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乙女ゲームの悪役令嬢に転生したので闇の『魅了』スキルで攻略対象の男たちをカップリングしていきます  作者: カタリベかたる


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8/9

闇の力により断ち切られ、無惨に引き裂かれるがよい!

 さて、昼食会である。

 ——え?前回の引きから、そんなあっさりした始まり方でいいのかって?

いいの。今回はシンプルかつコンパクトにまとめる方向で。だって前回って1万字超えてるのよ。そんなに長いと読む方も面倒でしょ(書く方も面倒です)。

 異世界転生モノは読みやすさが命!長いのはタイトルだけでいいの!なので今回は5000字!5000字以内が目標よ。それじゃスタート!


 昼食会といっても、参加者は私とカストル兄様、そしてジーク王子の3人だけである。周囲には執事やメイド、給仕たちが控えてるけど、昼食に参加するわけではない。

 私、こういうの苦手なのよね。私たちだけ食べて、周りの人は食べずに立ってるだけっていうのが。そりゃ、みんな仕事でやってるんだから仕方ないけど、扱いが非人間的というか、用事のない時はそこに立たせて待たせるだけっていうのは、人間を人間として見てないように思える。この世界の貴族社会では普通の習慣なんだけど、前世の記憶に目覚めた当初、私にとっては全くの苦痛でしかなかった。とにかくこの世界の貴族社会って本当にロクでもなくて、格差と差別があからさまで、力を持たない弱者は、力をもつ強者の言いなり、奴隷どころか家畜以下、下手すると道具と同じレベルの扱い。それでも生きていくためには、そのモノと同等の扱いを受け入れて、黙っているしかないっていう……あれ?それって前世の日本とあんまり変わらないような?いや、日本の場合は家畜以下でもあえて道具レベルの扱いはせずに「道具よりマシだろ?」って言って黙らせる感じだから、ある意味もっと欺瞞的で酷薄ね。まぁいいか。私もう転生しちゃったから、そっちのことは関係ないし。で、私の転生先であるヴィトン伯爵家も、そういった貴族社会のなかに含まれる貴族家庭の一つなわけで、当然そこには、その差別的かつ圧制的な貴族社会の縮図があって、そりゃカトリアーナも悪役令嬢になるよなって納得できてしまうような生育環境だったわけ。私自身は、前世では人権とか差別とかを声高に叫ぶタイプではなかったし、法や権利を争うのは最終手段でまずは相互の信頼において解決すべきと思っていて、むしろ、何でもかんでも権利と差別に結びつけるような主張・要求の姿を借りた難癖・嫌がらせが横行すると、その反動で権利を制限して差別を助長する方向へと流れが傾きかねないのではないか、とすら思っていた。そう言えば、あるとき、中学校の英語の先生が「あなたたちは勉強する権利があるの!」と言い出して、「権利があるから勉強しろ」って言いたかったんだろうけど、勉強って権利の行使としてやるようなもんじゃないし、勉強したいっていう動機付けを「権利」に求めるって、”教えること”を生業とする職業人としてどうなの?って思ったもんだわ。まぁ人間としては良い人だったんだけどね。そんな感じで、もともと前世では権利主張といったものには割と消極的かつ穏健的というか、「権利の重要性は認めつつも、声高に権利を叫ぶ人たちとは距離を取る」というスタンスの私だったわけだけど、その私をもってしても転生後のこの異世界貴族社会の差別と格差はマジでドン引きするレベルで、特に貴族側の人種は人間の尊厳を蹂躙しても何とも思わない連中ばかり。おかげで、幸か不幸か「差別をする側」に転生してしまった私は、前世でもっていた自分の思想信条と、現実とのギャップに苦しむ羽目になってしまった。それ故に、前世の日本社会が、今いるこの異世界以上の差別と格差に満ちていながらも、それを欺瞞により覆い隠し見えないようにしていただけのものだったということにも気づいてしまったわけなのだが。さて、そんな感じで、転生先の異世界の貴族社会での風習のあれこれに馴染めなかった私は、ある日、本当に我慢ならなくなって、こういった人を人とも思わないような用い方はよろしくないから、食事のときはメイドたちを下がらせるべきではないか、と両親に意見したら、礼儀と格式とお作法にうるさい母上(ヴィトン伯爵夫人)が仰天して卒倒してしまい、そのうえ逆上して、家庭教師のエリザベスが私に変な思想を植え付けたに違いないと問責と拷問にかけるわ、譴責されて徹底的に痛めつけられた上に全身に戒めの烙印を刻みつけられ、恨みで怒り心頭のエリザベスは私に対して異常に厳しくなるし、そのほか色々とヴィトン伯爵家内の各方面で一悶着があったのだ。あれもキツかったわ。てか、乙女ゲームじゃないの?この世界……。だけど、その騒動をきっかけに、家族の食事のときは家族だけでってことになったし、メイドたちに対する扱いも多少はマシになったみたいで、それについては良かったかな、と思っている。メイドたちに感謝されることもしばしばだったのだが、別に感謝されるようなことじゃなくて、人間として当たり前のことをするように要求しただけだから、なんだか照れ臭かったんだけど。そう言えば、メイドの一人一人と親しくなったのはそのあたりからだった気がする。とは言え、外から来客があったり、逆に外出したりするときは、この世界の貴族のしきたりに従わざるを得ないから、そこは我慢するしかなかった。まぁ、そういったあれこれがあって、はや数年、胸クソ悪いこの貴族社会の習慣にも、いい加減慣れてきてしまったけど、心のどこかで、これに慣れちゃダメだって思う自分がいる。

