44 アリスの訓練
街道から森へと入って2日
(よく狙って···今!!)
ヒュッ!!···ドカッ!!
「ギュッ!?」
アリスのスリングショットの石が角兎の横面にヒットし、角兎がよろける
「上手いぞアリス!!」
ムトウがその隙に飛び出して角兎の首を落とし、角兎を討伐した
「これで5匹···アリスの訓練と食肉確保は順調だね」
現在アリスは狩りの訓練をしていた
「スリングショットはもう大丈夫だね。後は威力だけど、これは力をつければ大丈夫だから徐々に増やしていこう」
「簡単にあげられない?」
簡単に筋力上昇出来れば、それだけ役にたてる
「···一応『肉体強化』の魔法が有るけど、反動があるからまだ止めようね?」
『肉体強化』は強力だが、効果が切れると筋肉が損傷して、大人でも動けなくなる危険性がある
アリスが使ったら生命を落としかねないので教えるのは十数年は先だろう
ムトウの言葉に少し落ち込むアリス
「あ~···っと···それなら風魔法を教えようか?それなら他の事にも応用できるよ」
「風魔法?それで強くなる?」
コテンと首を傾げるアリスに説明を続ける
「風の力で弾の速さと威力を上げるんだ。速さが上がれば威力も上がるよ。それに、射程が長くなるからもっと遠くから狙えるよ?距離があれば安全性も上がるからね」
そう説明しながら実際に手本を見せる事にした
アリスのスリングショットを借りて、5mほど離れて木に石を発射する
ビュン!!コーン!!
今度は10mほど離れて木に石を発射する
ビュン!!···コーン!!
「次は風魔法を使うと···」
ムトウは弾に風を纏わせて発射させる
ビッ!!バガン!!
放たれた弾は回転をしながら真っ直ぐに飛び、10m離れた木に石が当たると、的になった木が割れる
「すごい」
「こんな感じになるから気をつけないといけないけど、これなら猪くらいなら狩れる様になる。···人間相手なら、ほぼ確実に命を落とす事になるね」
アリスにスリングショットを返して頭を撫でる
「風魔法以外でも言える事だけど、魔法は『使う人次第』って事を覚えておくんだよ?」
「·········わかった。···魔法を教えて」
真剣な眼差しでムトウを見るアリス
「······。明日から風魔法の練習をしよう。今日の狩りはここまでかな」
笑顔で頭を撫でるムトウに無言で頷くアリスであった
「それじゃあ次はナイフの扱い方を教えるね」
ナイフを格納庫から取り出してアリスに渡す
このナイフは師匠から『アリスへの餞別』として預かった物だ
持ち手は細く短くなっていて、片手で持てる様になっていて、アリスの様な子供でも扱える様に調整されている
刃も短いが、材質が鋼とミスリルの合金で出来ている
「これ持ちやすい」
アリスはナイフをしっかり握り、軽く振る
「一応アリス用にしたって言ってたからね。不具合は俺が調整するから言ってね」
「ありがとう」
ムトウは狩った角兎を出し、アリスに解体の勉強としてナイフで解体させていく
そして日が暮れると夕飯としてアリスが解体した角兎の肉を食べて1日を終えるのであった




