王城帰還
状況は最悪、クリル達は止むことのない吹雪で次第に体力を消耗させる一方でヨハネは次第に力を増していく
氷の柱が建ち、斬撃が舞い、絶対零度の白氷が覆う戦場…完全にヨハネの独壇場で
「ヴェンデル…!どうするこれ!!」
走りながらクリルが叫ぶ、もう何度白鯨に死を与え、ヨハネに斬撃を与えただろうか、白鯨は瞬時に再生し、ヨハネは攻撃すら通さない遮断の盾で身を守る
「そろそろジリ貧ですよ!…せめて天候が変われば…!!!」
天候…やってみるか?
メタトロン、天候を変えるにはどうすればいい?
《不可、自然現象による気象ではない為に方法が無い》
クソ!
《戦場を変える事は可能》
上等だ!!…でもどこに飛ばす?…やっぱ
《竜域》
だよなぁ、じゃあそれでいくぞ
《術式を構築…成功、展開…成功、詠唱を省略、転移魔法を発動…成功》
辺りを黄金の魔法陣が包む、立体的に複数発動したその魔法陣はヨハネとクリル、ヴェンデルを強制的に竜域へと運ぶ
〜〜〜王城〜〜〜
「スザク…その一手待ってくれぬか!!」
「嫌でありんす、ゴウメイ殿はショウギが強くはありませぬな」
「スザク…その言い草はないぞ?」
「あらウィエウス…言ってくれるのう」
「はいはい3人とも!ここは王城よ?王城でショウギなんてやってないの!!」
「玉座の間でスルメ齧ってるウルズ殿に言われたくは…」
「いいじゃない、これクセになるのよ!」
「まぁまぁ…ん?なんだこの膨大な魔素は、窓の外に有るのは…!?」
「退けろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「あぁあああああああああああああああああああああ!!!」
「「「へ?」」」
ドガァアアアアアアアアアアアアン!!!
激音と共に窓ガラスを破って乱入してきたクリルとヴェンデルがいた
「我が君!!これはどういう事ですか!?湖にいたと思ったらいきなり竜域に飛んでるし久しぶりに投げられるし!」
「まぁまぁ、無事だったしいいじゃん、それにほら、ちゃんと連れて来れてるし」
「ですね…はい、それなら問題は…」
「我が君!?それにヴェンデル殿!?一体何が…それに連れてきたとは…?」
「なぁんか嫌な予感するわね」
「なぁ〜に、ちょっとしたヨハネと附属物だ」
「あぁ〜、なるほどでありんすか、ってなるとお思いに!?」
「我が君…このゴウメイ少々自分の耳を疑いたくなる言葉が」
「さっすがね〜…まぁ任せときなさいって!このウルズお姉さんに全てお任せよ!」
「こいつ酔っ払ってる?」
「はぁ…玉座の間でスルメ齧って酒飲んで…」
「なぁに、ちょっとくらいいいじゃない〜」
「良くねぇ!寄るな酔っ払い!酒臭いぞ!」
「まって…そんなゆらされると…うぉええええええええええええええ」
「きったなぁ!!後で掃除しとけよ!それと戦えるやつは呼んでこい!!」
「は、」さっき我が君はヨハネと仰ったか?ゴウメイよ
ああ…多分何かの間違いだろう
そう思いたいでありんすnー
ドゴォォォォォォォン!
もう一つの激突音が玉座の間に響く、そこから顔を覗かせたのは
「…………」
「「「ガチな奴かあああああ!!!」」」
「言っただろ!早く!!」
「おう!クリル!!」
「頼んだぞ!リーデル!セレス!………ん?」
リーデル?セレス?なんでいるんだ?…
《転移範囲の設定ミス》
お前かあああああああ!!