 そんな感じで、メイドや給仕、執事の面々が無言で取り囲むなかで食事をとるというのは些か居心地が悪いわけだが、見方を変えれば彼ら彼女らは、これから行われる私とジークの対決のオーディエンスとも言えるわけだから、しっかりと見届けてもらわなければならない。ここから私の一世一代の大勝負が始まるのだ。


 私たち3人は、大きい丸テーブルを囲んで座る。座席の配置としては、時計に例えると12時のところにジークが、4時のところにカストル兄様、8時のところに私が座っている。8時と言えば、やっぱり言いたくなるわよね……


 8時だョ!


 ……え?全体的にネタが古い?もしかして前世は昭和生まれのオッサンだったんじゃないかって?もう、ホンっっっっトに、わかってないわね。ドリフってのはね、日本の文化遺産なの。老若男女問わず世代を超えて語り継がれるべき歴史的なモニュメントであり、すべての日本人にとって社会的保護に値する精神的な財産と言っても過言ではないの。年齢なんて関係ございませんのよ?カンケーないね(柴田恭兵風)……さて、そんな感じで私たち3人は、丸テーブルの中心部を座標軸として、互いに120度の角度で配置された椅子に腰掛けている。前回のヴィトン伯爵家での晩餐会と違って、私とジークを隣り合わせにするという小細工が使えなかったのは、カストル兄様が同伴しているからだろう。不自然さを感じさせないようにするには、等間隔に配置するのが最も適切であると判断したに違いない。実際、私とジークが隣合わせで、カストル兄様が遠くにポツンと一人にされるのは臣下とは言え客人に対して失礼だろうし、だからといって3人が横並びに座るのもラーメン屋のカウンターに座っているようで、これまた奇妙な光景に違いない。そう言えば、この世界にはラーメンないのよね。時々、ラーメンが食べたくて元の世界が恋しくなる。だけど豚骨系はもう食べられないかな。こっちの世界でオークの行状を知ってしまったせいで、どうもイメージがね……。いや、そのね、さっきの昔あった一悶着の話で、母上がエリザベスを拷問にかけたとき何処かから連れてきた配下のオークにやらせたらしいのよ。それがね、うん……オェッ。

 さて、気を取り直して、とにかくこの席の配置は好都合である。物理的に距離が離れていれば、必要以上に会話を交わす必要も、親しく振る舞う必要もない。この遠く離れた距離相応に、節度ある態度をとればいいのだ。そして、この距離感を利用して、ジークとは”物理的な距離”だけではなく、”心の距離”も大きいことを周囲にアピールすれば、いわば物理攻撃と精神攻撃のコンボが成立することになる。

