戦局を決す物
霧が辺りを覆う、その霧はミーミルのスキルによって出現した物…則ち強い魔素を含む
霧に包まれた白鯨、強い魔素に当てられ自壊が始まっている…白鯨の唯一の破壊方法、それは強い魔素を与え続ける事、
「ーーーーーーー」
当然白鯨は霧から逃げ出そうとするが
「ーー!?」
炎と重力の結界がそれを阻む
「これ程の大きさの結界はそう長くは持ちませんからねぇ、高位竜数人で交代して張らせましょうか」
「そうねぇ…でもほら、交代する必要はなさそうよ?」
少しずつ体内に入ってくる魔素に抗おうと暴れ続ける白鯨、だが自壊は止まらない…少しずつ、少しずつ回復しないダメージを与える
「ーーーーー」
「ミーミル、霧もうちょっと濃くできますか?」
「ん…」
追い討ちをかけるように霧を濃くする、当然魔素も含まれる量は多くなる
「な〜んだ、こんな物だったのね」
「ミーミルのお陰ですよ」
「ーーーー……」
白鯨は空を仰ぐ、崩れ行く己の思考を持って、最後の空を仰ぐ…
「さて…以外に早く終わったわね」
「ですね…さて、我が君の助太刀に参りましょう」
「ん…」
「え〜!お姉さん疲れた〜!!お酒呑みたぁぃいいい!!」
空中で子供のように手足をバタつかせるウルズ、
「……流石に2戦も連続させましたからね……少し休んでて下さい」
「やったー!!」
意気揚々と王城に戻るウルズ…傍目からも浮かれているのがわかる
「……呑兵衛……」
「?どうしましたミーミル、」
「ん…」
「なにも無いなら行きましょう、我が君と言えどヨハネ本体には苦戦している筈です」
〜〜〜
「それを歌わせるわけなくないか?」
クリルが炎流操作で作り出した剣を一振りする、その炎剣の先端から炎の斬撃が発射され、ヨハネに突き刺さる
「!!!」
「お、これいいな、じゃあ」
炎剣をもう一本作り出すと、今度は2本の炎剣を振り回した、炎の斬撃が連射される、ヨハネは障壁でそれを抑えようとするがパリン、と音を立てて割れる、新たに障壁を作り出すも斬撃の補充に追いつかない
「……」
遂に斬撃がヨハネに届く…斬撃はヨハネの胸を穿ち、穴を開ける
「お前はよく頑張った、だけど…竜域に来れば敵じゃないさ」
そうヨハネに告げると
「せめて一瞬で楽にしてやる……暴食…」
黒い霧がヨハネを覆う…その霧が解けたとき…ヨハネは消えていた、勝った、そう思った瞬間
“天より来たりし恵の…”
背後から歌が聞こえた
「あいつ…避けたか……そろそろ魔素を操るのも面倒だし…不味いな…このままだと」
歌を歌うヨハネ、その背後から近付く者があった…ヨハネのすぐ後ろまで近付くがヨハネは気付いていない
「おい!ウルズ!!お前なにやってんだ!!早く戻れ!!」
「へぇ〜?にゃにいってんのよぉ、こんにゃいいそらにゃのにさぁ」
「お前酔ってるな!?千鳥足だぞ!いいから早くー」
「あ…待って気持ち悪い…おえええええええええええええええええええええええええ」
「!?!?!?」
ヨハネの視界を覆った「何か」それに注意を惹かれると
「ウルズ!ナイス嘔吐!!暴食!!!」
再びヨハネを黒い霧が覆う…ヨハネの視界を奪った「何か」のせいで何も見えないヨハネは逃げることも出来ずに吸収される
{獲得 トラジティースキル:《終末の氷界》
:《創生の歌声》
アイテム《ヨハネコア》終末の翼(氷)