第337話 蹂躙の獣王
作者_(:3 」∠)_「久しぶりの更新ですー! 二度転生コミック8巻発売ですよー!」
ヘルニー(┐「ε;)_「皆はトップコートが切れかけたら無理に最後まで吹こうとせず買い替えろよー。残りの塗料がダマになってぶちまけてまだら模様になるからね!(なった)
ヘイフィー (´∀`*)「なお、この章ではモフモフがメインな為、人間達のセリフを作者が翻訳しているだけで、モフモフにはヒロインのセリフ以外ほぼ伝わっておりません(久しぶりの更新なので)」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
皆さんの声援が作者の励みとなっております!
◆モフモフ◆
「ギャァァァァ!」
「ひぃぃぃぃっ!!」
夜の闇の中、心地よい悲鳴が木霊する。
オーリエの匂いを辿ってきた我は、道中遭遇した人間共を道しるべとしながら突き進んでいた。
そして村から半日ほど離れた場所までやって来たところで、洞窟を発見したのである。
どうやらオーリエを攫った者達は、この洞窟を巣にしているようだ。
巣が見つかったのなら話は早い。
早々にこの巣を駆逐してオーリエを連れ戻すとしよう。
我は賊の巣穴に向かって真っすぐに駆け出す。
「ん? なんだありゃあ?」
洞窟の入り口に群れていた人間共が、燃える木の光に照らされた我の姿に気付く。
「白い毛玉? 何でこんなところに?」
人間共達は我を見て恐怖で動くことも出来ないようで、迎撃する様子も見せずに立ち尽くしている。
ふん、どうやら群れの中に入れぬ雑魚のようだ。
雑魚で遊ぶ趣味の無い我は、そのまま加速して人間共の懐に入ると、みぞおちに跳ぶ。
「ぐぼっ!?」
更に反動を利用してもう一人のみぞおちに一撃を喰らわす。
「がっ!?」
一瞬で崩れ落ちる雑魚共。
ふははっ、脆い脆い! 所詮は群れの外周に追いやられた雑魚よ!
さぁ、狩りの始まりだ!
我は洞窟の中に突入すると、すぐに地面から嫌な臭いを感じた。
どうやら土の中に何かあるようだ。
しかし我の鼻の良さを甘く見たようだな。
我は洞窟の壁に跳ぶと爪を引っかけながら速度を上げて上に登ってゆき、天井を駆ける。
ふっ、我を罠にかけたいなら、天井にも罠を仕掛けておくべきだったな。
細い通路を抜けると洞窟の中が広くなり、同時に明るくなる。
そこは入り口からは想像もつかぬ程広くなっており、オーリエの村がそのまますっぽり入りそうな大きさだった。
ふむ、見ればこの広場の壁は入り口付近の通路と違うな。
おそらくはモグラの魔物のように爪で掘り進んで、土を固める唾か何かで崩れぬようにしたのだろう。
そして巣の中には小さな巣がいくつもあり、更に壁にはさらに奥へと向かう通路が幾つか見えた。
そして広場に居る人間共が通路を出入りしている様子が見える。
「ぎゃははははっ!」
そんな中、陽気な鳴き声に視線を向ければ、広場の一角で美味そうな臭いが漂ってきた。
おお、あの人間共、何か美味そうなものを食べているな。
我は天井を駆けるその人間達の真上までやってくると、壁を掴んでいた爪をひっこめる。
当然のように落ちる我は魔法で軌道を操作し、ひと際うるさい人間の真上に落下した。
「ぐぼっ!?」
宙に浮いた肉にパクリと喰いつくと同時に人間の頭を足場に跳ぶ。
「なんだ? 飲み過ぎかぁ?」
我は一口で肉を頬張る。うむ、骨がバリバリと丁度良い歯応えで美味。
しかし量が少ないな。お前達の肉も貰うぞ。
我は人間の人間の顔面を足場として蹴ると手にしていた肉を頂く。
「ぽばっ!?」
うむ、美味。
「ん? ぶぺっ!?」
人間達を足場にするたびに面白い鳴き声が聞こえる。
くくく、人間共の鳴き声を聞きながらの食事はなかなかオツなもの。
いずれはご主人の鳴き声を聞きながら食事をしたいものだ。ククククッ。
おっといかん、せっかく自由になったのだ。自分からご主人に捕まりに行く愚を犯す必要などあるまい。
「なっ、どうしたんだお前等!?」
最後に残った人間が、仲間達が突然奇妙な鳴き声を上げて倒れた事に気付いて慌てだす。
ふっ、気付くのが遅かったな。お前の肉も寄こせ!
