04.ギルドの大改装、その成果
「……しかし、変わったな、ここ……」
ゴローがぽつりと呟いた。
「外観だけかと思ったけど」
ラミリスが周囲を見渡す。
「中も……まるで別物だな」
万里の視線が天井へ向かう。
「ふっふっふ! なんとこれ、全部、月が作ってくれたのだよ!」
マスターが自慢げに胸を張る。
「……マスターが作ったみたいに言うな」
クロマが即座に突っ込んだ。
「お姉ちゃん、すごいのだ!」
帝が嬉しそうに跳ねる。
「よろしければ、案内しましょうか?」
月が立ち上がり、満面の笑みで言った。
一階の案内。
右側が依頼受付、左が食堂カウンター。
キッチンには見たことのない最新設備が整っていた。
「……なにこれ、どこから持ってきたんだ?」
「ていうか、組み込めるんだ……こんなの」
「……ここ、ギルドだったよな……?」
二階は大浴場。湯気の漂う男女別の清潔な空間。
「裏山の源泉から直接引いてます」
「ギルドで風呂……?」
「街の人も使ってるって……どういうギルド……」
三~四階は宿泊室。シンプルで快適な内装。
「この奥の部屋だけは、特別仕様なんです」
扉を開けると――天蓋ベッド、豪華な調度、シャンデリア。
「……なんか、ここだけ別世界なんだけど」
「……マスター、どこに住んでるつもりなんだ」
「だってここから出られないんだもん!」
「……で、ここの従業員は?」
「現在、募集中です!」
「すごいのか、バカなのか……」
「両方かもしれん」




