神風隊ケンジ、この反乱軍埼玉支部の屋内には1人もいません!]

と叫んだ瞬間、一番後ろで待機していた、第1小隊の隊長から通信がはいる

[後ろから反乱軍のやつらが攻めてきました!しかしこちらの遠距離攻撃でほぼ殲滅を完了しましたですが支部の全員ほどの人数はいないようです]

そう第1小隊は遠距離のキャパを得意とする隊員で構成されており、殲滅力はほかの小隊よりも強い。この通信を聞いたアキラは、空を見上げる。そして命令をだした

[第4小隊はそのまま支部内に待機していろ、第2第3小隊は、支部に突入し第1小隊の援護をしろ、第1小隊は敵を殲滅次第支部内に突入しろ]

その通信を聞いた隊員全員は、指示にしたがって動きはじめる。オボロは、空を見上げ、右手に炎槍を出し垂直に空えと投げた。 するとその炎の槍が途中で消えた。オボロは

「なるほど視覚妨害のキャパ使いが何人かいるな、まぁアキラ教官死なないでくださいね」

笑いながら支部内に入っていった。アキラは、オボロの、背中をみながら

「ばーか死ぬわけないだろ」

と独り言を言う。


オボロに続き野外にいた敵を殲滅し終えた、第1小隊も支部内に入っていく。

アキラが、すべての小隊を支部内に、行かせたのは2つの理由がある、1つは

嫌な予感がするので、出来るだけはやくこの支部占拠し、この作戦を終わらせたいというのと、もう1つは、アキラ自身の戦いに、巻き込まぬようにすることだ。アキラはこの綺麗な星空を見上げて笑った。

「さてリハビリぐらいにはなってくれよ!」

と言った瞬間、アキラの足元にそよ風通ると、アキラの体は宙に浮いたと思うと一瞬で上空100mにまでに到達する。アキラは周りを見渡す。

(ここらへんでオボロが投げた炎の槍が見えなくなったから、ここらへんに視覚妨害のやつらが潜んでるだろうな)

そう考えたアキラは、ふぅと深呼吸をして、左手で鞘を持っているよな構えをとり、右手でその刀を抜く動作をすると、アキラの右手には風で作られた刀が収まっていた。そうアキラは基本的に風のキャパを使う、アキラの同級生はみなアキラのことをこう言う風神と……


アキラは、右手に持った風の刀を体ごと平行に一回転すると、その風の刀が通った場所から一気に無数風の刃が出現し、そのまま飛んでいく。ぐさくざと風の5本なにかに刺さったような音をたてた。

「手応えありだな」

とアキラは言うと、その刺さったような音がした場所からいきなり、反乱軍の白を基調とした制服を着たやつらが現れては地上に落ちていった。

すると通信が入る

[おーいこっち支部内だけどやっぱり誰もいないぜ占拠完了だな]

オボロの声だった。アキラは辺りを見渡しながら

[そうかーこっちも終わっ……]

その空に浮いてる人影が見えた。その人影は月明かりに照らされて、顔が見えた。その顔は11年前に見たあの忌まわしき……するとその人影は、白い光線を出しその光線は、蛇のようにアキラに絡み付いた。

「クッふざけんな……」

アキラは全く振りほどけずにいた。その人影は、支部を見下げる。そしてその人影は、支部に向かって屋上から突入した。

7

オボロは、支部の5階で通信が途絶えたアキラを心配していた。

(この胸騒ぎ一体なんなんだ、)

そんなことを考えていたその時ドンッと何かが落ちてきたような音がした。その音がした方を見ると、そこには男がいて天井から落ちてきたようだった。オボロは真っ先にその男の方に向かった。その男を見た瞬間オボロは、この嫌な予感の正体が分かったのだ。そうこの男だ、間違いなく。

オボロがその男を見た瞬間感じたのは、なにか底が見えない闇を見てるようなそんな感覚に陥った。だから真っ先に、オボロは、この男の気を自分に向かせて皆を逃がそうと思ったが、しかしそんなに話はうまくいかない。オボロの前にその男の目の前に現れた人影があった。その人影は、ケンジだった。さらに男の背後に違う人影が現れる、その人影は、ホムラだった。ホムラは右手に持った日本刀で、その男に斬りかかったが見えない、バリアのようなもので止められた。ケンジも間髪入れずに、両手で持っていたハンマーを男に叩きつけたが、やはり見えないバリアのようなものでとめられる。そして、その男はニヤッと笑う。オボロはヤバいと直感した

「お前ら避けろぉぉぉぉ!!」

オボロは叫んだがもう遅かった、その男は体が急に発光したその瞬間直径10m以上ある真っ白な光線が10本とも防衛軍の隊員が大勢待機していた、場所を直撃した。


光線が撃たれたあと支部は、半壊した。オボロは避けろと叫んだ瞬間、自分がだせる最大の炎を壁にしたがほぼ無駄だった。だがもともとオボロを狙う光線ではなく、オボロはかすった程度ですんだが、オボロの体はぼろぼろだった。

