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ムトウのケンシの旅路 保護した幼女と旅をする  作者: のんびり作者


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19 森の中で野営

森の中をゆっくり移動しながら、アリスに色々と教えていると、知っている気配が近づいて来るのを感じる


「止まって!知っている気配が近づいてきたけど、一応警戒しておいて」


ムトウはそう言って少し太めの木の棒を構える


この木の棒は枝を払う為に使っているものだが、ムトウの魔力を通して硬化させてあり、安物の剣くらいなら簡単に折れる強度はある


しかも、『相手の剣をへし折る』事に特化させた『Y字』の枝を選んでいる


突けば『目潰し』受ければ『へし折り』ゴム紐を装着すれば『スリングショット』にもなる『万能型木の棒』だ


これの小さい物をアリスにも渡してあり、時間がある時に教えようと思っている



ガサガサ···ヒョコ


近くの茂みから顔を出したのは子供の狼だった


しかも、何故か頭にスライムを乗せている


「なんだ、小狼か···てか、スライムも一緒なの?よく補食されないね?親狼さんはどうしたの?」


気配の相手が分かった為、構えを解いて子狼とスライムに声をかける


バゥ?プルプル···ガサガサ···


ムトウの問いに首を傾げる子狼とふるふる震えるスライム


その後隣から顔を出して来たのは、子狼の親狼さんだった


「おぉ、親狼さんも一緒だったのか。でも、子狼を先に行かせるのは親としてどうなの?」


親狼に話しかけると『言う事聞かないのよ』と困った風に一吠えする


当然ムトウは狼の言葉は理解出来ないが、何となく察した様だ


「親って大変なんだな。あっ、そうだ。アリスを紹介しないとな」


親狼を労っていた時にアリスの事を紹介していない事に気がついた


「アリス、紹介しよう。こちら森の狼親子とスライムだ。俺が森の探索とかしていた時に仲良くなった」


アリスに狼達を紹介し


「そして、この子がアリスだ。訳あって俺の師匠の所に連れて行く事になった。敵じゃないから襲わないてくれ」


狼達にアリスを紹介する


「アリスです。よろしく···」


アリスがムトウの後ろに隠れながら挨拶すると、子狼がアリスに近づき、においを嗅ぐ


アリスは硬直して動けないが、子狼は構わずアリスを観察し、足に頭をすり寄せる


「アリス。手を子狼の下から出してみて。上からだと攻撃と勘違いされるからね?そうそう、優しく触って撫でてあげると喜ぶよ?」


子狼を優しく撫でるムトウはアリスに子狼とコミュニケーションの取り方を教える


アリスはゆっくりと手を下から近くに出すと、子狼は手をペロリと舐める


一瞬びっくりしたアリスだったが、そのまま子狼の顎下辺りを優しく撫でる


どうやら互いに警戒は解けた様だ


そんなやり取りを静かに見守る親狼さんとムトウ


そして、いつの間にか親狼の背中に移動しているスライムだった




3匹?3頭?と合流したムトウとアリスは今日の野営地へと向かう


先頭はムトウでその後ろにアリスがいる


アリスの右側に子狼がいて、左側に親狼とスライムがいる


スライムは狼の背中に乗っているが、後方を警戒している様だ


スライムに顔は無いが、小まめに後ろに体を動かしているので、多分そうなのだろう


いつものムトウなら、アリスが一緒にいるので森の浅い所で野営をし、朝早くに森を抜ける事にするだろう


しかし、今回は親子狼とスライムが一緒なので、もう少し進んだ所で野営をする事にした


今回のメンバーで浅い所での野営は、他の冒険者に誤解される危険が高いのだ


ムトウとアリスの近くに野生の親子狼とスライムがいれば、何も知らない者にとっては「2人が襲われている」と思うだろう


要らぬ誤解で互いに傷つくのは避けたいので、多少は危険だが、森の中を少し進んだ所で野営をする方が逆に安全になるのだ




森の中を歩き、小川に着いたムトウ達


ここは池の水が流れて出来た小川だ


水量は少ないが、小魚も泳いでいるので野営するにはいい場所だ


「さて、今日はここで野営だね。早速テントと竈を作ろう」


『格納庫』からテントを出し、アリスに組み方を教えながらテントを組み立てる


「テントが終わったから、次は焚き火用の薪と小枝の確保だよ。アリスと俺で集めにいこう」


「狼さん達はいいの?」


バゥッ!!プルプル···


「どうやらテントを守ってくれるみたいだね。いこうか?」


「うん。行ってきます」


バゥバゥ···プルプル


狼親子とスライムは2人に返事をして、テントの入り口付近を陣取る


アリスとムトウは小枝等を探しに行くが、スライムと狼親子はテントに残るのであった



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