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Shall We Dance?-2

毎日3回、7:00、11:00、16:00に更新します。アルファポリスさま、カクヨムさまにも投稿中。アルファポリスさまでは、数話分先行して更新しています。

アデラとアルバートがダンスをはじめたころ、シンデレラはようやく会場に足を踏み入れた。バーサは青い顔をしつつも御者の役をどうにかこなし、今はベティと馬車に残っている。シンデレラが戻るまで、誰にも会わないように馬車に立てこもるらしい。


シンデレラもまた、人の多さと王宮の華やかさに委縮していた。このような社交の場に出るのは久しぶりだし、王宮を訪れたのも生まれて初めてなのだから、それもしかたのないことだろう。


これじゃあどこにいたらいいのかも分からないわ。


エスコートのいないシンデレラは戸惑う。むやみにウロウロすると、サンドラとばったり会ってしまいそうで怖い。ひとまず壁の花になろうかと思ったが、その壁までが遠かった。人に押されたり迂回したりしながら右往左往してしていると、ふいに甲高い女性の声が耳に届く。


「ちょっと!殿下は私とダンスなさるのよ!」


「いいえ私よ!あなたはもう三回も踊ったじゃないの!」


「だったらきっと喉が渇いていらっしゃるわ。殿下、あちらでワインをいただきましょうよ」


「ずるい!殿下、私ともう一曲踊ってからにしてくださいませ!」


若く美しい令嬢がふたり、これまた美しい男性を間に挟んで言い争っている。令嬢はどちらも高価な宝石やドレスを身につけているから、きっと高位貴族の令嬢なのだろう。優しい笑顔を浮かべた誠実そうな王子は、両脇をふたりの令嬢にがっちりと固められ、とても困っているようだ。


あの方がローレンス殿下なのね、思ったよりお若いわ。


シンデレラは好奇心から立ち止まってその様子を眺めた。それは生贄にされたウンピロン王国の王子だったのだが、そんなことは知らないシンデレラは再び壁を目指して歩き始める。


しかし人を避けたり押されたりしているうちに、大勢の人がダンスをしている近くに来てしまった。その輪のなかにサンドラがいるのを認めて、シンデレラは少しあせる。幸いダンスとその相手に夢中でこちらには気づいていないようだが、ばったり鉢合わせするのだけは避けなければならない。


こっちはダメだわ。


ダンスの輪から離れようとした彼女は、そのなかに見慣れたふたりを見つけて立ち止まる。


アデラとアルバートだ。ふたりとも背が高く優雅で、ぴったりと息のあったダンスを披露していた。シンデレラはふたりのダンスにしばらく見惚れていたが、だんだんと切ない気持ちになってきて胸に両手をあてた。


あのふたり・・・。


サンドラがいるから早くこの場から去らなければと思いつつ、シンデレラはアデラたちから目を離すことができなかった。そのままふたりを見守りつづけていたが、曲が終わるとハッとしてその場を離れた。ダンスを見ていたことを、アデラに知られてはならないと感じたのだ。

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