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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第15章『終焉の茶会、双つの魂と試練の扉』

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09.お姉ちゃんなら、なんとかする

「とまあ……僕のやったことはこんな感じ」


カノンが言い終えるのと同時に、帝は大きくため息をついた。


「……………まあ、何もなかったならいいのだ」


「??? 何もなかったって言っても……僕、ブスだのなんだの言っちゃったし……」


「聞きたくなかったのだ……」


帝は眉をひくつかせながら、そっぽを向く。


(この空間は神の干渉はできないはず……いや、でも万が一ってことが…………………………………。)


「ま、でもお前はラッキーだから大丈夫そうなのだ」


「???? 僕、運はいいよ???」


悪びれる様子もなく、カノンは胸を張る。

帝はこめかみを押さえながら、やれやれと首を振った。


「帝の試練は?? なんだったの?」


「………………森を歩いてるだけだったのだ」


「ふ~ん。……本当に人それぞれなんだね〜……」


カノンはそう言って、また草の上に寝転んだ。


「クラスの皆はどんな事してるんだろうね」


「それはわからないのだ………。戻ってきたら皆で教え合うのだ」


「じゃあ、早く戻ろうか!」


「何人かもう戻ってきてるかもしれないのだ!」


二人は顔を見合わせ、うなずき合うと、並んで出口に向かって歩き出した。


しばらく歩いたころ──


帝はふと、カノンの腹のあたりでモゾモゾと動くなにかに気づく。


「お前……お腹に何入れてるのだ」


「あ、忘れてた。島から降りるときにね、なんか苦しんでたから拾ってきた。

姉さんならなんとか出来るかな?って思って」


「…………は?」


カノンが取り出したのは──


一匹の、苦しそうな亀だった。


「………………ふーーーーーーーー」


帝は天を仰ぐ。


「カノン…………」


「うん」


「そいつは神亀しんき。……聖獣なのだ」


「しんき??? せいじゅう………??」


「セレナ先生の授業で言ってたのだ!!」


「……………ふーん。でも苦しそうだから」


帝はもう一度、深く息をついた。


「………………まあ、お姉ちゃんならなんとかすると思うのだ」


帝は、笑顔で血を吐く月の姿を、ありありと思い浮かべる。


(ま、お姉ちゃんだからいいのだ)


──そのころ、学園の職員室。


「!?!! なんか嫌な予感がします!!」

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