8 狼の親子
私は森に住む者(種族:フェンリル)
この森はとても広大で実りが多い
実りが多いので、それを食糧としている動物も多い
そんな動物を食糧にするのが肉食動物や魔物だ
私も肉食だが、決して乱獲等はしない
そして当然私より強いモノもいる
弱肉強食がこの森の掟
そんな森に一人の人間?がやって来た
最初は警戒して近くに行く事はなかった
あの人間?は強い
多分この森の『頂点にいるモノ』より強いと思う
だから関わらない様に遠くから警戒していた
しかし、人間?は森の恵みを少しだけ取ると去って行く
肉等はほんの一部だけ取り、残りを我々に分けてくれた
それを何度も繰り返すうちに、私は警戒を緩めていく
子供には注意するが、どうやら敵意が無いと理解したせいか、人間?に懐いている
このままでは『野生を失ってしまうのでは!?』と思ったが、強きモノ(ヘルベアー)が出て来た時は、小さいながらも立派に威嚇をしていたので、まだ野生はある様だ
母は安心したよ
しかし、あのヘルベアーを簡単に滅するとは···本当に何者なのだろう?
少なからず、こちらは敵意が無い態度を示そう
私だって命は惜しいのだ
─子狼視点
ボクは狼
生まれてまだそんなに経っていないから強くないけど、いつかはお母さんみたいに大きく強くなるんだ!!
ある日、お母さんがボクを連れて池に向かった
そしたら一人の人間?がいた
お母さんから聞いていたけど、本当に強い気配がする
でも、お肉をくれたから、いい人間?かもしれない
お母さんは「周りを警戒しているうちに食べろ」と言っていたので、遠慮なく食べる
美味しい!!そして大きい!!
お腹いっぱい食べられるなんて思いもしなかった
お腹がいっぱいになったから、お礼に人間?に近づいてみると、優しく撫でられた
とても気持ちいい
優しくて暖かな感じがする
人間?の近くで微睡んでいると、森の方から強い殺気がした!!
すぐに強いモノだと分かり、ボクはできる限りの威嚇をする
お母さんも威嚇しているが、相手も負けてない
どうしようと思っていたら、人間?が近づいて行き、あっという間に強きモノを倒してしまった
すごい!!強きモノを簡単に倒すなんて!!
そして人間?はボク達にモツをくれて、何か作業をして森へと入って行った
お母さんは人間?の作った物の中にボクを入れて、入り口前に居座ってる
ボクは中であたたかい皮?に包まれて寝てしまった
うん。こんな生活もいいな
今夜のご飯はなんだろう···
ムトウが建てたテントの中で、毛布に包まれた子狼は尻尾を振る
出入口は母狼がしっかりと警戒している為、子狼は徐々に眠りにつくのであった




