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サンドラ、今度こそ勝利を確信する-2

毎日3回、7:00、11:00、16:00に更新します。アルファポリスさま、カクヨムさまにも投稿中。アルファポリスさまでは、数話分先行して更新しています。

舞踏会当日。


イイデンナ伯爵は約束通り早めの時間に馬車で迎えに来てくれた。サンドラを伯爵に紹介し、お茶を飲んで少し歓談したあと、3人で馬車に乗り込む。さすがはイイデンナ伯爵、馬車も最高級品で乗り心地はバツグンである。


とにかく、予定通りに出発できて良かったわ。


アデラは馬車のなかで安堵のため息を漏らした。


今日の彼女は水色のドレスに、シンデレラが返してくれた青い宝石のはまったネックレスを身につけていた。売ってお金にしてくれと断ったのだが、シンデレラが返すと言ってきかなかったのだ。そのネックレスは気に入っていたし、何より義妹の好意が嬉しくて、アデラは結局受け取ることにした。


だけど、こっちは計算違いだったかも・・・。


アデラは向かいの席を見る。


どういうわけか、母親と伯爵が意気投合してしまい、ふたり仲良く並んで座っているのである。こういう場合、普通は母娘が一緒に座って、伯爵が向かいの席じゃないだろうか?


「まあ嫌ですわ、ハブリー!私は本当に母親ですわよ」


サンドラのはしゃいだ声が馬車のなかに響いた。


「お若くて姉妹のようにしか見えない」という伯爵のお世辞を真に受けたのである。しかもさっき会ったばかりなのに、もう名前呼びだ。


私はまだ伯爵さまって呼んでるのに、もう名前で呼びあうなんて、女としての年季の違いかしら。


アデラはふたりを観察する。


今日のサンドラは、肩も胸元も大きく開いた紫のドレス。これははじめて見るので、今日のためにあつらえたものだろう。首には大きな宝石がはまったネックレスをぶら下げている。いかにもサンドラらしいが、娘の付き添いとしては派手過ぎだ。


一方の伯爵のほうも、先日の夜会よりもさらに着飾っている。ふたり並ぶとチカチカのキンキラキンで、クリスマスイルミネーションのようだ。そんな彼らを見て、アデラは気づいた。


このふたり、そっくりだわ!!!


きっと好みや価値観が一緒なのに違いない。年齢も近く、親子ほど離れたアデラよりお似合いと言える。


アデラは膝のうえでドレスを握りしめた。別にイイデンナ伯爵に惚れているわけではないが、母親に気がいってしまって、自分が嫁に選ばれないのは困る。選ばれたとしても、夫が母親に興味があるのは気持ち悪い。


かと言って、また一から相手を探すのも大変だし。


グズグズしているうちに、母親が自分の婿を決めてしまうかもしれない。アデラは頭を悩ませつつ、ふたりから目線を外して窓の外に目をやった。そろそろ王都の中心に近づいてきているので、人も馬車もだいぶ多くなってきたようだ。


まあ、アデラったら、そんなにあの娘のことが気がかりなのかしら?


意気投合した伯爵と良い感じにイチャイチャしながら、サンドラはアデラの様子も気にしていた。元気のない長女を心配しているわけではなく、継子がどうなったかが気になっていたのだ。


ドレスを見つけたシンデレラが大騒ぎすると楽しみにしていたのに、屋敷はいつも通りの静かな朝を迎えた。あの小娘の泣きっ面が見られると思ったサンドラはがっかりしたが、彼女が朝食に姿を見せなかったのでほくそ笑んだ。


きっと部屋で泣いていたに違いないわ。


サンドラはさらに念を入れて、シンデレラが馬車で出かけられないように手を打ってあった。


今度こそは私の勝ちね!


ニヤニヤ笑いが抑えられないサンドラと、心配ごとを抱えて不機嫌なアデラ。そして、どちらとも無関係にご機嫌なイイデンナ伯爵を乗せて、馬車はすべるように王宮へ向かっていった。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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