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びー玉の心

作者: 畸欟

幸せな今を生きる中、あの時の彼女からの思いやりを感じる僕から、感謝を込めて…!

『キミからあんな電話がくるなんて考えもしなかった。だってキミから言いだしたサヨナラだったから。

あんなに大切だったキミがいつからか薄くぼやけた存在になってきて、そのうち僕の中で、ちいさくて綺麗なびー玉のようになっていた。

「彼女ができたんだ!」

僕の些細な一言に、キミはとてもキズツイタんだね。僕が思っていた以上にそのキズは深かった。

キミからの電話を受けた僕に、受話器の向こうのキミの声は重くかすれていた。

「もう電話も手紙もいらんから。さよなら…」

何の言葉も返す余裕はなかった。

2人の糸が切れた瞬間だった。

僕はキミに一体何を求めていたんだろう。

キミは僕に何を?

でも、これだけは確かだ。キミは僕の為にサヨナラを切り出してくれていたんだね。

僕がいづれ、キミをびー玉の存在にしてしまうことにキミは気付いていたから。キミの最初のサヨナラが、こんなに温かい心から生まれていたなんて、びー玉のような僕には、理解るはずもなかったんだ。

めぐみ、本当にごめん。

そして、ありがとう。

あれから僕は、キミに話した彼女と結婚した。

子供も生まれ幸せに暮らしている。』

そこまで書いて、僕は筆を止めた。

 この手紙は、僕の心の中に宛てた手紙だから。

もうキミに届くわけではないのだから。

 窓の外は静かな雨が降っている。

僕は遠い過去に心だけを飛ばしながら、薄い茶色に鮮やかな黄緑の葉がぽつんと描かれた、僕専用のカップに口をつけカフェオレを飲み込んだ。


初めて書きます。鈍感な男心をそれなりに表現してみました。御感想をお寄せください!

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