コケコケうるさいわ!!
毎日3回、7:00、11:00、16:00に更新します。アルファポリスさま、カクヨムさまにも投稿中。アルファポリスさまでは、数話分先行して更新しています。
どうやらバーサの呪いはまだ解けていないらしい。きっとシンデレラを悪く言おうとしたのだろう、サンドラがまたコケコケ言い出したので、アデラは急いで言い訳した。
「申しわけありません!母はその、少し喉の調子が悪くて」
「ならアデラ嬢、あなたの妹はどちらへいかれたのだ?」
「それがあの・・・」
アデラは言葉を濁す。シンデレラならサンドラが裏の森に行かせたのだが、言っていいものかどうか迷ったのだ。
すると、これまで黙っていたローレンスが口を開いた。
「あなたはガラスの靴のことを知っているのだろう?」
さっき見た時に驚いていたのを、ローレンスは見逃していなかったのだ。アデラは否定も肯定もできずに視線を逸らす。
「私はこの靴の持ち主と妃にするつもりでいる。隠しだてすると身のためにならないぞ」
「そ、そんな!」
王子の突然の告白に、サンドラが息を飲むのが聞こえた。アデラはますます動揺し、混乱する。
シンデレラは王子と会ったなんてひと言も言ってなかった。それに彼女にはラリーという想い人がいるのだ。なんで王子が割り込んでしまっているのだろう?
でもシンデレラは、好きな人がいるのに見栄や欲のために王子と結婚するような娘ではないわ!
そう確信するアデラは、例えお咎めを受けても彼女を守ろうと決める。
「何も隠してなどおりません。それにあの子は、シンデレラはお妃にふさわしいような娘ではありません」
「さ、さようでございます、殿下!」
アデラはシンデレラのためにローレンスを遠ざけようとしているのだが、継子憎しのサンドラがそれに加勢する。彼女には話の展開がさっぱり分からなかったが、万が一にでもシンデレラが王子の妃になったら困ると思ったのだ。
「本当にあの娘はコケーッコ!いえ、コケコケ?コケ!コケッコー!」
サンドラは「本当にあの娘は身持ちが悪く、今日も男と遊び歩いているのです」と言いたかったのだが、またしてもコケコッコに阻まれる。そんな母親を無視してアデラは続けた。
「社交にも興味がありませんし、貴族令嬢らしいところがなく、お妃さまは務まらないでしょう」
「ええ、そうですとも!あのコケッコはコケコケでコケェエエエーココ!」
「自分で好んでメイド服を着たりして、かなり変わっているのです」
「それココッコッココ!コケー、コケェー!!」
「「やかましいわ!!!」」
ディランとローレンスの怒鳴り声が重なる。ローレンスは立ち上がって母娘をにらみつけた。
姉は妹を悪く言い、母親はニワトリのマネでわめき散らす。いったいこの母娘は何なのだ!?
「もうよい!出さぬと言うなら勝手に探すまでだ」
ローレンスはそう言ってディランのほうを向く。
「シンデレラとバーサ、このふたりの令嬢の安否を今すぐ確認するぞ!」
「はっ!では騎士を二手に分け、私はバーサ嬢を探す指揮をとります。殿下はシンデレラさまを」
こういうこともあろうかと、そのあたりは事前に打ち合わせてあったし、騎士も多めに連れてきていた。
「おまえたちはこの部屋から出るでない」
アデラとサンドラに冷たい視線を向け、ローレンスは部屋を出て行った。




