4 end
「佳祐が柚葉を連れ去る理由が全く分からん…まさか操られてるのか?」
「可能性はあるかもね、佳祐も忍びとしちゃ大した事無いから何とでもされちゃいそうだし」
確かに佳祐は忍びとしては大した事無かったけど相応に忍びに対して思い入れも無かった筈。
それとも実はかなり思い入れがあったのかな?
仁にかなり懐いてたけどあれも芝居だったとか?そうは思えないけど…
「操ってるとしたら十中八九ヤツとその仲間だと思う。早い所儀式を済ませて追おう」
「そうね、柚葉を連れ去るなんて…でも逆に言えばそういう絡め手使うしかない程に戦力が無いって言ってるようなもんだからね」
「おお!?瑚乃葉が鋭い事言った」
「な、何よ!バカにして!!それよりさっさとやるわよ!」
儀式は無事終わって…当然なんだけど無事終わってシソナの残穢も追う事が出来たっぽい
「この中に居るのかな?」
「ここって…体育館だよな?こんな所で何するつもりなんだ、それともアイツの組織はこんな所がアジトなのか?」
「どうする?突入してみちゃう?」
「……今気付いたんだが、もしかして相手はもう1人とか、精々2.3人位しか居ないんじゃないか?」
「なんでそう言えるのよ?」
「柚葉をもし人質にするって話なら人質の選択に疑問がある。
どう見たって春奈の方が御しやすいだろ?それに妹を狙う旨を俺に伝えた方が効果的だろうしな。
勿論白川家や篠原家の人間に人質なんて通用しないって事も考えるだろうがそれにしたって柚葉をわざわざ攫うのと、佳祐をわざわざ刺客として使わず操るのに疑問が残る。
そもそもそこ迄の強制力がある操作が出来るなら爆弾でも持たせて自爆しろって話なんだ」
流石仁、賢い。ボクも何か違和感があったけどそうなんだよ。
敵も忍びだしコッチも忍び、一般常識なんて凡そ通じない彼等の戦いなら仁の推理は正しい筈なんだ。
何か見落としてる気がするよ
「それはそうだとして…じゃあどうする?」
「俺だけ突入して見る!もし何かあったら俺諸共で良いからここ事吹っ飛ばしてくれ、瑚乃葉なら可能だろ?」
「全く…そういう人間味ない事アンタは嫌うくせに自分はやるのね。まあいいわ、いよいよともなったらやってあげるから行きなさい。でもまだアンタの指示に従う必要は無いからね、私は私で動くわよ」
「それでいい。じゃあ頼んだ」
中をさっき見たけど…
「柚葉!?大丈夫か?」
柚葉ちゃんが拘束されて寝かされてるだけなんだよね。佳祐は見当たらないよ
「仁君…」
「仁下がれ!ソイツは偽物だ!!」
「何!?」
「クソッ、バレたか!」
「変化!?変装の術か?」
「千両独孤」
「うわっ!?コイツ……」
「仁、2番行くよ」
「任せた」
「空刃!」
「バカめ!お前等の事もある程度調べてあるんだよ」
「くっ…躱された!」
コイツの調査力凄いな。2番って瑚乃葉が2番目に覚えて使ったってだけの隠語なのにそれすらも対応出来るなんて…いったいいつから調査してたんだろう?
「柚葉と佳祐は何処にやった?」
「答える義理はない」
「なら死ね」
一度戦闘モードになった仁は近接戦だと鬼のように強くなる。
こうなったら瑚乃葉や当主2人の火力が無いと勝ち目は無いけど…この男の何やらかすか分からない感じは怖いな
「蓮廻し」
「小賢しいな、貴様は妖具しか使えんのか!」
「黙れ!白川、篠原両家の当主相手にまともにぶつかる訳ねーだろ!」
アレ?なんでコイツこの2人が当主になったって……ああ!?
