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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第8章『終焉の茶会、艶鬼と月と招かれざる使者』

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04.艶鬼来訪、節操なき助っ人?

朝の職員室。

教卓前には教師陣が集まり、どこか落ち着かない空気が漂っていた。


 


カグラが腕を組みながら眉をひそめる。


「絶対にダメよ……来るなんて、ありえないわ」


 


ラットンも同意するように肩をすくめた。


「総大将、冗談であって欲しいと……」


 


ヒサメはきょとんとした様子で皆を見回す。


「ん? 誰が来るの? 有名な人?」


 


夜行は渋い顔をしながら、机に置いた湯呑を見つめる。


「…………いや、癖が……強くてな……」


 


その隣で、お茶を配っていた月が小さく首をかしげた。


「どんな方が来るんでしょうね〜。楽しみです♪」


 


その時だった。

職員室の扉が、スッと音もなく開いた。


 


「やっほー。夜行ひっさしぶり〜」


 


軽い声と共に入ってきたのは、赤い長髪を揺らした美貌の男。

赤い瞳に微笑を宿し、まるで花でも背負っているかのように艶やかな空気をまとっている。


 


「……あ、カグラ相変わらず色っぽいね〜。今晩どう?」


 


「断るわ」


 


即答したカグラに、男は笑いながら肩をすくめる。


 


「釣れないねぇ………。あ、君も可愛いねぇ」


 


突然視線を向けられたのは、橘だった。


 


「えっ?!………ひえ……あの……」


 


狼狽する橘の前に、グレンが無言で立ちはだかる。


 


「おっと〜。助けてくれるの優しいね〜クマちゃん。あはは〜」


 


夜行が深くため息をついた。


「……鬼影おにかげ、やめろ」


 


「厳しいなぁ…夜行は……」


 


月がそっと声をかける。


 


「………………夜行先生………この方は?」


 


夜行は重々しく紹介した。


 


「鬼影と言って、種族は艶鬼えんきという、まあ………節操なしの鬼の妖怪だ」


 


「ひどいなぁ〜………へえ…………君が聖女か………」


 


鬼影はゆっくりと月に近づき、顎をくいっと持ち上げる。


 


「ねえ…………君、可愛いねぇ」


 


「…はあ………どうも……」


 


しばし見つめ合った後、鬼影はふっと笑って後ずさる。


 


「………さっすが聖女!!俺の魅了の魔法を無効化するなんてすごいね!」


 


その瞬間、場が一気に凍りついた。


 


夜行「……鬼影……………死にたいのか?」


 


カグラ「加勢するわ……」


 


ラットン「吾輩も……ペストに罹患させてやるよ」


 


鬼影は苦笑いしながら両手を上げる。


 


「こわーー……さすが聖女関係者、容赦ないなぁ……」

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