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分かち合う

作者: 童貞(39)


彼女は言った。


「この悲しみを分かち合うことができればいいのに」


少年は言った。


「この喜びを分かち合うことができればいいのに」






人々は言った。


分かち合うことを。




人々は願った。


分かち合うことを。






やがて人々は

全てを分かち合うようになった。





喜びを。悲しみを。苦しみを。悔しさを。全てを。




人々の個性は凹凸を失った。




飛び出た場所があれば

均等に他にわけられた。



へこんだ場所があれば

均等に他にわけられた。





人々は平等を訴え

人々は平等になった。





そして人々は

“同じ”になった。





皆同じかおをし

皆同じ性格や経験をし



すべてが同じになった。





そして彼女は言った。


「この悲しみを分かち合えればいいのに。」



そしてその悲しみを分かち合い、彼女はその他大勢と同じように笑った。


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