召喚
防ぐ、向かいくる炎弾を障壁で防ぐ、軽々と移動し威力の殺し切れない一撃は避け、起動を曲げ、ただただ防ぐ走り回る、そうして走り回るヨハネはウルズ達を撹乱し部隊に混乱を作り上げる
「ウィエウス殿…ヨハネは避けて回るのが十八番なのでありんすか?」
「そのようなはずは無い…多分…」
「しかし、このまま避け続けられれば我らとて疲弊は避けられぬぞ?」
「囲もうにもヨハネが相手では…」
スザクはキセルを口から離すと落ち着いた口調で
「なら…わっちの子供達の出番でありんすなぁ」
「ほう…やるつもりだな…?ウルズ殿、部隊に攻撃を止めさせましょう」
「スザクちゃんの召喚魔法?いいけれど……あれに対して有効なのいるの?」
「いなければ言わぬぞえ?」
スザクは挑発するような口調でウルズへけしかける、するとウルズはあからさまに苛ついた口調で
「ふぅん…いいわ、やってみて頂戴、女狐…もし駄目だったら…生皮剥いで狐の毛皮にするわ」
「竜と狐の違いも分からぬほど酔い潰れたかの…全体、攻撃をやめてさがりんさい」
スザクの一声で竜達は魔法などでの攻撃をやめ蜘蛛の子を散らすように逃げ出す
「巻き込まれて死んだら花位は添えてやるからの…」
物騒なことを呟くと続けざまに
「隷属ヲ誓イシ誓約ノ獣ヨ、我為ニ尽クシ仇敵ヲ屠レ、」
詠唱を綴るとスザクの前に盾のように魔法陣が現れる、魔法陣から深緑の光が漏れ出ている
「ウルズ殿……以前現れた時にテイムしましたな?」
「呆れた……天災級の魔物…神獣だったかしら?を使役させるなんて……」
「顕現セヨ…玄武!!」
魔法陣が拡大し、光が増す、魔法陣から姿を現したのは亀、巨大な体躯に蛇の尻尾を持ち、甲羅には巨大な広葉樹が生えている
「グギャアアアアア!!」
「はぁ……」
「どうじゃぁ!!」
「……!」
自らを討ち果たす程の力を秘めた魔物を前にヨハネの表情が変わった、思考の読めない無表情から焦りを浮かべた美しい苦渋の顔へ
「実力は十分…でも難点が有るとすれば…」
「有るとすれば?」
「強すぎて命令を聞かせるのが厄介と言ったとこかの」
「それ一番あかんやつ!!」
「まぁいいのじゃ、さて玄武よ…くらいつけぇえええ!!」
「グギャアアアアア!!」
玄武は後ろ足で体を持ち上げると前足を強く踏みつける、地面が持ち上がり、剣山のように尖った地面がヨハネを襲う
「食らいつけと言ったじゃろ!!」
「グギャアアアアア!!」
ヨハネは大きく後ろへと跳躍すると氷の弾幕を貼る
「ふっふっふ…玄武には効かぬのじゃよ!!」
氷の弾幕は玄武の堅牢な鱗と甲羅にあたり弾け飛んだ
「……!」
するとヨハネは打って変わって巨大な氷塊を作り出し玄武に叩きつける
「グギャアアアアア!!」
玄武が口を大きく開け、強烈なブレスを吐く、深い緑色をしたブレスは氷塊とぶつかると氷塊を破壊し、勢いそのままにヨハネへと殺到する
「!!!」
ヨハネは障壁を多重に展開するとブレスを迎え打つ
パリンパリン
と心地よい、障壁の割れる音が連なり、ブレスがヨハネへとぶつかる