夏 入学試験
建物の表現が難しすぎるんですよね
前世でみた柑橘系の名前の主人公が通っていた学園のように大きなレンガの門に金色の鉄格子がしてあり、同じ色の門が開け放たれていて多くの人が学園に入っていく。自分と同じ年代の子供がたくさんおり、世話係を連れている子もいたが皆門のところで引き止められていた。受験に付き人はいらないからね。
門のそばにいた係員に受験票をもらい、その紙に書いてある場所まで移動する。
最初は座学試験で午後から魔術の実技試験だ。
試験問題は計算問題・地理・歴史・魔術に関してで、一応分かる限りで解いた。計算は簡単だったが地理と歴史は7割ほどしか解けなかった。魔術の問題は今までアレイに聞いた理論と、自分なりに考えたものを書いておいた。
ちなみに魔術はイメージが大切で、具体的な形をイメージをするために詠唱する人が多い。無詠唱は頭の中でかなり具体的なイメージを作り出さなければいけないので、行使したい術が複雑なほど難しくなる。
レオンは前世でしっかりオタクだったので、無詠唱のことが多く詠唱してもかなり短いワードで行う。ちょっと大声で詠唱するの恥ずかしいのよね。
昼食は学校の食堂で取ることが許され、わりかし豪華な食事でた。あまり食べすぎても実技で動けなくなっては困るので、適度に調節して食べた。
午後は何組かに分かれてそれぞれの鍛錬場に案内され、さらに魔法試験は5人ほどのグループに分かれて同じく5人ほどの試験管に見られながら10m先の的に魔法を当てろと言うものだった。木でできた人型の窓の奥には岩があり、それを壊せばその分だけ加点してくれるらしい。
試験官を進行する先生は、黒いローブに肩に届く位の黒い髪をした眼鏡をかけた女の先生だ。何か黒いスーツ着てたら、秘書って感じの人。
「それでは、自分の一番得意な魔法を力の限り放ちなさい」
「ハイ!よろしくお願いします!!」
初めての同年代の魔法だ。どんな魔法を使うんだろう?
「ファイヤーボォォォォル!!」
・・・・・。
ボンっ!
・・・・・・・・。
「ふう」(ドヤ顔)
恥ずかしい!恥ずかしいよ!何あれ?詠唱ってあんななの?“ふう”ってなんだよ!?
彼が撃った火球はマトの真ん中を焦がしてえぐった程度で、的にぶつかると霧散してしまった。
あれ、こんなものなのか!?魔法ってこんなものなのか!?いや落ち着け自分、きっと実力は幅があるんだようん。
そして試験はどんどん進んでいく。
「はあああああ!!アクアシュート!!!!」
・・・・。
「いっけえぇぇぇ!!ウィンドカッター!!!」
・・・・。
「いくわよ!土壁!!!」
なんだよその勢いは!!しかも詠唱の勢いのわりに効果しょぼいし!!!あと一番最後のやつ!攻撃魔法だって言ってんだろうが!!
聞いてるだけで大昔の黒歴史が甦って来るよう・・・・。
人知れず精神にダメージを受けていると前の4人は誰1人として後ろの岩を壊すどころか、的も壊しきらなかった。さて、どんな魔法を使うか?
「さて次は、受験番号5017番。」
『はい。』
的は両手両足の無いマネキンみたいな形をしてる。今までの魔法に耐えているので強度はそこそこありそうだ。ちなみに不公平が出ない様に毎回新品を用意してる事から、強度があると言ってもそこまで高価な物は使ってないだろう。
前の4人が使っていない雷にしようと思ったが、的の正確な強度もわからないし破片がとんでも危険だ。
じゃあ、あれかな
あまり派手じゃなくてかつ危険がない技を選んで、両手を体の前に持ってくる。
昔のアニメを参考にして作った高速回転させた輪っかを何十個も圧縮した球体を突き出した両手から飛ばせば、的はもちろん後ろの岩も巻き込んで大きくなり全部チリになって地面に落ちた。
「・・・い、今のは全力ですか?」
『?・・・いえ、岩を壊せるレベルに調整しましたが・・・』
「そ、そうですか。・・・お疲れ様でした。」
試験は無事終了した。
試験が終わってから泊まっていた宿に戻ると、受付のお姉さんに呼び止められた。
「こちらを」
『ありがとうございます』
手渡された封筒の裏を見るとリュークさんのサインが入っていた。借りている部屋に戻ってから中を確認すると、合格発表の日に会おうという話だった。
王都から離れた場所から来ている人もいるため、試験の合格発表は試験日の5日後に学校で行われる。王都の宿泊施設は掻き入れ時なので、平民でも泊まれるような金額設定をされている宿も多い。レオンが泊まっているこの宿にも何人か平民の受験生を見かけた。
受かっているとは思うけど・・・やっぱ不安だなぁ
受験なんて20年ぶりだ。勉強はきっちりしたけど、やっぱり“合格”の結果をもらうまではソワソワすることになりそうだ。
ここまで読んでくださってありがとうございます
魔法の技名が全然思い浮かばないし、厨二でボキャ貧なのが顕著に出るから恥ずかしい。