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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第15章『終焉の茶会、双つの魂と試練の扉』

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07.空から落ちてきた贈り物

「みっかどーーーー!!! あと少しで着くからキャッチしないと怒るからね〜〜〜!!」


空から響く声に、帝は反射的に空を見上げた。


「出来るかアアア!! スピードを考えろ!! いま、そもそもなんで飛び降りてるのだあああ!!!」


風を切りながら、ものすごい勢いでカノンが落ちてくる。

足をバタつかせながらも、なぜか満面の笑みだ。


「もーーワガママだなぁ〜」


「なぜオレが悪い風なのだ!!」


「はいはい、わかったわかった。いいから黙ってキャッチして? ちゃんと緩めるから……スピード」


「のだぁぁぁーーーーーーーー!!!」


ぶうん、と風をまとった光が帝の前に降りてくる。

落下速度が一気に緩まり、ふわりと降り立つ直前でぴたりと制御されていた。


(相っ変わらずのコントロール力なのだ。ウザ)


そう毒づきながらも、帝は両手を広げる。


それを見たカノンは──にっ、と笑った。


(ま、帝が僕をキャッチするためにオロオロ歩くなんて思ってないし〜。

帝のあそこにめがけて僕が落ちたほうが楽〜♪)


軌道を軽く調整しながら、カノンはふわりと帝の腕の中へと飛び込んでくる。


「ただいまー」


「……はぁ……」


帝はため息をつきながらも、しっかりとその体を受け止めた。


すると、カノンはにこりと笑って、何かを取り出す。


「はい。これ、帝の石だよ」


掌に乗ったのは、淡く光る小さな魔力石。


「…………なぜ?」


「ん~~……帝じゃ手に入らないってこの空間が思ったんじゃな〜い?」


「…………………」


しばしの沈黙のあと、帝は無言で──


「ペイッ」


カノンを投げた。


「ひどっ!? 投げた!? 帝、今、僕のこと投げた!?」


「ふん。……話すのだ。……何があったのか」


「わかったよ〜〜……ちゃんと説明するから……」


ふんわりと地面に着地したカノンが、笑いながら帝の隣へと歩み寄る。


試練は、まだ続く。

けれど今だけは──


空から落ちてきた贈り物に、少しだけ気が緩んだ。

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