マヨネーズ騒動(2)
「むふふふふふふ」
「クリル…落ち着きが無いですよ?」
「だってさ?もう直ぐで私の命に再開できると思うと〜」
「調味料が命って…」
「悪いかよ〜」
「…人はそれぞれ…」
「だよな!流石セレス!かわいいだけじゃなくて物分かりもいいな!どれ、お姉さんがナデナデしてあげよう!
そう言うとクリルはセレスを膝の上にちょこんと乗せると、その頭を優しく撫でた、セレスの柔らかく長い黒髪からは柑橘系の爽やかな甘い匂いが漂う
「うっわぁ…これマジ癒しだわ〜…ずっとこうしてたい…」
「それは…こまるよぉ…///おねぇちゃん///」
「「ん?」」
「お姉ちゃん?私が?」
「いや…その…えっと…///」
恥ずかしそうにその顔を赤らめ、か細く小さな肩を震わせた、心なしか耳と尻尾がビクビク震えているようにも見える
「いいぞ〜!私のことは今からお姉ちゃんと呼びなさい!」
「え!?クリル!?」
「いいじゃんか〜、減るもんじゃ無いし〜!セレス〜、こっちゃおいで〜」
そう言ってセレスを抱き寄せた、抱き寄せてみると華奢な体つきがよくわかる、だが決して貧相では無く、抱いているものに中毒性のある悦楽を与える
「ふぁあ!!///」
「いい子だぞ〜、セレス〜」
「なぁヴェンデル…これって」
「ええ…どうにかする必要がありそうですね」
「とっとにかく…いっかい離して…///」
「え?臭かった?」
「いや…その」
「ん?」
「はずかしいから…」
「あぁもう…マジ天使…」
「はぁ…」
「セレス、ではこちらにも来てみます?」
「大丈夫」
「いいじゃないですか!」
「ごめん無理」
「何でいきなり饒舌!?」
「はぁ…」
「ため息!?」
「俺こんなセレス初めてみた…」
「うぅう…まさかセレスに言われるなんて…あ!皆さん、あそこに小さな砦みたいなのが見えますが、あれが例の集落です」
そう言ってクリルは片手で手綱を握りながら前方にある砦のような建物を指さした森の中には似合わない…石でできた外壁が立ち、その真ん中に木でできた門が見える
「あれですね…えっと…名前が…何でしたっけ」
「え?わかんないの?」
「全部の村を知ってる訳じゃないんで」
「名産品知ってるからてっきり全部知ってるのかと」
「俺もそう思ってたな」
「はぁ…そんな万能じゃないですよ…でも変ですね…外壁に弓兵や魔道士が多すぎる…何か争い事でもあったんですかね」
マヨネーズってうまいよね…俺好きじゃないけど