表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第2章『終焉の茶会、再建始動』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/161

07.封印、そして沈黙

仮拠点の昼下がり。

屋根と柱は整い、簡素ながらも「建物」と呼べるものが立ち上がっていた。



「ねえねえ月~、ここにこういうのつけたらどうかな~?」



クロマが紙切れをひらひらさせながら近づいてくる。



「……それ、爆発の設計図じゃない?」


「うん! マスターがくれたの!」


「却下」



即答。


その隣で、マスターがにこにこと笑っている。



「だってさ~、せっかくだから花火付き出迎え装置とかどうかなって!」


「出迎えじゃなくて、迎撃装置でしょそれ」



カノンが冷ややかに突っ込む。


帝は完成した屋根の端で、今日もポーズを決めていたが、さすがに耳をふさいだ。



「それは危険なのだ……また燃えるのだ……!」



マスターはきょとんとする。



「えーっ? 火が出るってことは、生命力があるって証拠じゃない?」


「それで全部燃えたんでしょ!!」



全員のツッコミが揃った、その瞬間――



「静かにして」



その一言が、すべてを凍らせた。


月の声は、静かで、それでいて抗えない力を帯びていた。


クロマが紙を落とす。

マスターが、口を開いたまま固まる。


ピシリ、と音がした。


気づけば二人は、透明な球体の中に封じられていた。



「え……」



帝が目を見開く。



「封印、なのだ……?」



カノンがため息をつく。



「やっぱりキレてたんだ……」



月は何も言わず、そっと石窯の温度を確認している。

マスターとクロマは、球体の中でわたわたと動いていたが、声は聞こえない。



「……音も封じてるのか」


「うるさかったからね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