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3 返り討ち

ムトウの口調は人によって変わります

人通りのなくなった細道を進み、空き地に出ると、後ろの気配が速度をあげて近づいてきた


「この場で急接近するという事は、かなり手慣れている様だな。まぁ、精々油断してもらうかな」


近づく気配に見向きもせずに空き地の真ん中で足を止めると、後ろから殺気とともに何かが飛んで来る


(狙いは後頭部か···殺意満々なら、やり返しても文句は言えないよな)


首を傾げて飛んできた物を避けると同時にキャッチする


手にしたのは小型のナイフだ


ムトウは振り向きもせずに投げ返し、後ろから悲鳴と何かが倒れる音がする


どうやら頭部に当たったらしく、即死だった様だ


「失敗したなぁ···相手の名前を聞き忘れてたよ」


『襲われたと報告するのに名前か証拠品を持参しないといけない』のを忘れていた


(面倒だが相手をするか···。相手もまだヤル気みたいだからな)


振り向いて相手を見ると、男が3人いた(1人は逝ってるから2人か)


「てめぇ!!よくも三男のミックを殺ってくれたなぁ!!敵討ちだぁ!!」


どうやらナイフを投げた奴はミックと言う名らしい


「先に手を出したのはそちらだろ~?俺に向かってナイフを投げておいてなんて言い草だ···」


「やかましい!!大人しく有り金と身ぐるみおいて逝けぇ!!」


『おいて逝け』って、殺す気じゃんか···


呆れていると、騒いでいた男が長剣を抜き、襲いかかって来る


「死にさらせぇ!!三男の敵だぁ!!」


おっそい動きだなぁ···そんな速度じゃ狼系の魔物一匹討伐出来ないよ?


そんな事を考えつつ『解体用ナイフ』を取り出し、ぼっ立ちする


「そんな子供用みたいなナイフで、俺様の剣技を捌けるものかぁ!!死ねやぁ!!」


ヒョイ···スパパパッ!!


半身をずらして剣を避け、ナイフで男の両腕両足を切り、最後に首を体からサヨナラさせる


「うん。『解体用』なだけによく切れるね。ついでに長剣まで切れてしまったのは勿体無い事をしたけど···。まぁ、二束三文だろうからいいかな?」


勢いのままムトウを通り過ぎた男はそのまま崩れ落ちる


「···さて、あんたはどうする?逃げるんならコイツらの回収だけはしてね。まぁ、ギルドからの処罰は免れないけどね~」


残った男に聞くと、男は不意に笑い出した


「面白い男だな。ここまでコケにされて去ると思うか?どちらにしろ処罰があるなら、お前を亡き者にして遠くにトンズラするぜ!!」


···まぁ、普通に思えばそうするよな。俺が報告しない訳ないもん


「それで?お前はどうやって俺を殺すんだ?見たところ武器はないみたいだが?」


俺の質問に男は拳を構える


「俺のジョブは『魔拳士』だ。拳に魔法を纏わせて戦うスタイルよ!!」


「(態々自分のジョブを教えるとは···。よっぽどの自信家か只の馬鹿かな?···多分後者だな)それはすごいなぁ~···で?俺のナイフを魔法で受け止める気かな?俺は投擲も得意だから、近づく前に死ぬよ?」


解体用ナイフをくるくる回しながら聞くと、ニヤリと笑う


どうやら動体視力と身体能力には自信がある様子


「(試しに投げてみるか···)うまく避けろよ~?」


そう言ってナイフを振りかぶり、男に向かって投げる


ビュッ!!


「そんなバレバレな投擲を(サクッ)あ゜!?」


ムトウの投げたナイフは男の眉間に見事に刺さり、そのまま倒れて死んでしまった···


「おいおい···ちゃんと手加減したよ?なんで避けない?って、聞いてないか···。さて、ギルドに報告しないとな。コイツらもギルド証くらい持っているだろう」


ナイフを回収した後、呆れながら死体を調べて3人分のギルド証を見つけ、ギルドへ再び向かうムトウであった



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