「はっ!? 何だこの毛ゴピュ!?」
うむ、最期の肉も美味であった。
さて、そこそこ腹も膨れたし帰るか。
……いや何か忘れているような?
「お前等、何騒いでるんだ?」
首をかしげていた我の下に、新たな人間が現れた。
「なんだコイツ等、もう酔いつぶれてるのか? ボスが出かけたからって気が緩み過ぎだろ。バレたら厳罰ものだぞ。おい起きろお前等」
仲間の異常を察したらしい人間はこちらに近づいてくるが、そこで初めて我の存在に気付く。
「ん? 何だこりゃ? 新しい雑巾か? 邪魔だ」
その人間は即座に我の強さを悟ったらしく即座に攻撃をしてきた。
ふむ、少しは見込みがあるな。だが何やら罵倒された気がしたので罰を与えておくか。
ガブリッ。
「ぐあぁっ!? お、俺の足が!!」
ふむ、たいして美味くないな。オーリエとは大違いだ。
……はっ! そうだ! 我はオーリエを探しに来たのだった!
いかんいかん、肉を喰ってつい満足してしまうところだった。
速くオーリエを探さねば。
「だ、誰か来てくれー! 魔物だ! 魔物が入り込んでいるぞー!」
そしたら足を齧った人間が大声を上げて仲間を呼び始めた。
これはしまった。オーリエを探す邪魔だな。
「なんだなんだ? 魔物?」
「この毛玉がか? 酔っぱらってんのか?」
「「「はははははっ」」」
しかし集まって来た人間共は楽しそうに鳴くばかりで我に襲って来る様子を見せない。
寧ろ我に齧られた人間を笑っているように見える。
まぁそれも当然だろう。野生の世界において狩りが下手な個体の群れでの立場は弱い。
だが、誰がそれを責められよう。
この者達は知らぬのだ。この人間が挑んだのが我という最強の存在であった不幸に。
だがそれを恥じる事はない。
今から我がお前達にもそれを教えてやるからなぁ!
我は跳ぶ。小細工はない。狙うは真正面の人間。
「がっ?」
人間は自分が襲われた事に気付かない。気付ける察しの良さがない。
そのまま人間の体を足場に我は再び跳ぶ、跳ぶ、跳ぶ。
「おごっ」
「ごぐっ」
「ぐぇっ」
跳ぶたびにはやく、早く、速く、我は速度を上げる。
「な、何だ!? 何が起きてる!?」
人間達は我の速度についてこれない。
見えるのは崩れ落ちる仲間の姿のみだ。
「気を付けろ! 何か居るぞ!!」
「何が居るんだよ!?」
「あの毛玉はどこ行った!?」
「あんなの放っておけ! それよりも襲ってくる魔物がさきゅげっ」
「う、うわぁぁぁぁっ!!」
恐怖に耐えられなくなった人間が逃げ出す。
「ま、待ってくれ!」
群れと言うものの性質か、一匹が逃げ出した事で他の者達も我先にと逃げ出す。
くくっ、まるでポイズンスパイダーの子を散らすような光景だな。
だが、愚かだ。
ボガァァァァン!!
人間共が逃げ出した先、入り口に繋がる通路から魔法の如き爆発音が聞こえてきた。
そしてもうもうと漂ってくる煙。
ふっ、自分達の仕掛けた罠にかかるとは愚かな。
広場の中に居た人間共は、入り口で起きた爆発でパニックに陥っていて、もはや我との戦いどころではない。
まったく歯応えが無い連中だ。。
まぁ良い。オーリエの捜索を再開するとしよう。
我は洞窟内に漂うかすかなオーリエの匂いを探る……むぅ、入り口から流れてくる爆発の匂いが邪魔だな。
しかし我の優れた嗅覚なら、このような雑多な匂いの中からでも目当ての匂いを探り出す事が出来た。
こっちだな。
我はオーリエの匂いを的確に嗅ぎ分け、無数の通路から当たりの通路を選ぶ。
すると進むにつれオーリエの匂いは強くなってゆく。
しかしその先には番人が待ち構えていた。
「随分騒がしいと思ったら、お前が犯人か?」
何を言っているのか分からぬが、どうやらコイツはこれまでの人間共とは格が違うようだ。
くふふ、久しぶりに本気で戦えそうだな!
黒焦げになった人間_:(´д`」∠):_「でもいつもレクス相手に本気になってません?(ブスブス)」
モフモフ_Σ(:3 」∠)_「そもそも本気になる前に終わってるからー! 本気を出す前にー!」
踏み潰された人間(┐「ε;)_「(それって瞬殺されてるって事では?)」
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