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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第17章 『終焉の茶会、繰り返す夏休み』

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03.夏の楽園は、宿題の先に

「夏休みの友っていうけど……こんなん夏休みの敵だよ!!」

「自由研究に、読書感想文……とか……さ……やることが多すぎる!!」

「つい最近、魔力石を取りに命がけの課題をこなしたというのに!!」

「月先生、容赦なさすぎる!!」

「そもそもあの人、先生じゃなくて事務員なんだけどね!!」

「いや、事務員権力ありすぎでしょ!!」


机に向かっていた生徒たちが、口々に不満をぶつけあう。

それでもペンは止められない。


「来年さぁ……うちの妹が入学するんだ」

「おめでとう」

「……あたしよりもちょっと優秀で魔力があるみたいでさ……」

「それは………」

「入学式でさ、もしもだよ? もしも反抗的な態度をとったら………」

「…………………通過儀礼ってことで」

「うん。内緒にしておこうと思う」


誰もが宿題に追われながらも、心の奥では夏の楽しみを思い描いていた。

プールに、花火に、キャンプ――。

楽園を手に入れるため、生徒たちは黙々とペンを走らせる。


――その頃。


平屋の一室では、カノンが机に突っ伏していた。


「あ~~ん(泣) 終わんないよ〜」


「俺は終わったのだ」

帝は涼しい顔でそう告げ、横でカノンの悲鳴を聞き流す。


カノンの足元では、連れ帰った神亀が小さなクッションの上でスヤスヤと眠っていた。

家の中に、夏休みの静かな午後が流れていた。

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