「ちくしょう……むちゃくちゃだくそがこんなのどうすれば……」

オボロは砂煙が舞うなか、なんとか立ち上がった。少し時間はたっただろうかだが一向に砂煙は、晴れない。

たったったと後ろから足音が近づいてくる。

オボロは後ろに振り向くとあのビームを出した男がいた。

「ッ」

オボロは声に出せない絶叫をする。

近くで見て初めて気付いたがこの男の目は闇そのものだ。顔は普通の人間のはずなのに、なぜかオボロには、悪魔にしかみえなかった。

オボロはその男と目があいつづけていた。この今オボロとその男のあいだには、不気味な空気がある。オボロはその男の目をあわせてしまった瞬間から、動けなくなった。まさに蛇に睨まれた蛙だった。その男は、オボロの方を見る。


そして

「愚かだな……」

その声は、深く暗かった。

男は、ニヤァァと笑う。その笑顔は、まるで悪魔のよう……男の体がまた急に発光すると、また真っ白の光線が10本発射される。その10本とも一番近くにいたオボロには、当たらなかった。

オボロは気付いていた、その男があえて自分を狙らっていないことにプツンとオボロの何かがキレた

「なにわざと外してんだよ……なにが愚かだよ防衛軍なめんなぁぁぁぁ!」

叫んだオボロは、完全に正気を失う。

「炎剣ッ業炎双華」

オボロがそう叫ぶと両手に、炎で創られた剣を出す。その炎は、空に投げた槍とは質量が違う。オボロの全力だった。

「ウオォォォォラァァッ!!」

オボロは怒号とともに、両手に持った炎剣でその男に斬りかかる。しかしやはりその男には剣は届かない、見えないバリアのようなもので止められる。男は不敵に笑った。その男は右手を銃の形にする、そして今回は、右手の人差し指だけが発光した。オボロは

(やばい!)

そう思い、体を動かそうとするが、なぜか動かない。オボロはこの時分かった、こいつの目を見ると動けなくなる理由が

(そうか……そうだったのか……でもどうすれば……)

だが考える時間はなかった……その男は、人差し指をオボロの左脇腹に少し当たるところまで近づける。そしてその男は悪魔の微笑みを浮かべ

「バンッ」

そう言った瞬間に、その男の人差し指から光の弾丸が飛び出した。その光の弾丸はオボロの左脇腹を貫通し、勢いを止めずに支部の壁を何枚も壊した。


オボロは、その光の弾丸の衝撃で、後方に吹き飛び、背中から、ドサッと鈍い音をたてて床に倒れた。

「ッハァァハァァ」

オボロは虫の息だったが、左脇腹を撃たれたのは、そんなに大きなダメージを受けたわけではない。あの光の弾丸が壊した壁は粉々になっていた。その衝撃はオボロの身体中にダメージを与えた。

「グハッ」

オボロは吐血をした。オボロは意識が消えていく、そんな中オボロは

(ああ死ぬのか……俺……じゃあもう使っていいよな……)

そしてここでオボロは笑みを浮かべた

8

ムクッとオボロの体が起き上がる。男は振り返りもしない、だがオボロは、笑みを浮かべている。その顔はまるで悪魔……いや魔王のようだった。そしてオボロは

「おいまてよ……てめぇはお前は俺が持っていく……」

そのオボロの発言に、男は振り返ると驚いた顔をする。

するとオボロは身体中から、黒い炎をだしたす。その黒炎を男に対して放つ、だが透明なバリアのようなもので……バリッという音がした瞬間、男の周りに紫色のバリアが球体じょうにはられているのが見えた。だが黒炎はそこで勢いが止まってしまった。男は驚いた顔で

「仮視化させたのか……」

だがすぐに余裕を取り戻し

「これは……因果の力だな……」

そう言うと、男は体を発光させる、そして10本の真っ白な光線が発射され、全てオボロの体を狙い、貫いた。


オボロの体は半分以上、えぐられていた。しかし……一瞬でそのえぐられた部分が再生する。

「ハァハァ」

だがオボロは体力のほとんどを使ってしまい、立てなかった。

「終わりだな、まさか防衛軍の中にもまだ、因果を使うものがいたのはな。 肉体創造までやれるとは思わなかったがな、」

その男は右手を銃の形にして、その右手の人差し指をオボロに押し付ける

「お前をほおっておくと今後大きな脅威となるだろう、だから俺は、ここでお前を殺す」

そう言うと男は右手の人差し指を発光させる

「じゃあな因果の若者よ」


男の背後からガキンッという音ともに、また男がはっている紫色のバリアが仮視化される。

「てめぇオボロになにしてんだよ!」

叫ぶその声はホムラのものだった。叫んだホムラの姿は右手に白銀の、日本刀を持っていて、いつもへらへらしていた顔からは笑みは消え、その男に対しての憎悪がにじみ出している。髪の色は、茶髪のはずなのに、銀髪になっていて逆立っている。目もいつもなら黒いろのはすなのに、銀色になっていた。その姿を見た男は

「さっき斬りかかってきたやつか……面倒くさいな……その見た目は、輪廻だろう……次から次へと、因果と輪廻両方ともいるなんて聞いてないよ」

そういった男は、少しイラついていた。そんな時その男は眉間にシワを寄せ、目線を下に下ろす。

「分かりましたすぐ本部へと帰還します はい了解しました」

そう言うと目線をオボロとホムラに写す

「はぁよかったなお前ら俺は、本部に帰還しなくてはいけなくなった命は助かったぞ、次あったときは対等に戦いたいものだな」

とその男が言った瞬間、シュンという音とともに姿を消した。

「助かったのか?」

オボロはなんとか立ち上がりながら言うとホムラは、スウッと白銀の日本刀が消えていく、そしてそれにつれて銀髪も銀色の目も、元通りに戻っていく。ホムラは少しふらっと立ちくらみのようになるが、いつも通りにへらへらと笑いながら

