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不思議なダンジョン

作者: レイトウ

前にもここには来たことがあったはずだ。


前回と同じような景色、同じような敵、同じようなトラップ、同じようなアイテム。


すべてが同じようであるのに、


すべてが前回とは違う。



いつか通ったような道。


だけどはじめて通る道。



前回はこの辺でまがった先に階段があった。


今回はそこにはトラップがある。


前回はこのあたりでアイテムを拾った。


今回はアイテムが呪われている。



どうしてみんなはあんなに簡単そうに進んで行くのだろうか。



どうしてみんなはあんなに先に進むのがこわくないのだろうか。



とてもじゃないけど私は怖くて先には進めない。



私とみんな。



一体何が違うのか。






ああなんだ。


そういうことか。






周りのみんなはいい装備で、


敵を怖がることもない。


だけど自分は初期装備で、


敵に会うのは怖いこと。




きっとみんなもはじめては、


すべての敵がこわかったのだろう。


今もみんなははじめてだ。


何十回目のはじめてだろう。




挑んだみんなが偉いのか。


サボった自分が悪いのか。




ああ、家に帰りたい。


ごろごろだらだら

何を強いられるでもなく

何をするでもなく

ただ時間を過ごすだけ


ああ、家に帰りたい。




そんなことを考えながら、


そんな昔を振り返りながら。




今日から私も棒を振る。


剣を手にする夢を見て。


今日から私は追いかける。


みんなに追いつくその日まで。






明日からではもう追いつけないかもしれないから。



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