ソウリエ出発
「しかしクリル…あまり脅かさないでください…」
「悪い悪い、こいつらがはしゃぎすぎちゃってな」
「しっかし不思議だよな〜、クリルが風竜の考えがわかるなんて」
「…うん」
「なんでだろうな〜、不思議だ」
「まさかクリルが竜王だったりしてな!」
「お兄ちゃん…それは無いよ…」
「それもそうか、ちぇ、つまんねぇの…ん?ヴェンデルもクリルもなんで下向いてんだ?」
「気にしたら負けだ…」
「ええ…」
「とっとにかく!早く乗って!いくぞ〜」
「あいよっと」
「うんしょっ」
「では失礼して」
「じゃあいくぞ〜、えっと…そうだ、名前ないんだ…お前らで決めてくんない?」
「いいのか?俺達で」
「ええ、その方がいい名前になりそうですし」
「じゃあ…どう…する?」
「どうせなら強そうな名前がいいよな…じゃあ…アジダハーカ!これでどうだ!」
「ブフォ!!」
「…ッw」
「…?」
「きっ気にすんなw続けてくれ…」
「お、おう…じゃああと1匹は…セリスでどうだ?俺らの種族のことばで「偉大」って意味だ」
「お、いいんじゃないか?どうだ?ヴェンデル」
「クリルがいいならそれで」
「じゃあそれで決定だな、今日からお前らはアジの開きとセロリだ」
「「!?」」
「冗談冗談、アジダハーカとセリスだろ〜、」
「キュイ!」
「ガウ!」
「気に入ったようでよかったな〜」
「クリル!もう街の外に出るぜ!城壁が見える」
「お、本当だな〜、この城壁も意外に高いんだな…」
「…この壁で…災厄光臨も…使徒裁逆…混沌覆界も耐えた…えらい城壁…」
(なんだそれ)
(この世界を襲う、襲ったとされる大きな災害のようなものです…先代王陛下も使徒裁逆で崩御なされました)
「すごい城壁だな…見た目だけはあるってことか」
「ええ…あ、壁を抜けますよ」
「うぃ〜」
「お〜!」
「さて…この壁の向こうはどんなもんだか…楽しみなもんだ」
「どうですかね…まぁなるようになりますよ」
そう話しているうちに壁門を潜り、外の世界を目にする、見渡す限り森、その中央を穿つように走る荷馬車用の道があるだけで民家も見えない
「うわ…一面の森…」
「そうだよな〜、萎えるぜ」
「…仕方ない」
「森は魔獣の住処ですからね…民家など直ぐに消えますよ…住民ごと」
「…大丈夫なのか?そんなとこ進んで」
「普通は護衛をつけて通りますよ」
「あかん奴やん」
「私達には意味がありませんよ、冒険者ですし…そこらの魔獣に負ける程弱く無いですよ」
出発〜