「そうみたいだね……」

ふらふらとした足取りながらなんとか1人で歩ける状態だったオボロは、

「ほかの生存者を探そう……」

そう言うとホムラは

「あぁそれはケンジに頼んどいたよなんとか生きてたみたいだったから~~」

と言った瞬間、支部内にいる全隊員にアキラから通信が入る。

[撤退命令だ、これは神風隊隊長アキラが命じる息をしているものは、埼玉防衛軍駐在所まで全力でにげろ、この埼玉反乱軍支部に、埼玉反乱軍全員と支部長がこちらに向かっている。この戦いは我らの敗北だ、これ以上犠牲を出してはならない、逃げろ]

9

2350年4月5日


反乱軍埼玉支部攻撃作戦による損壊および戦死者及び行方不明者の報告


この作戦に使った物資5億の損壊

この作戦に参加した500名の隊員のうち457名が戦死及び行方不明者

この戦死者の中には神風隊隊長アキラも含まれる。アキラは、反乱軍埼玉支部に、迫ってきていた、反乱軍約600名と反乱軍埼玉支部支部長を足止めをする。反乱軍の、約200名を倒したとされている。

神風隊はオボロを隊長として、引き続き運営していくことに決定。


反乱軍埼玉支部攻撃作戦で生き残った隊員は、全員この日、東京第1階層の防衛軍本部に来ていた。この東京は地上を1階層とし、地下に約2000mの地下を作り下から10階層となっている。

その日は雨だった。あの作戦での戦死者

の葬式だった。戦死者全員の遺影が飾られていた。葬式ではすすり泣く声や、ただ呆然と遺影を眺めている者もいた。

この作戦の大敗は、あっという間に防衛軍全隊員へ伝わった。当然のごとく防衛軍の士気は大幅に低下した。


そしてその葬式も終わり葬式会場には、3人しか残っていなかった。その3人とは、神風隊のオボロ、ホムラ、ケンジの3人だ。

葬式が終わった後そのまま帰ろうとしていた、オボロとホムラの2人をケンジが呼び止めたのだ。あの作戦以降神風隊は全く、会議はおろか連絡すらとっていなかった。だがケンジはオボロたちに2つ聞きたいことがあった。

ケンジはオボロとホムラの顔を見るそして

「君たち2人には、聞きたいことがる。」

重々し声で続ける


「ホムラ君が砂煙舞うなか僕はみたんだよ君の姿を、オボロ君の黒い炎を……あれはなんだい?そして君たちはなぜあんな化け物に相対して生きているんだい?

これからも神風隊の仲間としてやっていくなら知っておく必要があるだろ?」


ケンジの顔は暗かった。ケンジは、この作戦で永遠無二の親友を無くしたらしいが、葬式では、全く感情を出していなかった。

オボロはその顔を見てホムラの方を見ると、ホムラもうなずいていた。

「わかった話すよ……だけどこの話は長くなる。話はイリアンキャパようは、キャパが目覚めてから50年後世代は第3世代西暦2100年までにさかのぼる……いやここではなんだな仕方ない防衛軍基地伍の586室にいこう……」


オボロたちは、586室につきケンジとホムラは椅子に座りオボロは、前アキラが立っていた場所に、立っていた。そしてオボロは、話始めた……

10

話は2100年第3世代の時代へとさかのぼる。この時代から日本は、鎖国を始める。外国の物資が入らなくなり、食糧難が怒った。そして食糧難になり治安が悪化、日々の食べるものにも困る生活に陥った。だが富裕層は、違った。富裕層は富を独占した。結果貧困の差がこれまでにないほどになってしまったのだ。

しかしこのままでは日本は、潰れてしまう。そう思ったこの時の、最強のキャパを持つ3人因果、奈落、輪廻という3人が集まり、新しい国家として、京都に日本国という国を作った。これが後に反乱軍と言われる組織である。


この因果、奈良、輪廻は、それぞれ特殊なキャパの持ち主だった。因果は、自分ごと黒炎でもやし、肉体創造で自分の肉体を完全に治癒させる。黒炎は、諸刃の剣だが、因果は肉体創造で最強の矛となる。

輪廻は、髪の毛と目を銀色にして、右手に白銀の日本刀を召喚しそれを振るう、神速の剣となる。

奈落は、詳しいことは分かっていないが、しかし絶対の防御を持っていた、という噂だ。


この最強の3人が作った日本国は、8月1日東京に進軍する。とても激しい戦いで東京は、ほとんど廃墟とかし、東京の周辺、埼玉なども、これまでにないほどの、戦死者と被害をだした。この戦いで日本は、ほとんどの軍事力を失うが地力でまさる、日本の勝利となるが、この戦いで大きな被害を受け、国自体を作り直すことになる。

