14 ダンジョンの難易度
ギルドの中庭に来た
ここは冒険者達が訓練や大型素材の提出等に使われている場所だ
今日も訓練に利用している者が数名いたが、ムトウを見ても特に何も反応をしない
自分の事に集中している様だ
そんな彼らから少し離れた場所でムトウは『格納庫』から『ダンジョンの扉』を出す
ズズン···
それなりの音をたて、扉が地面に少し刺さる
突如現れた扉に周りはざわつくが、ギルマスが落ち着いているのを見ると、あまり気にする事なく自分の事に集中し始めた
彼らは『騒いだらギルマスにボコボコにされて、治療費等で余計な出費ができるだけ』と理解している者達だ
ここで騒ぐ者は大体が『余所者』か『愚か者』だけなのだ
「おいおい···このでかさだと少なくとも『ミノタウロス級』の魔物がいるって事かよ···」
ダンジョンの扉の大きさは『ダンジョン内の魔物が通れる大きさより少し大きい』くらいだ
片方の扉の大きさは高さ6m·横2m程であり、両開きなので全体だと横は4m程になる
ミノタウロスが(大雑把だが)高さ2m超えが多く、たまに高さ3mを超える変異種も出現する
それ以上の魔物だと竜種(ドラゴン系)や巨人種(サイクロプス系)になる
つまり扉の大きさは『ダンジョンの魔物の種類(大きさ·強さ)の判断材料』の目安になるのだ
そしてもう1つの『扉の材質』だが、大体のダンジョンは『扉がない』か『木製』だが、たまに『銅』『鋼』『銀』『金』等もある
ダンジョンの扉の『材質』は、ダンジョン内の『宝の価値の平均より下で生成』されており
『扉の材質』が豪華な程ダンジョン内の『宝』が『高価な物』や『高性能』となっている事が解明している
『扉による内部の宝の期待値と危険度』
これはダンジョンの意思の様なものなのだろうか?
『豪華な宝を用意した。欲しければ命を懸けて挑戦し、持って行くがいい』
そう言っている様だと、昔のダンジョン研究者が記していた事は冒険者の中では有名であった
「この材質だと···『D級』か。しかし···大きさから『B級』もあり得るな···」
ギルマスが扉を調べて、ダンジョンの難易度を考えている
「そんなに難しい事でもないよ?精々難易度『D級』くらい?ミノなんか只のでかい牛だよ?それより、なんでギルマスが難易度決めてんの?こういうのの専門がいたよね?」
ギルドには色々な専門部署があり、ダンジョン関係の専門部署も当然存在する
「いや、お前が持ってくるのは俺がやってるぞ?お前は全てが『規格外』だからな?普通のアイツらには無理だ。大体『扉ごと持ってくる』のはお前だけだぞ?」
呆れた様子で話すギルマスにムトウは驚愕する
「バカな!?こんなにいい物を持って帰らないの!?『坑道掘るより簡単に高純度の金属素材が取れる』んだよ!?ダンジョンの金属扉を鍛治ギルドに売れば高値間違いないのに!!···なんて勿体無い···」
ダンジョンの扉は純度が高い
それこそ坑山から取れる鉱石を精錬するより純度が高いので、モノによってはオークション等で『青天井の高値で売れる』事もある
もちろんオークション前に『1度溶かして形をインゴットにする手間が有る』が、それを苦に思えない程の利益がある
過去に『扉のまま』オークションに出品したら鍛治ギルドから文句を言われた事があったので、今ではインゴットに加工して鑑定書を付けて出品しているのだ
しかし、基本的に『ダンジョンの物は持って帰った者の所有物』なので、扉のままオークションに出しても構わないはずなのだがなぁ···
そして鍛治ギルドからは「今度からはうちに買い取らせて下さい」とお願いされた
ムトウも「まぁ、ダンジョンに行った時に持って帰れたらね?でも、俺も欲しいから全部は無理だよ?」と話を終わらせた
「早くしてよギルマス~。これからこれを鍛治ギルドに売りに行くからさ~」
そんな事を言って暇そうに周りを見るムトウに「鍛治ギルドも大変だな···」と、少し同情しながら難易度を『D級』に決めたのだった
これはムトウが入る為の決定であり、後から変更されるのだが、それはまた後日のお話し···




