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社畜が転生したら竜種の王になっていた  作者: 社畜大根
竜王奇譚
21/67

宴会

天、人の踏み入れることの出来ない、不浄の地…


1対の翼の生えた天使と呼ばれる強大な力を持つ者達の地…


「ミカエル……地上に封印されし使徒……ペトロとヨハネが消滅しちゃい…ました」


ミカエルと呼ばれた凛々しくも美しい女性の姿をした天使はその白く長い髪の毛を耳に掻き上げながら答える


「ガブリエル…人間達がペトロやヨハネを倒せる程の力を持っているとでもいうの?…」


一方ガブリエルは気弱そうな…庇護欲を煽る…汚れなき少女のような見た目である


ミカエルは逡巡する…かつて人々を裁くべき作られた使徒…それが他でもない人間に倒されるなど言語道断である


「竜種の王……がやった…みたい」


「竜王の復活……いつの時代も我らを邪魔する竜王……我々天使さえ上回る力を持ち、天地を作り替えるほどの力を持つ竜種の王……」


「どうするの…?残りの使徒は天界に眠る…ユダだけだよ?」


「神はまだ終末を続行するおつもりだ…落とすでしょうね」


「使徒のコアになった天使……神に叛いたその汚れた魂を使徒のコアとして殉教することで神はお許しになった…お優しい限りです……」


「ウリエル…ラファエル……そして………ルシファー」


「特にルシファーは人間を我々が裁く事に疑念を持ち……人間に与し…天界を断裂させた…反逆者…」


「自我を持つこと……それは天使を縛る大きな鎖…自我を持った天使は要らない……」


「まぁいいわ……それより、ユダを落とす準備を急ぎましょう、神の意のままに…」


ーーー


「さてお前ら〜、準備はいいな〜?」


そう大きな声を上げるとクリルは返事を待たずに


「乾杯!!」


「「乾杯!!」」


クリル達や種族の長を上座に、竜たちの宴が始まる


「いや〜…ヴェンデル…まさかこんな大きな部屋があったとはな〜」


「大宴場ですね……私も久しぶりに入りました」


「ん?久しぶり?」


ウルズがヴェンデルとの会話に割り込んでくる


「前の竜王陛下が崩御なさった時から喪に服してたからね〜」


「ウルズ…口の聞き方が…」


「良いさいいさ、リーデル、お前も何か食えよ〜」


「ん、良いのか?」


「勿論だとも、この鳥の丸焼き、味付けしっかりしてて肉も柔らかいしうまいぞ〜」


「我が君…食べるか喋るかのどちらかになさってくださいよ…」


「ん?気にすんな」


「じゃあ俺も少しくおうかな〜」


と、リーデルが料理にフォークを伸ばそうとするが


「おい…そこの獣人の小僧…少し馴れ馴れしすぎないか?」


空気が凍りつく


「おいおい…止めろよウィエウス、良いんだよ、私の仲間みたいなもんだし」


「仲間?そうでしたか…そこの小僧が…」


「……ウィエウス、じゃあこうしよう、お前がリーデルにタイマンで勝てたらどんな呼び方でもするがいいさ」


「我が君!!竜種…それも長を相手に獣人のリーデルが決闘など…」


「いや、これでいい」


「我が君!!」


「ヴェン…デル…?」


「ミーミル、あなたからも止めて下さいよ!」


「……リーデル…なら…大丈夫…だよ?」


「ああ、どうするウィエウス、受けるか?蹴るか?」


「……受けましょう…ですが…手加減は致しませんぞ」


「だ、そうだ、行けるか?リーデル?」


「あ?勿論だよ」


「小僧……後悔しても遅いぞ…」


「じゃあ始めよっか、ほれ、前のステージ使って良いからさ」


「御意」


「あいよ」


〜〜〜


リーデルとウィエウスはステージに立つと互いに向かい合った


「おいトカゲ、後悔しても遅いって言ったけどよ…その言葉…そっくりそのまま返すぜ」


「貴様ぁ…!!上等だ…塵芥にしてくれるわ…!」


「ほ〜い二人とも〜、準備はいいね〜、何でもあり、でも殺し、身体破損は無し、時間無制限、始め〜」


クリルのやる気のない合図と共にリーデルが消える


「小僧…!?さては…逃げたか?」


ウィエウスがそう呟く、だがその次の瞬間


「んなわけあるかよダボが」


背後からリーデルが現れ、後頭部に鋭い蹴りを入れるが…


「不意打ちとは考えたな小僧…だが、生憎効果はないようだ」


ウィエウスの鱗が衝撃を吸収し、ウィエウス自身がなにごとも無かったかのようにそこに立っている


「クソが……」


そう呟くとリーデルが又も消え、今度はウィエウスの懐から姿を現し、ウィエウスの顎に猛烈なアッパーを入れる、ゴスン、そう鈍い音がすると共にウィエウスが大きく仰反る


「小僧……!がぁ…!!」


「これで終わりと思うな!!」


再び姿を消すと今度は仰反るウィエウスの背後から現れ


「暫く眠ってろ!!」


ウィエウス又もウィエウスの後頭部に蹴りを入れる


「カハァ…!!」


周囲にはどよめきが生まれる…まさか我らの長が獣人の小僧に負けるのではないか、と



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