この年の8月6日に、日本は新大日本帝国と名を変え新しい国家に生まれ変わる。キャパの力=権力この形ができ今に繋がるのもこの戦争があったからだ。これまで利用されるしかなかった人たちも、ある程度の地位になることも可能になった。

この戦いで因果、奈落、輪廻は戦争をしかけた戦犯として、処刑となってしまう。

だがしかし因果たちが目指したものは完全平等の国だった。

その意思を継いだ者たちが反乱軍となった。どこかに因果たちの子孫がいるとされるが、全て反乱軍の中にいるとされてきただが……

「だが俺たちは違う、俺たちは東京生まれの東京育ちのはずなんだ、だがなぜか俺は因果、ホムラは輪廻の力を使える、まぁこれがばれたらタダじゃすまないだろう、あとなぜ生きてる理由は、ただたんに運がよかったのさ」

オボロは、そう話終えると、ケンジの方を見る。ケンジの顔は唖然としていた。そして

「話てくれてありがとう……最後に僕がもし君たちのことを上層部に報告すると言ったらどうするんだい?」

ケンジはオボロたちに問う

「俺が、防衛軍に入った理由は上にいくためだ。俺は知らなくてはならないことがある、その邪魔をするならケンジお前でも消す」

オボロはそう言うとホムラは笑みを消し

「僕はオボロの邪魔をするやつがいたら、そいつを殺すよ」

と言った。

10秒ほどの沈黙が続くとケンジが

「君たちの覚悟は分かった、これからも神風隊の隊員としてよろしくね、あ敬語を使わないといけませんね、オボロ隊長」

「いやため口で頼むよケンジ、これからもよろしくな」

オボロが少し照れながら言うとホムラは、いつもどおりへらへらしながら

「そっかーオボロ、隊長になったんだもんね敬語使わなきゃねケンジ」

「やっぱりそうだよねホムラ君!よしオボロ隊長これからも敬語でいかせてもらいます」

ケンジは大真面目に言うが、ホムラの言葉には悪意しか感じなかったオボロは

「はぁ」

とため息をつくのだった。だがオボロはケンジが自分たちのことを受け入れてくれたことが、とても嬉しかった。

オボロは、このキャパがあることを親に知られた時の親の顔を一生忘れないだろう。あの化け物を見たような顔を……


次の日 4月6日

この日神風隊は、東京第2階層防衛軍基地尼に召集命令が出ていた。

神風隊の3人はこの基地の局長室に集合していた。

3人は、横一列にオボロが真ん中に立っていた。目の前にはこの基地の局長がふんぞり返っている。

局長はハゲでグラサンをしているが、まだ若く見える。そしてその局長はドスのきいた声で

「神風隊の貴様らに、任務がきている。貴様ら3人で反乱軍埼玉支部支部長を暗殺しろという内容だ」

オボロとケンジは驚愕した顔をしている。ホムラは、頭の上にはてなマークが浮かんでいる。

そしてオボロは

「それはさすがに荷が重すぎではありませんか?」

ケンジもすかさず

「そうです僕たち3人はまだ、防衛軍学校を出たばっかりですし、実戦経験もまだあの作戦しかありません」

抗議をするが局長はグラサンの奥に鋭く光る

「だからだ。あの作戦にて、反乱軍最高幹部扇 仁を相手にして生きていたのだ。おそらく君たち3人の力をあわせれば埼玉支部の支部長レベルなら勝利できると、信じている 」

「扇 仁?誰ですかそれ?」

とオボロが聞くと局長

「そうか名前を知らないのか。扇 仁というのはな、あの作戦に参加した隊員のほとんどを1人で殲滅した、あの男だよ」

それを聞いたオボロもケンジもホムラでさえ顔を歪めた。

「最高幹部ですか……なぜそんなやつがあそこにいたんですか……」

オボロは、局長を睨み付け怒りを押さえながら言う局長は

「それは目下調査中だ」

オボロは局長睨み付けながら

「あんたらがちゃんと調査をしとけば、アキラ隊長は死ななくてもよかったんじゃないか?」

だがその回答はなかった。オボロはこんなことをいっても無駄だと、分かっている。だがあの作戦の時感じたあの違和感をオボロはまだ抱えていた。

局長はオボロの目を見て

「だからその作戦で死んだ隊長全員の、弔い合戦なんだよ……だが今回の作戦の失敗で、防衛軍の士気は、大幅に低下した。だがお前ら3人はこの防衛軍に『神風』を起こすための作られたんだよ。この任務が、成功すれば少なからず防衛軍の士気は上がるだろう……頼むアキラの同級生の俺の願いだ」

局長は座っていた椅子から立ち上がり、頭を下げた。

そんな局長の心を見たオボロは

「任務実行日時はいつですか」

局長は頭をあげ

「1週間後の13日だ開始時刻は追って連絡する」

神風隊3人は声をあわせて

「了解!」

11

4 月13日午後10時30分


あの戦いでぼろぼろになっていたはずの反乱軍埼玉支部の建物が、元通りになっているところを見ながら、あの作戦で待機していた場所に、神風隊の3人が任務開始時刻の11時を待っている。3人の服装は、あの作戦の時のまったく同じ服である。オボロが

