50 最下層に到着
かなりのハイペースでダンジョンの奥へと進んでいたムトウだったが、現在は立ち止まっていた
目の前には1枚の看板があり、こう書かれていた
『右の道は灼熱。左の道は氷河。好きな方へと進むがいい』
「···どちらもお断りしたいなぁ···。そうだ!!『真っ直ぐ行こう』」
目の前の壁を軽く叩いた後、腰を落として右手を引き、力を込める
そして2秒後···
「···ていっ!!」
ドッ!!ビキビキビキ···ガラガラガラ···
正拳突きで目の前の壁を破壊する···と、その先には道があった
「やっぱりね。隠し通路あると思ったよ」
強引だが、隠し通路を発見したムトウは再び走り出す
本来ならば周辺を調べ、起動スイッチを押せば開くのだが、そんな事に時間を使いたくないムトウの『簡単隠し通路発見術』であった
「ここの壁は脆いから突き進むのも楽だね~」
ムトウは途中から迷路となっているエリアも『真っ直ぐ』突き進む
ダンジョンに意思があるのならこう思うだろう
『ルールくらい守れよ』
しかし、命のやり取りがあるダンジョンに、そんな譲歩をする程ムトウは優しくないのであった
本来は壁を破壊しながら進む事等難しいのだが、ムトウは構わず突き進み、下へ続く階段に到着する
「このダンジョンは何階層なのかな?まぁ、面倒になったら地面をぶち抜いて進むさ」
階段を降りると、目の前には辺り一面が水だった
「上の灼熱か凍土の後に水か···性格悪いねぇ···」
ムトウは水際を歩いて何かを探し始める
「あったあった。ポチっとな」
暫く歩いて見つけた岩の岩肌に隠れる様にあった突起物を押すと、水は瞬時に消え、下へと続く階段が現れた
「この階層は『幻影』エリアだったんだね。幻影で防具を少なくさせて不意打ちか···。しかも近くに解除ギミックがあるけど、ほとんど見分けがつかない様になってるし···」
(とことん性格の悪いダンジョンだなぁ)
そんな事を思いながら階段を下りていく
そして10階層程進んだ先には、大きな扉があった
「いよいよラスボスのお部屋かな?何がいるのかな?」
扉を手で押すと、重い音とともに扉が動く
人一人が通れるくらい開いたので、ムトウは部屋へと入ると、扉は勝手に閉まってしまった
「やっぱりここが最下層か。戻れない様にするって事はそういう事だもんね」
扉の先は広い部屋で、他には何もない
ムトウが中央に近づくと、地面が光り、召喚陣が浮かび上がった
「どうやらラスボスのご登場だね。何か良いものくださいな~」
そう言ってボスモンスターが召喚されるのを待つムトウであった