「空脈」
「うわっ!?こ、この化け物が!!」
「仕留める!!」
「あっぶねぇなぁ、おい!」
「あ…」
「何?とうしたの?服切ってやったのが気になるの?」
「おい……佳祐は……生きてるのか?
「え!?」
「はっ、バレたか。とっくに死んでるよ!死体は動物にでも食われたんじゃねーか!?」
「そ、それじゃあ…」
「そうだよ!腕が無いのはテメー等の当主共にやられたからだ!んでこのガキに変装してた訳さ」
「てことは…お前1人しかいないのか?そんな重傷でお前しか見当たらないとはそういう事だろ?」
「ああ、そうだ。本当はもっと時間を置いてやるべきだったんだがまさか追える方法があるなんて知らなかったからな」
「あんた、柚葉は何処よ?」
「さあな?って……っっ…貴様!!?」
仁の戦闘モードは本当容赦無い。残りの腕も切っちゃったよ
「お前1人ならもういい。瑚乃葉、一緒にトドメ刺そう」
「まだ口がある!落炎」
「コイツ!?まだそんな物を…火の海にする気か?瑚乃葉、この中にまだ柚葉が居るかも知れん。探してくれ」
「分かったわ、そのゴミ。もう処分なさい」
「まだまだぁ!!爆石!」
「ヤバい!?甲結界!!」
仁の甲結界はかなりの硬度だからなんとかなったけどヤバかったぁ
「あっ、居た!柚葉、大丈夫!?」
「お姉ちゃん…怖かったよぉ!!今の爆発何!?」
「瑚乃葉、柚葉、大丈夫か!?」
「仁!コッチは大丈夫よ!」
「仁は大丈夫?」
「良かった」
危ない!?後ろ!!
「うわっ……お、お前…アレでまだ生きてるのか?足吹っ飛んでるじゃないか、それでもなお噛み付いてまで…どんな執念だ!?」
「空斜」
「うぎょ!」
凄い執念だなぁ。にしても瑚乃葉の空斜はやっぱりエグい…最早空間動かしてるじゃん
「この人…なんだったの?」
「俺も気になる…が、この稼業だ、怨恨なのは間違い無いだろう。許す気はサラサラ無いが…おいお前、まだ生きてるか?目的は何だったんだ?」
「何らかの怨恨よね?内容次第じゃ線香位あげに行ってやるわよ?」
「最早、コレを使う事になろうとは…本末転倒だが仕方ない。1分が限度か…変異変装術、九尾」
ヤバいヤバいヤバいヤバい!アレは九尾の狐だよ!こんなの相手にしたらここら一帯更地になっちゃうよ
「瑚乃葉、柚葉、逃げろ!アレは駄目だ!俺が何とか時間を稼ぐ」
「バカ言ってるんじゃないわよ!私という火力持ち帰してどうするつもり?」
「私もです!私だって白川家の人間ですからやる時はやります!」
「……分かった。多分だが1分とか言ってた所を見るに長くは戦えない筈だ。大技が来るまで何とか持ち堪えてくれ!取っておきを使う」
「グオォォォォォ!!」
妖気弾とでも言うべきかな?沢山闇雲に放ってるけど…あっ!?今甲結界に当たったけど結界壊れちゃったよ?これは当たったら即死だよ
「空亡!」
「何だ、その技?」
「隠し技よ!でも駄目みたい、効くやつには即死なんだけどね」
瑚乃葉怖い
「仁、私の力渡すから結界強められないかな?」
「やってみる」
「私のも貸すわよ?」
「お姉ちゃんは火力に集中してよ」
「ガァァァ!!」
「あ、ゴメンこれ無理っぽい」
「え!?仁!?ウソ!!?」
「空亡!!」
なんとか止めたみたいだけど今のは危なかったね
「ふぅ、何とか相殺には使えるみたいね」
「た、助かったぁぁ」
「じ、仁の馬鹿ぁ!!ごめんじゃ済まないでしょーー!!」
「悪かったって!」
「私の力も無限じゃないからね、アンタの取っておきは大丈夫なんでしょーね!?」
「それは多分…大丈夫!だと思う!」
「もう!仁は信用出来ないよ!!」
「そんな事言ったってってうわぁ!!?柚葉!!」
「きゃぁぁ!!」
「しっかりしがみついてろ!」
「う、うん!」
「アンタらこんな時までラブコメしてんじゃないわよ!!」
「アホ!遊んでるわけじゃ、無いんだよぉ!!こうなったら…雷貼」
「キギャ!?」
「効いてるわ!どんどんやっちゃいなさい!」
「柚葉、ちょっと離すよ」
「う、うん」
「三雷」
「ギギッ……」
「なんか溜めに入ってるわよ?」
「2人とも、俺の後ろに。そんでもって離れて!!」
「了解!!」
「仁…大丈夫かな!?」
「大丈夫よ、一応空亡で壁は作るけど安心なさい、ああいう時だけはキメるから、アイツは」
多分妖気を全解放するんだろうけど、このままじゃ皆跡形も残らないよ。
仁はアレをやるつもりだろうけど…上手く行くかな?