「今回の任務は、反乱軍埼玉支部、支部長友田 悠希の暗殺だ。この任務で悠希を殺せれば、反乱軍埼玉支部は崩壊する。そうすれば、関東周辺の反乱軍を完全に殲滅できたことになる。それだけこの任務は重要なものだ 」

ケンジとホムラに今回の任務の内容とその重要性を再確認させるために言ったのだが

「分かっていますオボロくん!アキラ隊長の弔い合戦です!」

ケンジは真面目な顔で返してくるが、オボロは苦笑いしか出来ない。このやる気は、いいが今回の任務は暗殺、前とは違い総力戦になればこちらが負ける。この任務を成功させるには、完全に気配を消さなければない、しかしケンジは気配が駄々漏れである。これでは、監視警戒している反乱軍にすぐ見つかる。

この中で一番気配を消すのがうまいのは、ホムラだ。なので今回は、ホムラに支部長の暗殺を実行してもらうことになっている。

この任務でのケンジとオボロは、ホムラのサポート役にまわることになっている。だがこのサポート役も当然気配を消さなければないだからオボロはケンジに対して

「そのやる気は今は捨てろ、今からやるべきことは、ホムラのバックアップを完全にこなすことだわかるな?」

厳しい口調で言うとホムラは

「まぁまぁ怒らないでよ、今回の任務は僕がメインなんだから、僕がケンジ君のぶんも頑張ればいいのさ~」

とへらへらしながら言うとケンジは

「分かったよ……でもバックアップはまかせて!」

やはり暑苦しく答える。オボロはもう苦笑いしかできなかった。


午後11時にこの任務を開始するのは、この任務依頼から1週間、埼玉支部を、調査したところ、午後11時間~午後11時30分の間は監視が交代する時間で一番監視が緩い時間なのだ。監視者は正面玄関に2人と支部長悠希の寝室前の2人だけになる。

「ケンジ、お前は囮だ。正面玄関でお前がハンマーを振り回して注意をお前に向かせる。その隙に俺とホムラが侵入する。で俺は、寝室前にいるはずの2人を殺るから、ホムラは寝室にはいってすぐ首斬って帰ってこい。それで俺達の任務完了だ。大丈夫か?」

オボロは作戦の段取りを再確認させる。するとホムラが

「ケンジ君があばれちゃうと反乱軍の人たちがケンジ君の方に行ってこの時間にした意味なくならない?」

その疑問はもっともだとケンジもそんな顔をしている。

「あのさ前の作戦会議の時言っただろ、この反乱軍ほんとんどが寝ているこの時に、ケンジが暴れれば、ケンジが最初戦うことになる人数も少なくなるだろう。あとは他の反乱軍が来る前に暗殺すればいいだけの話さと前の会議で言ったはずなんだがな……お前ら2人聞いて無かったのかよ……」

オボロはあきれながら言うとケンジとホムラは顔を見合せ同時に

「ごめんなさい……」

オボロはうなずき今回はすぐ謝ったので許した。そんことをしていたら午後10時55分になっていた……


オボロが持っていた時計が午後11時をさすと、おもむろにケンジは正面玄関に突入する。そして、腰につけた小さいポーチから1.5m以上あるハンマーをだす。あの小さいなポーチは、圧縮ポーチというもので、基本的になんでも入る。

そしてケンジは、正面玄関にいた2人の監視者がケンジを発見したと同時に、支部内にけたたましいサイレンがなる。


ここからが時間の問題だ、ケンジのキャパの1つは肉体強化で、1.5mもあるハンマーを軽々と振り回し、すでに監視者の2人を倒している。そしてオボロとホムラは監視者が倒された瞬間に、オボロを先頭に、支部内に潜入する。やはりまだほかの反乱軍とは、鉢合わせにならない。

支部長悠希の寝室は3階の一番奥の部屋なのだが、オボロとホムラは約55秒で寝室を捉えた。やはり情報どおり、2人寝室前にいる、オボロはその炎の槍を両手にだし、そのに2人投げるが、2人が持っていた、サーベルで簡単に弾かれる。だがその一瞬の隙にホムラが寝室の扉を蹴破る。

ホムラが悠希の寝室に入いった瞬間壊れたはずの扉がもどおりになり、バタンっと閉まる。

「!?」

オボロは想定していなかった事態に驚きを見せる。

オボロがホムラを助けに行こうとすると、扉の前にいる2人の片方が

「さっきの男のもとにはいかせないこれは、悠希様の命令だ。」

と言うと2人同時にオボロにサーベルで斬りかかるが

「炎剣 業炎双華」

オボロがそう言うと、両手に炎剣をだし受け止める。

「なめるなよ……三下が……」

オボロは2人を睨み付けるしかしその2人の、もう片方がにやりと笑い

「残念だったな……増援の到着だ……」

そう言うと、オボロの背後から、大きな廊下のはずだがそれを簡単に埋め尽くすほどの反乱軍がオボロに迫ってくる。

「上等じゃねぇかお前らごときに俺が足止めできると思うなよ……」

オボロはそう言うがしかし内心では

(この人数はまずいな……ホムラ……ケンジ無事でいてくれよ……)

