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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第3章『終焉の茶会、日々是再建のこと』

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01.ただいまの街

依頼から戻った万里、ゴロー、ラミリスの三人は、街の外れに立ち、懐かしい風景を見下ろしていた。

焼け残った建物。修復されつつある家々。往来する人々の姿。

少しずつではあるが、この街に日常が戻ってきていることが、静かに伝わってくる。



「……やっぱり、この街が落ち着くわ……」

万里が小さくつぶやいた。


「疲れたけど、悪くなかったよな、今回の遠征」

ゴローが軽く伸びをしながら応える。


「うん。でも、まずは風呂。あとは甘いもの」

ラミリスは真顔のまま言い放ち、すでに足は街に向いている。


そんな軽いやりとりを交わしつつ、三人は並んで歩き出す。

焼け跡を抜け、修復途中の通りを進みながら、目指すのはいつもの場所――ギルドだった。


けれど、その場所にたどり着いた瞬間、三人は思わず足を止める。

そこにあったのは、見違えるような建物だったからだ。


「……ここ、だったわよね?」



万里が目を細め、建物の上部に掲げられた看板を見上げる。

木造ではあるが、しっかりとした造りで、看板の文字もくっきり読みやすい。



「……なんか、前よりちゃんとしてる」

ラミリスが呆然とつぶやく。


「これは……クロマとマスターだな」

ゴローがぽつりと言い、三人は同時にため息をついた。


「マスターが作ったんじゃなさそうだな。崩れてないし」

軽口を交わしながら、扉に手をかける。



――そのとき、中から談笑の声が聞こえてきた。

聞き慣れたクロマとマスターの声。

そして、それに混ざる見知らぬ声――。


誰だろう、と三人が顔を見合わせた、その瞬間。

静かだった街の空気が、少しだけ騒がしくなる予感がした。

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