アデラ姉さんは守りたい-2
毎日3回、7:00、11:00、16:00に更新します。アルファポリスさま、カクヨムさまにも投稿中。アルファポリスさまでは、数話分先行して更新しています。
この子を守るって決めたのに、私ったら全然ダメじゃない!
アデラは下唇を噛んだ。初めてシンデレラと顔をあわせたときのことが、昨日のことのように思い出される。
それは母親が再婚する少し前の出来事だった。
「この子がシンデレラだ。仲良くしてやってくれ」
母の再婚相手であるアスター男爵は、そう言って愛らしい少女を紹介してくれた。このときアデラは17歳、シンデレラは12歳だった。
「お義母さま、アデラお義姉さま、バーサお義姉さま、よろしくお願いいたします。」
シンデレラはまだあどけなさの残る顔で、淑女のような完璧な礼をした。そしてアデラを見あげ、軽く小首をかしげる。まっすぐに見つめてくる瞳は、この国では珍しいスミレ色だ。
かっ!か、か、か、可愛いぃいいいいいいいいいいい!!!
挨拶を返すのも忘れ、アデラは脳内で絶叫した。年齢よりも小柄で華奢なシンデレラには、守ってあげたくなるような儚げな雰囲気があった。アデラはアネゴ肌の気質で、弱いものを守ろうとする本能のようなものがある。その庇護欲を、シンデレラの容姿は大いに刺激したのである。
ふと傍らを見ると、2歳年下のバーサも熱い目でシンデレラを見つめていた。今日の会合に緊張して、すがるように自分の腕につかまっている妹も、義妹となるこの少女が気に入ったようだ。
良かった。
アデラは胸をなでおろす。バーサは人見知りが激しいので、新しい家族とうまくやれるか心配していたのだ。こんな可愛い妹ができるのなら、この子ももっとしっかりするかもしれない。
「まあまあ、可愛いらしいお嬢さまですこと!どうか私のことは、本当のお母さまだと思ってくださいね」
しかし、サンドラが大げさな身振りとともにそんなことを言うのを聞いて、アデラは一気にシラケた気分になる。腕につかまるバーサとも、意味ありげな視線を交わす。ふたりとも知っていたのだ。実の娘だってほったらかしにしてきたこの人に、シンデレラの母親なんか務まるわけがないと。
だけど子供に興味がないぶん、いじめたりすることもないだろう。万が一にもそうならないように、シンデレラのことは自分が守らないと。アデラはその日、そう誓ったのだ。
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