その頃ケンジも、大量の反乱軍との戦闘に入っていた。

そしてホムラは閉まった扉をどうにか開けようとするがびくともしない。部屋は真っ暗でなにも見えない。

「うーん困ったな~~閉じ込められちゃったーー」

ホムラは軽い口調で言うが、実際非常に悪い状況だ。この部屋には、悠希がいるはずで、ホムラ単独で悠希を相手するのは、部が悪い。

バチっという音ともに、部屋が明るくなる。そしてホムラの背後から

「なんだよ俺のお気に入りの扉ぶっ壊したの、どんな大男かと思ったがなんだやわ男だなぁ!」

男の太く低い声が広い部屋に響き渡る。その声を聞きホムラは後ろに振り替える。そこには3mはあろうかという大男がたっていた。ここの部屋の天井が5mほどあるのだがその半分以上がその男で遮られている。しかもその大男は筋肉の塊という表現がふさわしい体つきをしている。大男の格好は、その筋肉を見せつけるためか上半身が裸で、ボクサーのようだ。

だがこの圧倒的な体格差を前にホムラは、いつもどおりへらへらしながら

「お前だれだよ~~」

大男は不機嫌そうに

「俺か?俺は悠希この支部の支部長だ、ところでお前こそだれだよ」

ホムラは鬼気なる目に変貌し

「俺は防衛軍ホムラ、お前を殺しにきたんだよ!」

そう言った瞬間右手に日本刀をだし、悠希に斬りかかった……



同時刻 東京上空100m……


そこには1つの人影が風を纏いながら、東京を、見下ろしている。この日は雲に月が隠されていてその人影がだれかは、判別ができない。

その人影は、自分を中心に無数の風の剣を作り出す。その刃は40m以上あり、その人影の周りを円形に回っている。

その人影が右手をあげ降り下ろす、すると周りを回っていた風の剣が東京に降り注ぐ。

だがその剣は、東京の上空約40mほどに張り巡らされている、バリアで消されてしまう。しかしその人影に動じた様子はない。

その時東京第1階層~10階層の全ての地区に敵襲がきたことを知らせるけたたましい警報がなりアナウンスがはいる

〈敵襲敵襲東京上空から攻撃を受けています各自指定避難場所に移動してください〉

そして無数に降り注ぐ風の剣がとうとう東京上空に張り巡らされていたバリアを破り、東京の第10階層に一瞬で、風の剣が到達する。

さらに勢いをまし降り注ぐ風の剣は、たった5分間もの間東京に降り注いだ。だがもうあの人影は東京上空から消えていた……


12

ホムラが斬りかかり 悠希の体に当たった瞬間、日本刀が砕け散る。悠希には全く効いていない。

「あんだよいきなり斬りかかってくんなよ、まぁ俺の体にはまったく効かないがな」

悠希は笑いながら言うとその丸太より太い左腕でホムラを全力で殴る。

ホムラは扉に叩きつけられ

「クハッ」

腹から空気が押し出され

「グフっ」

吐血し崩れ落ち動かなくなった。それを見た悠希は

「へへどうだ鋼鉄よりも硬い俺の腕の味はよう効くだろーーまぁ冥土の土産だ教えといてやるよ俺の1つ目のキャパを、肉体強化だが俺の場合は、力や速さを強化するじゃない、硬くするんだよ。 しかも硬度はダイヤモンドにも匹敵するぜ、その一撃をお前は、受け身もとれず直撃したんだぜぇ! さて次の一撃でしめぇだ」

悠希が左肩を回しながらゆっくりとホムラに向かっていくそして、動かないホムラの目前に迫る。

悠希は、その左腕をホムラに振りかぶる。グサッと何かが刺さったような音がすると

「グガァァァァァァァテメェェェ」

叫ぶ悠希の左手の拳には深く日本刀が刺さっている。その日本刀の持ち主は、ホムラだ。

「てめぇどこからその刀だしたんだよぉぉ!俺の体に刺さるようなこの刀もなにもんだよ畜生が」

悠希は、言いながら刀を抜こうとするが、その隙にホムラは崩れ落ちた、体制から一気に悠希に刺さった、日本刀を悠希の拳をえぐるように抜き、悠希の背後5m付近まで飛ぶ。

そしてホムラは、悠希の方を見るいつもの笑顔とは違いにやりと笑う、を見て振り返った悠希はその顔を見て

「なにへらへらしてやがるだ、たった一撃入れただけで調子にのるなぁぁぁぁ!!!」

叫ぶ悠希をホムラは

「まぁまぁ冷静になってくださいよーーお詫びに僕のキャパの1つ教え上げますよ」

冷静になだめて話し始める

「僕のキャパはね、左手でさわったものを右手に出せるって能力なんだけど、左手でさわったものは1回どこかに保管されているんだ。それはどこかは僕も知らないんだけどね。でその左手でさわって保管したものは、どれでも念じれば右手に出せるだよね。でね、さっきの刀はダイヤモンドパウダーってものがついててダイヤモンドでも斬れるんだ。でさこの刀はどこから現れたかって質問には、答えれないね、どこから出たのかは知らないもん。」

