第320話 更なる地下へ
作者_:(´д`」∠):_「朝8時の時点で真昼の暑さなのどうなってんの?」
ヘルニー|^・ω・)/ 「我慢せずエアコンと水分と塩分を忘れずにね!」
ヘイフィー_:(´д`」∠):_「室内用サーキュレーターがあるとエアコンの冷気をかき混ぜて効率よく涼しくなれるよ!」
作者|^・ω・)/ 「外出用に空調服買ったぜ! モバイルバッテリーで動くの良いね!」
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皆さんの声援が作者の励みとなっております!
◆リリエラ◆
お母さんたちのところに帰るために、私達はきた道を戻っていく。
しょうじきどのみちもおなじ道に見えるけど、一番前を歩くジャイロくんはよくわかるなぁ。
「おい、何時になったらお前達の親の所に付くんだ?」
そしたら魔人のおじさんがいつお母さんたちのところにつくのか聞いてきたの。
うーん、わたしに訊かれてもわからないんだよね。ジャイロくんに訊いてほしい。
「おう、もうすぐだね、なっ、リリエラ!」
え? 何でわたしに聞くの?
「ジャイロくんが知ってたんじゃないの?」
「え? 俺? 何で?」
「何でって、ジャイロくんが先頭を歩いてたんじゃない!」
「いや、違ってたら誰か言うかなって」
「「……」」
じゃあもしかして……私たち……
「おい、お前達まさか道に迷ったのか……?」
「そ、そんなわけねーじゃん!」
「そ、そうよ! そんな迷子みたいなはずないでしょ!」
「本当だろうな?」
魔人のおじさんがジロリとイタズラした時のお父さんのような目で私を見つめてくる。
お父さん、いつ帰って来るの……
「……」
ない……よね? 迷子になんてなってないよね……?
このままお母さんとお父さんに会えなくなるの?
暗い場所で死ぬまで私たちだけ……?
「どうしよう……?」
「こっちが聞きたいわーっ!!」
「うぐっ……ひっく……びえぇぇぇぇぇぇぇ!! お母さーん! お父さーん!!」
やだぁー! お母さんに会いたいーっ! お父さーん!
「お、おい止めろ! 泣くな!!」
「うぐ……母ちゃーんっ!!」
「ええい! お前まで泣くな! 男だろ!!」
お母さんどこぉ-っ!!
「……はぁ」
もふんっ。
「ふえっ?」
突然、わたしの顔に柔らかいものが押しつけられる。
びっくりしてそこから離れると、そこにはモコモコちゃんを持ったメグリちゃんがいた。
「これに案内させれば良いと思う」
「え?」
「キュ?」
モコモコちゃんに?
「ペットなら匂いで皆の場所が分かる筈」
「「「おおーっ!!」」」
「キュ、キュウ?」
そっか! ワンちゃんもお鼻が良いもんね! きっとモコモコちゃんも鼻が良い筈!!
「さっすがメグリ、あったまいーなっ!!」
「成る程な、確かに獣は鼻や耳が良いものだ。無作為に探すよりは余程期待が持てる」
メグリちゃんのアイデアに、ジャイロくんと魔人のおじさんも感心してる。
私と同じ子供なのに、メグリちゃんは凄いなぁ。
「よし! 皆の匂いをかげ白いの!」
「頑張ってモコモコちゃん!」
「期待しているぞ丸いの!」
「キュウウーッ!?」
良かった! これならお母さんのところに帰れるよ! モコモコちゃんと一緒でよかったー! 帰ったらニンジンあげるね!
◆
僕達が目を離している隙にジャイロ君達が居なくなってしまったんだ。
「不味いわね、こんな遺跡であの子達を見失ったらどうなるか分からないわ」
確かに、施設は休眠状態みたいだけど、防衛機構が生きている可能性は高い。
基本的に重要な施設は、魔人のような敵対組織の破壊工作があった時の為に、重要な機関は独立した動力を別個に持っている事が多い。
維持費がかかるけど、片方が使えなくなった時にもう片方の動力を使って再起動が容易なメリットがあるからね。
ただグランドゲートは何故か休眠状態なのが気になる。
防衛用の動力が生きているなら、とっくにゲートも稼働状態になってるだろうからね。
考えられるのは、防衛用の動力も停止しているか、トラブルが発生して防衛機能のみに機能を限定しているか、かな。
そして防衛用のゴーレムも出力こそ低いものの個別の動力を持っているから、間違いなく単独で活動しているだろうね。
「レ、レクスさん、すぐに皆を探しに行きましょう!」
ノルブさんが皆を心配して、急ぎ捜索に向かうべきだと主張する。
「ええ、そうですね」
ただ、モフモフの角輪に仕込んだ発信機の反応を見る限りでは、皆が逃げているような速さで動いていないのは不幸中の幸いだ。
捜索に向かう前に、僕達は探査魔法を使って施設の構造を確認する。
「ミナさん、ノルブさん、マップは確認できましたか?」
「う、うん、凄いわね探査魔法って。こんな事まで分かるんだ」
「す、凄い。これはマッパー要らずですよ」
「でも探査魔法を騙す擬装術式もありますから、過信は禁物です。特に侵入者を襲うトラップには隠密機能を施されたものが多いですからね。気を付けてくださいね」
「わ、分かったわ」
「ひぇっ、そんな危険なんですか!?」
侵入と防衛の技術はいつだってイタチごっこだからね。
昨日まで通じた技術は今日は通じない可能性がある。
「魔法の解析と目視、それに匂い、なにより直感をフルに働かせてください」
