名前をバカにしているつもりはないです
濃いキャラクターを描きたいのですが、才能が追いつきません。
この先生はもう一回くらい出して、できれば活躍の場を作りたいです。
ちなみにこういう道具の手入れは、授業終わりに魔法でまとめて行われる。ただきれいにするだけで状態を戻すわけではないので、剣は徐々に鈍になっていくようだ。
「お、おい平民!」
『どうされました?』
「その・・・怪我はないか?」
『平気ですよ。防御魔法が正しく働いていますから。』
唐突な歩み寄りに驚きつつも、見下されるよりは断然マシなのでこちらも笑顔で対応する。
「・・・さっきの、ことだけどな・・・俺は礼なんて言わないぞ」
『はあ』
何のこっちゃ
別にお礼を言って欲しいなんて微塵も思っていないので、アルフレッドの言葉に笑顔でうなずいた。
『パーティーの助け合いは当然のことですから、どうぞお気になさらないでください。』
「っ・・・え・・・あ・・・」
まだ何か用件があるのか目の前に立ったままだが、モジモジしていて何か言ってくるわけでもない。どうしたもんかと一応何か言い出すのを待っていたら、それよりも先に横からすごい勢いで人が近寄ってきた。
「君!!」
大声で誰かを呼んでいるので何事かと声の主を見ると、騎士学院のゴリマッチョな先生がいた。
「マッスル先生」
マッスル先生!?
見た目と名前が似合いすぎて吹き出しかけた。マッスル先生はズンズンと効果音がつきそうなほど大股で近寄ってきて、そのまま勢いよくこちらの両肩を掴んできた。
「君、さっきのは一体なんだ!?」
『ぅおっ!?・・・な、何がですか?』
あまりの勢いに素で驚いたが、とりあえず質問されているらしいことは分かったので首を傾げる。“さっきの”と言われても特に珍しいことをした記憶がない。
「先ほどの剣技のことだ!あんな構え方など見たことないぞ!!」
『ち、近いです!先生・・・あの・・・』
「おお、これは失礼した。騎士養成学院のマッスル・ミオネットだ。」
『・・・魔法学院一年のレオンです。』
肩から手を離してくれたので、失礼にならない程度に服のシワを伸ばしてから頭を下げる。ミオネットは確か辺境伯の家柄で、国防の要になっている家の一つだ。
「それで、さっきウルフの首を切ったあれはどこの流派だ?あんな動きは初めて見たぞ!」
『・・・あれは自己流のもので、特に流派とかはありません。』
「何、自己流だと!?それは素晴らしいぞ!」
勢いがすごい。勢いだけじゃなくて圧もすごくて、どうしたもんかと迷っていたらアレク先生がマッスル先生を回収してくれた。レオンたちの後にもまだグループが残っているので、教員が抜けるわけにはいかないのだ。
気がついたらアルフレッドもいなくなっていたので、レオンも観客席に戻って残りの試合を見学した。
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