「んなこたぁもうどうでもいいんだよぉぉぉぉぉ!!」

怒号とともに悠希がホムラに向かって突進を仕掛けるが、ホムラは、悠希の左のほうに軽く避け、悠希の左腕を肩ごと切り落とす。

「グガァァァァァァァハッハッガグ……」

悠希は痛みに叫び膝をつき左肩を押さえてるそれを見てホムラは

「うるさいなぁまだしゃべってる途中なんだけど、でね僕の能力には1つ欠点があるだよね、それはね人は左手でさわっても保管できないんだよね。はいお話終わりってことで、この戦いも終わらしちゃいましょう!」

意気揚々と言うと悠希がホムラを睨み

「ああそうだな終わらそうじゃねぇか俺の勝利でな!」

悠希が叫ぶと悠希の左肩からなくなった部分から腕が生えるその様子を見ていたホムラが口を開ける

「生えたようにみえるけど元通りになったといったほうがいいのかな?」


「ほぉ鋭いなさすがだぜ、その通りだ俺のもう1つの、キャパだぜさっきお前が壊した扉を直したのも俺の復元能力だ。ついでに仁様に穴ぼこにされたこの建物を、元通りにしたのも俺のキャパだぜ。もともとマークをつけておかなきゃならないんだしかも臓器は再生できない、がいいキャパだろう?」

悠希は笑いながら続ける

「でよー俺は10世代なんだ……意味わかるよな、そう俺はあと2つのキャパがあるんだよ。お前には使ってやるぜ、さっきいったよな俺の肉体強化しかも硬化するキャパだってよあのさあれには続きがあってよ、俺は肉体強化のキャパを速度と圧倒的な攻撃力を上昇させるキャパももってんだぜェェェェ!!」

悠希はそう言った瞬間

「ウオオォォォォ!!!」

叫びとともに、悠希の体が二回りほど大きくなり、

「よう待たせてたな、俺の全力を見せてやるよさんざんこけにしやがってよぉぉぉぉ!」

ドンッとホムラめがけて右腕をこれまでとは比べようがないほとの速度で降り下ろす、それをホムラはギリギリのところでかわすが、続いて悠希は左腕も降り下ろす、だがこれをホムラは、ギリギリのところでかわす。

そして悠希は、右腕左腕を交互にホムラに振りかざし、続ける。

「オラオラオラオラオラオラオラシネシネシネシネシネシネ」

叫ぶ悠希は叫ぶ自分をこけにしたガキを自分の拳で殺している。イラつきは、快感に変わる。

強化画材で作られているこの建物の床がへこむほど悠希は殴り続けた。


強化画材とは2150年日本が開発し、それでできた建物は核爆弾に直撃しても傷すらできないという代物だ。現在日本で建っている建物はほぼすべて強化画材でできている。そんな建物を一瞬で半壊させるのだ、扇 仁がどれだけ化け物じみているか分かる。


その強化画材でできているこの建物の床をへこむほど殴り続けた悠希の拳はズタズタになっていた。腕を止めた悠希は、自分が殴った場所を見るとそこにはホムラの影も形もない。悠希はそれを見て

「ははやったぜ俺をさんざんこけにしやがったあの生意気なくそがきをチリも残さず消して……」

そういい終えようとしたその時悠希の背後から

「ああやっと終わりましたか?ならこっち向いてくださいよ、僕も全力でやってあげますからね」

悠希は焦り急いで振りかえる。そこには悠希にとって絶望の光景が広がっていた。


それは白銀の日本刀を持ち、目と髪が銀色になり、きれいに整っていたはずの髪型は、逆立ちボサボサになっている。

悠希震えながら口を開く

「その姿はまるで、輪廻様じゃないかなぜ貴様のような、ガキがそんな姿をしている!」

叫ぶと悠希の体は真っ二つになっていた。

「へあ?」

悠希は自分になにが起きたかまったく分からなかった。すでに悠希の背後にいたホムラはこの戦いの最後にこの言葉で締め括る

「このモード使うと、死ぬほど疲れるし3日くらい筋肉痛で動けなくるから、できるだけ使いたくないんだよね、オボロにも使うなって言われているし……まぁそんなこと言ってももうしんでるよね、暗殺対象……」

ホムラは真っ二つになった悠希を見ながらそう言うと、シュンという音ともにホムラの姿がもとに戻る。


その時ドンっと閉まっていた扉が突然蹴破られ、服が半分ほど焼けているオボロが入ってくる。扉の向こうには何百人という、反乱軍の死体が転がっている。

オボロは真っ二つになった死体を見て

「またお前派手にやったなーー こいつまさか悠希?てかお前輪廻使っただろ、たく使うなって言ったのに」

説教くさく言うとホムラはいつも通りの顔で

「派手にやったのはそっちのほうじゃんもーー いいじゃんオボロこいつすごい強かったんだってまじでてかケンジ君大丈夫かな?」

心配した顔になったホムラを見てオボロは、笑いながら

「ケンジお前の後ろにいるぞ」

ホムラは輪廻の時の速度を越えているんじゃないかと思えるほど速さでふりかえるが誰もいない……

「まぁそれは冗談でだな、ケンジは俺がしたっぱどもをほとんど片付けた後におれのほうにきたんだけど、俺大丈夫だからって言ったらとりあえず防衛軍の駐在所までいってだな、ここじゃあ俺たちの通信機だと東京まで繋がらないから、あっちで中継してもらって迎いをよんでもらおうとだな……」

オボロはホムラのふてくされた顔を見ながらいい終えるとホムラはふてくされながら

「じゃあさ2人が協力してしたっぱやってくれたら僕の援護できたんじゃないんですかぁ?僕のこと心配じゃなかったの?」

オボロはホムラの顔がおかしくて吹き出す

「いやだってお前最悪の場合輪廻使うしいいかなって……すまんすまんははっ」

笑いながら謝るオボロにたいしてホムラはそっぽを向いた。そんな時ケンジから通信がはいる

[オボロ君ホムラ君聞こえてますか?]

