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ムトウのケンシの旅路 保護した幼女と旅をする  作者: のんびり作者


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65 白き龍と警告

我は龍


名前はない


人族は我を『白き龍』『ホワイトドラゴン』等と呼ぶ


『我の鱗が白いから白き龍』と呼ぶらしい


それならもう少し可愛い名前でもいいのではないか?


それに、我を目の前にすると皆萎縮し、上部だけの言葉を発する···


我には『心読み』というスキルがある為、その者の『言葉の裏』を知る事が出来る


ほとんどの者が『恐怖』で支配され、我の機嫌取りだけの言葉を並べる


そして見逃してやると去り際に『龍なんてこんなもんか』『案外簡単な奴』『俺達すげぇ!!龍に勝った』等と考える···本当に愚かな者達だ



今日は新たな餌場の近くに人族の反応があったので、様子見に行ったが、面白い人族だった


見た目は大人の男と幼子だが、『内包された魔力が人族の限界を遥かに超越していた』


大人だけなら解るが、幼子も同じなのは珍しい


戦闘になれば我も無事では済まないだろう


さらに不思議なのは男の方だ


幼子を庇う様に立ち、しっかりと我に向かって言葉を発する


今まで見て来た大人は『子供を置き去りにして逃げる者ばかりだった』ので、その行動にも興味を示した


男は我にここに来た理由を話す


我の『心読み』でも『真』と出たので、本心なのだろう


ふふふ···面白い人族だな


この男の話によると「毎年冬になると出来る実を採りに来ているだけで、こちらに敵意はない」との事


ふむ···。我もこの実には興味はない


餌場を荒らさぬのならばいいだろう


今回は見逃す事と、一応『敵意を持って再び来るのであれば、命を賭けよ』と釘を刺す


すると男は礼を言って頭を下げ、「こちらには近づかない様に街で警告する」と言う


再び『真』と出たので、この男は有言実行するだろう


もう話す事もなくなったので、我はこの場を離れた




「ふふふ···珍しくまともな人族であった。また会う事があれば、もう少し話をしてみたいものだな」


遥か上空で先ほどの男と幼子の行動を見張る


大きな建物へ入り、出て来ない···


暫くすると大勢の人族が建物から出てきて、彼方此方へと走り回っている


どうやら本当に警告をした様だ


「ふふふ···約束を守るとは···良き人族であるな」


ムトウの行動を確認した白龍は上機嫌で寝床へと飛んで行くのであった




そしてムトウの報告を受けた領主はすぐに行動し、全ギルドに通達する


『白き龍が去るまではあの平原一帯を立ち入り禁止にする。違反した者には処罰を与える』


この通達を受けた各ギルドは直ぐに情報を集め、登録者達に警告


『違反した場合は処罰の上に除名処分にする』と発表するのであった


しかし、当然ながら『聞く耳持たずの輩』も一定数いる為、ギルド内は常に緊張感で支配されるのであった




そして数日後···


白き龍に挑んだ愚者が瀕死の状態で街に戻るが、門番によって街に入る事を拒否され、命を落とす出来事が何件か発生するのであった



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