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自然淘汰

 学校の売店で買ったピーチーティーの紙パックに、ストローをさしながら嬉しそうに優子は言った。

「ねぇ、シオリちゃん、この前ネットフリックスで配信された、『魔法少女ミカるん』

のエピソード五の話なんだけどさ、そん時出てた、悪役のゼイルがもう、たまらん」

 私にそう話す優子は世間で言うアニメオタクである。放っておくとずっとアニメや漫画を読んでいる、そんなタイプ。一日中、いや、年中、優子の頭の中はアニメと漫画で埋め尽くされているのだろう。

 黒髪、ストレートのロングヘア。

 私も黒髮のロングヘアだけど、優子ほどの長さでは無い。私は肩下くらいの長さだが、優子は腰に付きそうなほどの長さである。

 シャンプーとかトリートメントの消費量、やばそう。始めて優子の髪の毛を見たときにそう思った。優子のそのヘアスタイルはアニメ『魔法少女ミカるん』の主人公、ミカるんのヘアスタイルを意識しているらしい。

 彼女はそのキャラクターになりたいのだろう。現実離れしたあの世界に生きる、ミカるんに。

 私はアニメに興味が無いから、優子の話はいつも上の空で聞いている。そんな姿勢で聞いている私に気がつかない優子は一緒にいて気が楽だ。

 だから私は優子といるのだろう。彼女の話はいつもアニメの話で架空の世界だから。

 いつものようにアニメについて話し続ける優子の話を、私は聞いているフリをしながら、教室の左端の一番後ろの席からチラリと教室を眺める。


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