「ガアァァァァァァ!!!」
「秘技、猿真似!」
なんとか…なったみたいだね、良かったよぅ
「アンタ、今の技何よ?」
「秘技だったんだけどな、猿真似って言って同じ技やり返すんだよ。タイミング悪いと押し返されちゃうんだけど、何とかなったな」
「全く!仁のくせに生意気な技持って!」
「うわぁぁぁん、仁〜!怖かったよぉ〜!!」
「もう大丈夫だ…さて」
凄いなコイツ、まだ辛うじて生きてるんだ?
「何か、言うことはあるか?」
「ふん、お前等はそのままで、居るが、いい」
(改善なんかされてたまるか、いつかまた同じような事が起きるその時までは呑気に暮らすがいい)
今思念が聴こえた。
この人…なんだったんだろう?結局名前は分からないし…もう逝くのか、久しぶりに使ってみようかな。
ボクは魂の転移で知識を溜め込んでる訳だけど、その応用で死に行く者の魂をちょっと借りてその人の記憶から何から得る事が出来るんだ。
大昔はそれを知られててその能力を利用する為簡単に殺生してたのが良くないと思ったボクはいつしか秘密にしてたけど今回は離れた所で見てるわけだし見られなきゃ良いかな。
さて、コイツはなんでこんな事を……
数日後
「ぶっちゃけ私はあのダイイングメッセージがあったからなんとなく分かってたけどね」
「それなら教えてくれても良かったじゃないか?」
「だって、どの部分での意味かまでは分からなかったんだもん」
「でも確かに納得だな、その意味は」
「そだねー」
「どういう意味だったの?」
「柚葉は甘いな、おばあちゃんと一緒に暮らしてたからアンタも分かる筈だよ。男といえば?」
「うーん…あ!?チョロいだ!」
「正解!だからさ、あんな様子伺ってやる事無かったのよ。とっとと突っ込んで喋る間も無くやればあんな危険なのとやる事も無かったの」
「たらればだ」
「ねぇねぇ、ガマが喋らなくなっちゃったよ?」
「それはね、きっと春奈が大人になったからよ。なんか漫画でそういうの無かったっけ?」
「あった気もするけどそういうもんなのか?」
「うーん…私の気のせいだったのかなぁ?」
ボクはこの人達もこの家の人達も好きだ、ずっと仕えてるしね。
そういう契約でもあるとかは抜きにしてもだけど、だからでもあるんだけど…彼の人生を見た結果、ボクは喋る事をやめた。
決して裏切る気はないので本当に必要なら喋るかもだけど…
彼等自身に罪はないと思う、彼等のせいでも無いと思う、でも、それでもボクの中でのせめてもの反抗とでも言うのか、この気持ちが冷めないうちはボクは喋る事はないだろう。
そしてもう…転生もしない方がいいかもしれない。
カエルにはちょっとこういう選択は荷が重いようです
おしまい




