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社畜が転生したら竜種の王になっていた  作者: 社畜大根
竜王奇譚
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戦況

歌は歌い続けられた、その歌を聞いたある者は魔法を自身に放ち、またある者は刃を首に当てがう


「!?ウルズ殿…この歌は…!!」


「…ッ!これは…伝承にあるわ…“魂返しの歌”…スキルでも魔法でもないただの歌…でもこの歌はヨハネの最も忌まれる理由よ…!!…一定以上の力を持つ者以外を自刃させる…種族も年も関係なくね…」


“我が身を糧とし、肉をパンに、血をワインに、その供物の上に降臨を”


「…そんな…ヨハネが…回復…しているの?」


「…!ならば回復する前に討つ!!はぁああああああ!!!」


ゴウメイが大剣を手にヨハネに向かう、白鯨は気化した、もう復活するはずがない、塵芥と消えたのだ、邪魔する者はないー


「ーーーーーーーーーーーーー!!」


筈だった


突如として現れた白鯨、気化する前となんら変わらぬ姿で宙を泳ぎ、ゴウメイに食らいつく


「貴様!?消えた筈では…!?」


大剣を振り回しその追撃を逃れようとするが…白鯨が尾鰭をゴウメイに叩きつける、強い衝撃を受けて地面に激突したゴウメイ…外広間にクレーターができる、ゴウメイの安否を確かめる物は無い


完全に復活したヨハネがウルズへと向かう、思考の読めない無表情の美しい、氷のような顔で


ヨハネが氷で作り出した2本の大剣、その大剣に吹雪を纏わせるとウルズに交差する薙ぎ払いの一撃を喰らわせる、ウルズは障壁の魔法を唱えようとするが間に合わない、その2つの刃がウルズの胴体へと吸い込まれ両断される…筈だった


「!?」


確かに死を確信したヨハネの顔が驚愕に彩られる、何者かの剣がその一撃を受け止めた


「死ぬにはまだ早いんじゃないか?吐いた物の掃除が終わってないぞ?」


「…我が君」


「ウルズ…酒を呑むならちゃんと働いてくださいよ…」


「ヴェンデル…」


「まぁ仕事はさせる、ウルズ、ミーミルと協力して2体の白鯨を潰してくれないか?」


「…畏まりました…ですがミーミルはどこに…?」


「さっきからずっと後ろにいるぞ」


「え?……うわもうびっくりしたぁ!!」


「……酷い……」


「気配消すのうまいな〜、セレス」


「我が君…何をおっしゃるのですか…ミーミルがセレスな訳ないじゃないですか、第一にリーデルとの出会いはミーミルと会う前ですよ」


「……当たり………どこで気付いた…の?」


「な!?」


「最近見ないと思ったら……我が君のストーキングなんて…」


「ん〜…直感」


「………?」


「いやなんか雰囲気似てるな〜って」


「………ぷ……」


「笑うなって!!!」


「………わがきみ…後ろ」


クリルの背後にはヨハネが肉薄していた、今まさに斬撃を繰り出そうとしている


「!!」


「クリル!!」


その頭をかち割るべく放たれた一撃が直撃する…が


「ん?ちょっと痛いな〜…今何かあった?」


「……!?」


「あ〜、ヨハネが来てたか〜…なんか攻撃軽くね?」


「…はい?」


「………」


「多分…吹雪を離れた挙句に竜王であるクリルの能力値が上がる竜域に来て…戦力がトントンになったのでは…?」


「ほえー、そんなこともあるのな〜…じゃあ…」


そこまで言うとクリルはクルリと後ろを向いたあまりにおかしなその動作にヨハネは思考を停止させる


「……」


クリルの表情は笑っている、まるでおもちゃを見つけた子供のような、


「サンドバックかぁ〜!!!」


獲物を狙う肉食獣の様な獰猛な笑みに







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