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第19話 犯人逮捕で臨時収入

 男は水族館のスタッフに取り押さえられた。

 俺は直ぐに瑠海を助け出し、結束バンドを切断。


「大丈夫か、瑠海!」

「助けてくれてありがとう、隼くん……!」


 泣いて飛びついてくる瑠海を俺はしっかり抱きしめた。

 怖い思いをさせてしまったな。


「連れ去られているなんて思わなかった。すまない」

「うぅ、怖かった」


 その後すぐにパトカーが駆けつけてきた。誘拐犯は御用となり、直ちに連行。俺と瑠海は事情を説明した。

 すぐに解放され、車の中で脱力。疲労が溜まった……。


「……疲れたね、瑠海」

「うん、こんなことになるなんて思いもしなかった」


 一緒になって溜息を吐く。

 さすがに映画って気分でもなくなり、デートは打ち切り。そのまま帰ることに。


「とにかく、瑠海が無事で良かった。本当にケガとかないよね?」

「大丈夫。縛られただけ……。でも乱暴されないか怖かった……」

「あの男かなり異常者みたいだったから危なかったな。バラバラにするとか言っていたし、怖すぎだろ」

「聞いた話なんだけど、あの人、連続誘拐犯なんだって。少女ばかりを狙って連れ去っているとか。でも、私は少女じゃないし!」


 ぷんぷんと怒る瑠海。いやぁ……見た目は幼く見えるから仕方ないかな。警察も瑠海の年齢を聞いて驚いていたし。けど、運転免許証で年齢をハッキリさせていた。それでまた警察がビックリしていたけど。


「そうだな。でも、犯人はもう捕まったし、これで安心だ」

「そうだね、隼くんのおかげだよ。見つけてくれてありがとね」


 俺の頭を優しくなでてくれる瑠海。そんなに褒められると照れるぞ……!


 それから家へ帰った。

 俺たちのアパートへ。


 玄関へ向かい、部屋の中へ。瑠海は汗を流すと言ってシャワーへ向かった。部屋でそのままソファに寝転がり、スマホを覗いた。

 ネットニュースに気になる記事があった。


 誘拐犯捕まる! とか書かれていた。


 ま、まさかもうあの事件がニュースになったのか。

 てか、この犯人長いこと捕まっていなかったらしく、かなり凶悪犯であることも判明した。しかも指名手配犯だったのかよ。


 驚いていると警察から電話が入った。


 なぬ!?


 急いで出てみる。


『大島さんのお電話ですか?』

「はい、そうですけど……なにか?」

『あ~、そんなに身構えないで大丈夫です。今日の事件のことです』

「水族館で俺の妹が連れ去られたことですか」

『そうです。まずは妹さんがご無事で良かったですよ。それと犯人逮捕のご協力に感謝します』

「いえ、当然のことですよ」

『それでですね、指名手配犯の逮捕ご協力いただけたので、捜査特別報奨金が出ますのでお暇がある時に手続きをしてください』


 捜査特別報奨金……聞いたことがある。

 指名手配犯とかの有力な情報を警察に提供した場合、それが逮捕とかに繋がれば支払われる懸賞金のことだ。

 まさか支払われることになるとは……!


 確か、100万円とか300万円とか貰えるんだっけ。


 だとしたら凄いぞ!


「ありがとうございます。近い内に警察署へ伺います」

『そうしてください。では』


 まさかの臨時収入をゲットか!

 とはいえ瑠海が怖い思いをしているからな。その分、幸せにしてやりたい。


 それから懸賞金のことを瑠海にも話した。


「へえ! お金が貰えるんだ~? いくらくらい?」

「相場は大体100万円らしいよ」

「え、ひゃ、ひゃくまんえん!?」

「俺もビックリしたよ。でも、瑠海が大変だったんだから、このお金は瑠海のものだ」

「そんなことないよ! 隼くんが助けてくれなかったら、私死んでいたかもしれないし……だからね、一緒に使おう」


 そんな風に提案してくれて俺は嬉しかった。やっぱり、瑠海は優しい。そういうところに俺は惚れたんだ。

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