「冒険者って大変なのねぇ。そこまでしないといけないなんて」
僕達の会話に、マリエルさんがとても大変そうには思えない声音で感心の声を上げる。
でもその本心では、娘であるリリエラさんを心配しているのは考えるまでもない事だった。
一応リリエラさん達には、サイズが合わなくなった防具の代わりに身を守る為のマジックアイテムを身に付けさせておいたから、万が一の場合でも命を守る事は出来ると思うけど、救出を急ぐに越したことはない。
「まぁそんな危険な対策が施されておるのは一部の大国の軍の施設くらいじゃ。あまりに優れた設備は、万が一敵に奪われると自分達に牙を剥くからの。内側の対策に専念するよりも、相手が中に入る前に撃退する方に専念するもんじゃ」
と、ガンエイさんがマリエルさんを安心させる為にフォローをいれてくれる。
「そういえば、罠があるなら、ジャイロ達がとっくにかかってるんじゃないの?」
「いや、民間人も使うような施設の防衛には、子供が紛れ込む危険もある。故に侵入者捕獲用の罠は大人の体重でかかるよう重量で感知するのが基本じゃ」
「さすが古代魔法文明の遺跡ね。そんな区別までつくのね」
「子供相手に反応するのは精々警報と捕獲用の罠くらいじゃろ」
成程、民間施設の防衛機構はそういうものが多いんだね。
僕が潜入任務で潜り込むのは、もっぱら軍事施設や違法な研究施設ばかりだったからなぁ。
防衛装置に安全性が考慮されている事にまでは考えが至らなかったよ。
流石ガンエイさん、僕が想定していなかった事にフォローを入れてくれるのは本当に助かるよ。
「ではリリエラさん達の捜索に行きましょう。僕とノルブさん、マリエルさんの三人と、ミナさんとガンエイさんの二人で……」
「いや、儂はここに残ってゲートの調査を続ける」
「え?」
けれどそこでガンエイさんが自分は捜索に加わらないと宣言した。
「全員が居なくなったら、子供達が戻って来た時に困るじゃろ。誰かが待っておらんといかんのではないかな?」
「あっ、そうか」
そうだった。確かにリリエラさん達が戻ってくること考えておかなきゃいけなかったよ。
うーん、長い年月を生きて来た年長者の余裕が感じられるね。
「だったら私も残っていた方が良さそうね」
「マリエルさんもですか?」
「ええ、私は戦えないから、皆の足手まといになっちゃうわ。探査魔法っていうのも使えないし」
「すみません、僕達が目を離していた所為で」
「いいえ、子供ってそう言うものだもの。私こそ、あの子達の足の速さを甘くて見ていたわ」
そしてマリエルさんも、本当なら自分がリリエラさんを探しに行きたいだろうに、冷静に自分に出来る事を考えて待機を宣言する。二人共、本当に大人だなぁ。
「……分かりました。じゃあここに防衛用の結界を張っておきますので、ここで待機しててください。ハイエリアサークル!!」
ならせめて、マリエルさんの安全はしっかりしておかないとね!
「まぁ、明るい」
「高位結界魔法を触媒も無しに軽々と使いおってからに」
「じゃあ私はご飯の用意をして待ってるわね」
「はい! 夕飯までには皆を連れ帰ってきます!!」
待っててねリリエラさん! ジャイロ君! メグリさん!
◆
三人の反応を追って行くと、前方に生き物の反応が感知される。
「待ってください。誰かいます」
この反応の仕方は……
「ジャイロ達かしら?」
「いえ、数が合いませんね。ジャイロ君達じゃないです」
反応は一つ、はぐれたのでもなければリリエラさん達じゃない。
そしてリリエラさん達の反応はもっと下層。つまりこの先に居るのはリリエラさん達以外の誰かだ。そして僕達以外でこの施設に居る可能性がある人間といえば……
「まさか事件の黒幕?」
「可能性は否定できませんね。僕達の探査魔法の範囲内なのに、発見が遅れました。相手は何らかの隠密手段を持っている可能性が高いです。なので僕達も隠密魔法で姿を消して接近しましょう。ただし相手も対抗魔法を使っている可能性が高いですから、過信しないで」
「分かったわ」
「だ、大丈夫でしょうか……」
慎重に進んでいくと、前方から誰かの声が聞こえて来た。
「くっ! 駄目だ、全然切れん! 一体何で出来ているんだこれは!?」
うん? 何かトラブルかな?
少なくとも僕達の存在に気付いている感じじゃない。
何が起きているのかを確認する為、僕達は慎重に声の主へと近づいてゆく。
魔法の灯りが見えてくると、そこには何か藻搔いているような人影が確認できた。
更に進み、顔が確認できるくらいにまで接近する僕達。
「あれは……!?」
その姿を見た僕は、驚きで目を丸くする。
「くそっ、一か八かダメージ覚悟で魔法で焼き切るか?」
顔を確認した事で、目の前の人物の声が僕の良く知っている人物の名前と一致する。
「やっぱり! ラミーズさん!!」
「だ、誰だ!?」
僕の声に反応したその人物は、何を隠そうS級冒険者、天魔導のラミーズさんその人だったんだ。
ミニエラ\(・ω・)/「モコモコちゃんがんば!」
モフモフΣ(:3)レ∠)_「無茶振りぃーっ!!」
ラミーズ(:3)レ∠)_「お久しぶりー、覚えてる人いる?」
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