侵入
「さて、ペット1号、お前だ。
誰でもいい。
一匹捕まえてこい。」
鎖を引き上げ顔をこすりつけながら護衛人魚達に目をやる。
「うう・・もうこれ以上は・・・」
ペット1号と名付けられたスキュラが涙を流しながら訴えかける。
「俺を呼ぶ時はバルク様と先に呼べと教えただろうが!
自分の立場をちょっとはわきまえろ!」
溜息をつきながらオークはおもむろにスキュラの体を蹴り上げた。
「グヘヘ。
忘れたのか?
こいつらの命はお前らの働き次第なんだよ。」
正面を向きながらバルクはその太い右腕の先にある親指を後ろに指さした。
指の視線の先には船の大黒柱であろう柱に海からあがり人間の足をあらわにした幾人ものスキュラが上肢下肢に鎖を繋がれ、柱に吊るされていた。
「簡単な仕事だ。
人魚一匹でも捕まえりゃ、お前らのようにこうやって吊るして仲間も芋づる式で服従させられる。
分かったら行ってこい!」
そういうとご満悦そうな顔をつきながらスキュラを海に突き落とした。
その一方でラッカは護衛人魚達によって救出され、船内に運び込まれていた。
船長を取り戻した護衛人魚達は錯乱状態から覚めており、海面には青い光が放たれ、それは防御スキルを発動しているものだった。
「ああ~~!?
お前らがトロトロしてるせえでめんどくせえことになったじゃねえか!」
バルクの緑の皮膚の顔は怒りによって赤みを帯びていた。
「めんどくせえええ!!
船を出せぇ!
あいつら突き飛ばして奴等の船に横づけしろぉ!!」
「船内にさっきの人魚がいるんだろ!?
そいつ使って全員残らずペット行きだ!」
「ゲヘヘヘ
バルク様はいつも頭の切れがいいですね!」
そういうと両手でハンドルを爽快に回し、操縦者のオークが船を発進した。
ものの数分の間に、オークの乗った大型船は人魚達をまるで海上に浮かぶゴミであるかのようにはね、人魚達の貨物船に横づけした。
「ゲヘヘヘア
結構な数が海中に逃げたようだな。
我らオーク族が泳げぬからと言って調子に乗りやがって。
だが、お前らの主はこの船内にいるのは確認済みだ。」
「チェックメイトだな。」
怒りが収まったのか、バルクの口元は勝ちを悟った緩みきったものへと変化していた。
――青い光を失った海面に朝陽が照り返した頃、人魚達の船内にバルク率いるオーク族の姿があった。
~オーク~
全身緑色の皮膚で覆われており、全身がごつく巨体である。
視力がよく、5km先まで見渡すことが出来る。
森の奥底に生息している為、泳ぎは得意ではない。
武器は槍や斧を持っており、野性的な生活を送っている種族である。
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