オボロはケンジの声が震えていることが分かっただからすぐに

[聞こえてるなにかあったのか?]

[よく冷静に聞いてください……東京が……壊滅しました……なにものがやったのかは謎です……だがその犯人らしき人物がそちらに向かっているとの情報です。これは緊急事態宣言です。こちらに向かいのヘリがすでに到着しています……]

通信がきれると同時にオボロはホムラに

「お前走れるか?」

ホムラも同様の通信を聞いていたので

「輪廻一瞬しか使ってないから大丈夫だよ駐在所までならもつ」

ザーザーという雨の音が聞こえてくるだがオボロたちはそんなことを気にしてる場合ではない。とりあえずオボロは急いで悠希の死体を燃やす。反乱軍にはネクロマンサーというやつがいる。そいつは死体を操り人形にするキャパを持っており、防衛軍には支部長クラス以上は、死体を完全に消さなくてはならない。本当は、したっぱの死体も、燃やしておきたいところだがそんな時間はない。


10分ほどで悠希の死体を燃やし終わりオボロたちが支部長室からでようとしたその瞬間ガゴンっという音がオボロたちの背後から聞こえた。オボロとホムラは同時に、後ろに振り返ると約6mさきの支部長室の壁が壊されていてそこから雨が入ってきている。

そしてそこには1つの人影がいた。

ピカっと空が明るくなるそこにいた人影の顔がその明かりでくっきりと見えるその顔をオボロとホムラが確認し、驚愕した顔を浮かべると同時にズっドーンと雷鳴が鳴り響く。

オボロは口がぱくぱくと言いたいことがあるのに驚きと緊張、不安絶望そのすべてが押し寄せてなにも言えない。

ホムラもオボロ同様いつもへらへらしていた顔は消えその顔のすべてが絶望につつまれている。オボロたちがみたその顔は

「アキラ隊長がなんでこんなところに?」

オボロがなんとか言えた言葉が全てをあらわしていた。そうそこにいた人影はアキラ隊長だったのだ……そしておそらく東京をたった5分で壊滅にまで追いやったのもアキラ隊長だろう。だがそのアキラ隊長の目は虚ろで焦点があっていない、顔は真っ青だ。まるでゾンビだ……そこまで思考をなんとか巡らせたオボロが、震えながらも

「おいホムラ……逃げるぞあのアキラ隊長はおそらく敵だ、あの目と顔色を見ろ多分ネクロマンサーに操られているんだよ……あれは死体人形だ…………しかも実力は生前とあまり大差ないだろう……全力で逃げるぞ!」

叫ぶオボロそしてホムラは輪廻状態になり、オボロも因果の状態になる。

オボロの因果状態は基本的な身体能力の引き上げがされる。さすがに速度は輪廻に圧倒されるが、因果も相当速い上に持久力がある。オボロとホムラは全力で走り突き当たりの壁を壊し3階から飛び降りドンと無事に着地し、駐在所に向かった。アキラ隊長が追ってくる気配はなかったがそれでもオボロとホムラは全力で走り続けた。理由はただ1つ恐怖だ、あの死体が操られている様が気持ち悪く耐えらない恐怖をオボロとホムラに与えたのだった……



13(終)

2350年4月14日 未明

東京壊滅壊滅

4月14日

防衛軍総帥が防衛軍基地放棄を宣言東京に全ての防衛軍が召集される。オボロ、ホムラ、ケンジは無事帰還する

5月18日

東京の都市機能の仮復旧がまだ防衛軍が負った傷は深くいつ完全復興できるか不明、一般市民には、反乱軍にはいるものも続出

8月6日

反乱軍が京都を首都とした日本国を建国宣言をする。これにより日本は正式に真っ二つに割れる結果となる。そしてこの建国とともに、三英雄と呼ばれる防衛軍伝説の隊員が新大日本帝国から日本国に亡命これにより、完全に保持軍事力が、新大日本帝国<日本国という形になりくしくも新大日本帝国は建国250年となるこの記念日に完全敗北という形になり新大日本帝国は降伏した……


そして現在……2355年

完全平等世界を表したかのような国が日本国だという人間もいるだろう。それはおそらく新大日本帝国民だったものたちではないだろう。今日本国では新大日本帝国民は奴隷として、扱われていた。奴隷の中にはほとんど目に光がなく、死んだような目をしている。だが日本国の首都京都の中心地といえる清水寺で奴隷として扱われていた3人は違った……

その3人とは元神風隊の3人

オボロ、ホムラ、ケンジだった……

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― 新着の感想 ―
[良い点] この度はなろうコン大賞に御参加頂きまして真にありがとう御座います。 能力に目覚めた近未来の日本に生きるキャラクター達、よく書けていると思います。 主人公とその相棒の信頼関係、同室になった…
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