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社畜が転生したら竜種の王になっていた  作者: 社畜大根
竜王奇譚
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社畜の交渉

その男、エンリコは塔の最上階にいた、独立商業都市の実質的最高権力者は優雅に葡萄酒を呑みながら一人夜食を摂っていた、窓を見れば街の夜景が一望できる、普段通りの街道沿いの店達や民家の窓から漏れ出る光が集まり、まるで星座のように形を成していたが急に暗闇に包まれたように景色が見えなくなった、エンリコはおもそうな中年独特の肥満体型を持ち上げ、窓に近づいた、いや、近付こうとした、すると


ドゴォォォォォォォン!


激音と共に壁ごと窓を破壊し、真紅の髪の毛をした女が飛び込んできた


「お前がこの街のドンだな?」


「…そういう言い方は好まないが…そうだ」


「単刀直入に言おう、竜域側に付け、悪いようにはしない」


「は!竜域に付けだと?馬鹿な事を、この街は竜域に対抗する国々の需要で成り立っている、そんな真似してみろ、すぐに破綻する!第一お前は誰なんだ!」


「私か?私は13278代目が王竜、クリルだ簡単に言うと竜域の王にして全竜種の主、」


「王竜だと!?そんな御伽話の存在が実在するとでもいうのか!馬鹿馬鹿しい」


「じゃあなんで私はここに飛び込んで来れたと思う?」


「それは…」


「な?それに、竜域側に付いたことを公表しなくていい、情報が欲しいだけだ」


「情報…連合戦線か?」


「ああ、竜域に侵攻してきた奴らは全滅させたが、外にはまだいるしな」


「全滅!?馬鹿な!聖騎士まで含めた精鋭だったんだぞ!」


聖騎士?なんだそりゃ…後でヴェンデルにでも聞いてみるか


「まぁ全滅だ後でわかるだろう…当然我々竜域は防衛に成功し切ったら反攻に出る、その時の標的を絞っておく必要があってなぁ、この街は利用できそうだと思ったんだが…灰にするか!」


「まっまて!分かった!非礼も詫びる、王竜殿!戦線の情報を提供しよう、だから灰にするのはやめてくれ!」


「それでいい、こちらも見返りとして竜域の産物を供給しよう」


「竜域の産物…つまり魔道具や食料など?」


「ああ、魔道具は多少規制するだろうがその通りだ」


「そういう事ならこちらとしても願ったり叶ったりです、では血誠は?」


「いらないだろ、お前らが裏切れば我々が総力を持って潰し、我々が裏切ればお前らは我々の技術や情報を横流しできる」


「ふむ…そうですな、ではそう致しますかな、ですが誓約書は書かせて貰いますぞ」


「おう、後で使いを遣すから、そいつに渡してくれ」


「ではこれで成立ですな、良いお付き合いを願いたい物だ」


「ああ、こちらもだではこれで失礼」


「クリル殿はどうやってお帰りに?」


「ああ、大丈夫だ飛んで帰る」


「飛んで?」


「ああ、こういうふうにな…じゃあな」


そう言うとクリルは背中に炎の翼を作り出し、夜の虚空に消えていった


クリルは宿に戻る、漆喰で作られた白い壁に一箇所だけ灯りが灯されている、その灯りを目指してクリルは飛ぶ…すると灯りの中に人影が浮かび上がった…ヴェンデルだ


「お帰りなさいクリル、暖かいお茶を用意してありますよ」


「お、ありがたいな〜サンキュー」


「いえ、交渉はどうでした?」


「いや〜、最初は相手も渋ってたんだけどな、途中で折れてくれた」


「それはよかったです、でもクリルが飛んでいった後に爆音が響きましたが…クリルは何か知っていますか

?」


「ナッナンノコトカナー」


「クリル?冷や汗が出てますよ」


「ソンナコトナイゾー、サァ、アシタモハヤイモウネヨウ」


「はぁ…?おやすみなさい」


「おやすみ〜、ってお前一緒のベッドで寝るのか?」


「え?いけませんか?」


「純真無垢な瞳で言うなよ…」


「護衛ですよ護衛」


「そんなに抱きつくなって、おい!暑い!離れろ!」


「クリル、女性同士というのもアリみたいですよ」


「あぁぁ、もう!寝ろ!」


「一緒に!」


「一緒に寝ねぇよ!」


〜〜〜


「おはようクリル!ヴェンデル!ってうお!すっげぇ隈!」


「うん…なにがあったの?」


「いろいろあったんだよ…いろいろ…」(この野郎…朝まで粘りやがって…)