 しかし、ここで一つの問題がある。ジークと私の”心の距離”が星空の下の500マイル以上離れていることをアピールする、それはいい。しかし、そのためには”心の距離の大きさ”を評価するための指標が必要である。とはいえ、心の距離の大きさを定量する絶対的な指標など観念しようがない。ならば、相対的な基準を示すことで、ジークと私の心の距離の大きさを、基準との対比により明らかにするしかない。つまり、「心の距離の大きさ」を把握するための比較対象が必要、ということだ。その対象とは?勿論、カストル兄様である。つまり、私とカストル兄様の間の心の距離が非常に近接かつ親密であることを明確に示せば、相対的に、私とジークの間の心の距離が遥か遠く離れていることについてもまた明白となる。そして、おあつらえ向きに、私たち3人は丸テーブルを囲むように座っている。この配置なら私がカストル兄様に近づくほど、ジークからは遠ざかる。つまり、丸テーブルの中心を点Pとして、私をⅩ、カストル兄様をY、ジークをZとしたとき、ZとYの位置が固定されているなら、∠XPYが小さくなるほど∠XPZは大きくなる。中心角∠XPYが小さくなることはすなわち、私とカストル兄様の物理的距離が近づいているということであり、中心角∠XPZが大きくなるということは、私とジークの物理的距離が遠ざかっているということである。したがって、私とカストル兄様が近づくほどに、ジークとは相対的に遠ざかり、物理的距離感を印象付けることが可能となる、というわけだ。その上で、私とカストル兄様の親密な姿を見せつければ、ジーク自身も、またジーク以外の人々も、私とジークの間の心の距離が、非常に大きく隔たりのあるものであると感じるに違いない。

 そして、その結果として、カトリアーナ(私)にとっての愛情の格付けが


好き❤️→カストル兄様>>>(越えられない壁)>>>ジーク←好きじゃない


であることを知らしめることができれば、そもそもジークが私に全く気がないこともあるし、王家の側もいい加減諦めてくれるはず……多分。そうあって欲しい。ヴィトン伯爵家にとっても、それが一番当たり障りがない。なぜならば、王家からの申し入れを、ヴィトン伯爵家の側から断るわけにはいかないからだ。

 この国は、戦いによって国家を統一した強権的な王家を頂点に戴く封建主義国家である。王家からの申し入れは、事実上の命令であり、その命令は絶対と言っていい。私の両親であるヴィトン伯爵夫妻をはじめ、この婚約話に関係している人々は、一応は皆、「カトリアーナ(私)の気持ちを尊重する」というポーズをとってはいるが、あくまでもそれは、私の性格をある程度知った上での”ポーズ”に過ぎず、実際のところは、この婚約話を断る気はないし、断ることもできないだろう。王家からの申し入れを断ることは、王家の命令に逆らうことに他ならない。爵位を持つとはいえ、数多くいる諸侯のひとつに過ぎないヴィトン伯爵家が、絶対的権力をもつこの国の王家の命令に逆らうことなどできるはずがない。逆らえば最後、反逆の意思があるものと見做されて、最悪、攻め滅ぼされることになってもおかしくはないのだ。つまり、ヴィトン伯爵家側に辞退するという選択肢は始めから与えられていないと言ってもいい。こちらから「断る」ことは、まず不可能だ。しかし、私としては絶賛お断りである。理由はもう散々言ったからいいだろう。とは言え、事実上「断る」ことが許されないなら、この婚約話を回避するためには、「断る」以外の何らかのの方法を模索する必要がある。そこで私は一計を案じた。こちらから「断る」ことができないなら、向こうから申し入れを取り下げるように仕向けることはできないだろうか。つまり、王家の側に私との婚約を諦めてもらえばいい。とは言え、それはかなりの難題である。ヴィトン伯爵家から働きかけて王家に「諦めさせる」のではない。こちらからの積極的な働きかけを一切行わず、王家側が主体的な意思決定によって自発的に「諦める」必要があり、さらにそれだけではなく、王家側が婚約申し込みを撤回するに相当であると全ての人が納得するよ








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