「あまり深くは聞かないでください…」(さすがクリル…王竜の力は伊達ではないですね)


ここ最近でヴェンデルが一番元気だった気がするのは気のせいと思いたい


「どこに向かって出発するんだ?」


「この街を抜けて…どうしよう」


「何も決まっていないんでしたら一度ソウリエへ行きませんか?エルフの治める国で、興味深い文献が多いそうですよ」


「ソウリエ…!」


「じゃあそうするかな〜、どう行けばそのソウリエってとこに着くんだ?」


「大分西に進む必要があります、結構遠いのでどこかで風竜を仕入れる必要がありますね」


「竜?」


「大きなトカゲです、足が早く長距離の移動には持って来いな大型のトカゲです」


「相場は?」


「そうですね…大体1頭で金貨5枚です、荷台をつけるとさらに金貨2枚必要ですね」


(私この世界に来て少ないから貨幣の計算とか詳しくないんだけど…)


(そうですね…貨幣の価値変動は無く、銅貨、銀貨、金貨、煌石貨という4つの貨幣に分けられます、銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨、金貨1000枚で煌石貨1枚です、)


(ありがとう、意外にわかりやすかった、手持ちはどうだ?)


(意外にって…まだ余裕はあります、風竜2頭と荷台程度なら楽に買えます)


「じゃあ風竜2頭と荷台か…じゃあちょっと仕入れてくる」


「どっか当てがあるのかよ」


「ちょっとな〜、まぁ気にするな」


〜〜〜


「おいエンリコ!」バゴォオオオオオン!


この壁を壊す感覚、楽しいな、クセになりそうだ


「!?…なんだあまり驚かせてくださいますなクリル殿…何かご用でも?」


「風竜2頭と荷台を売って欲しい」


「はぁ…それは構いますまい…しかし何故?」


「旅に出るからな…これ以上は聞くな」


「…ではすぐに用意させましょう、お代は相場で金貨12枚だが…」


「これだ」ポイッ


「ひいふうみい…ちょうどですな、これ執事!下に風竜2頭と荷台を用意して差し上げろ!早急にだ!」


そうエンリコが声を張ると慌しそうに部屋を出て行った


〜〜〜


数分後、準備が出来たと呼ばれ、塔の下へと降りる、そこにはフトアゴヒゲトカゲを数十倍に大きくして、角を生やしたような生き物が2匹と、その2匹に曳航されるようにセッティングされた荷台が用意されていた


「うん、ありがとうエンリコ、助かった」


そういうとクリルは返事を聞く前に荷台に乗り、手綱を握りしめ、人混みへと溶けていった


〜〜〜


「しかしな〜、まさか風竜と意思が通じるとは…」


「キュイ!」


「お〜、そうか〜、お前はニンジンが好きか〜、おっと、そこは右に曲がってくれ〜」


「ギャウ!」


「お前ら、名前はあるのか?」


「キュ〜」


「ガウ…」


「無いか〜、じゃあみんなに考えてもらうか〜」


「キュイ!」


「ギャウ!」


「こっこら!お前ら速度あげんな!おい!止まれ!!」


そうこうしていると次第に安宿が見えて来て、外では木下でヴェンデル達がクリルを待っているようだ


「あ、来ましたね…皆さん、逃げましょう、早く!」


「え?」


「…?」


「ぁあああああああああああああ!!!止まれぇえええええええ!!」ガラガラガラガラガラガラ


「やば…!」


「あ、こら!一人だけ逃げんなぁ!俺も逃げるぞ!」


「…私も…」



すみません…リアルが忙しすぎて更新できませんでした…

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