第244話 覚悟と決意
作者٩(*´꒳`*)۶「今週は変則で早めの更新ですよー!」
ヘルニー(っ´∀`c)「前回はキリの良い部分で切ったので、ちょっと短めだったからねー」
ヘイフィーヾ(⌒(_'ω')_「もしかしたら週末に更新するかもですー」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
皆さまの声援が作者の励みとなっております!
◆???◆
くっ、何と言う事だ、これでは我が神殿の勝利が失われてしまう!
主神の神殿が弱体化し、更に強力な切り札を手に入れた今こそ我々が主導権を握る千載一遇の好機だと言うのに!
このままでは他の神殿のライバル達ではなく古臭い試練の設備によって敗退させられる!!
「そ、そのような不本意な結末を受け入れられる訳が無いだろうが!!」
私は懐に隠していたある品を取り出す。
「こうなったらこれを使うしか」
本来なら他の神殿の妨害の為に使うものだったが、もはやなりふり構ってはいられん!
「このままでは勝てぬというのなら試練ごと破壊してくれる! 我等こそが聖都の頂点に立つに相応しいのだ!!」
「「「「封印よ、解けよっっっっっ!!」」」」
試練の場に、四つの声が響き渡った。
え? 四つ?
「「「「え?」」」」
見れば、他の神殿の参加者達も私と同じように宝玉を掲げていたのだった。
いやまて、何故あいつ等が私と同じ宝玉を持っているのだ?
そう疑問に思った時、我々がかざした宝玉が輝きだした。
◆
「ん? 何だろ?」
後方から眩い光が放たれたのを感じて、僕達は振りむいた。
するとそこには赤、黒、緑、灰の輝きが巻き起こっていたんだ。
そして光が弾けると、そこから凄まじい熱気が籠もった炎、黒い霧、猛烈な嵐、そして巨大なゴーレムが姿を現し周囲の人達を巻き込んで暴れ出した。
「あれは、ゴーレム!?」
「それに物凄い炎が!?」
「く、黒い霧に包まれた人達が倒れて行きます!?」
「なんでこんな場所に嵐が!?」
突然起こったこれも試練なのか……!?
でも僕はこんなものを作った覚えはないぞ!?
もしかして、誰かが新しいギミックをコースに仕込んだのか?
一体誰があんなものを! いくら魔人と戦うための鍛錬でもあれはやり過ぎだよ!
「いや、そんな事考えてる場合じゃない! 早く助けないと!!」
このままじゃみんな死んでしまう!
「あの黒い霧は毒のようですね。あそこには解毒魔法を使える僕が行きます!」
即座にノルブさんが毒の霧に向かって駆けだす。
「ん、嵐に吹き飛ばされてる人達は私が助けに行く」
「私は魔法で嵐を相殺してみるわ」
メグリさんとミナさんは嵐へ向かってゆく。
「んじゃ炎は俺だな!」
「私も炎の方に行くわ。氷の魔法で火を消して見せるわ」
ジャイロ君とリリエラさんは炎の海に飛び込んでゆく。
「ならゴーレムは僕が対処します」
「え、ええと、私は……」
そんな中、自分はどうすればよいのかとトレーシーさんが慌てる。
「いえ、ここは僕らに任せてトレーシーさんはゴールを目指してください」
「え? でも」
元々僕達の役目はトレーシーさんの護衛みたいなものだ。
ならここは僕達だけで対応するべきだろう。
「トレーシーの姉ちゃんはこの旅に勝つために来たんだろ? だったら行けよ」
「そうそう、こういう厄介事は私達の仕事よ」
「ん、後は任せる」
「私達も救助が終わったら後を追うから」
「安心してきなさい」
「神の御加護を」
皆も同じ気持ちだったらしく、足を止めずにトレーシーさんに声だけをかける。
「あっ……」
「じゃあ行こうか皆!」
「「「「「おうっ!!」」」」」
僕達は全速力で負傷者の救出に向かう。
ここからは一分一秒を争う時間との勝負だからね。
「ま、まってくださーい!」
けれどそんな僕達の背後からトレーシーさんがおいて行かれまいと追いかけてきたんだ。
「やっぱりっ、私もっ、助けに行きますー!」
「トレーシーさん!?」
何でトレーシーさんまでついて来ちゃうの!?
ここは僕達に任せて良いのに!?
「こ、困っている人を見捨てたらーっ、絶対っ、主神様にっ、怒られてしまいますよー!」
それだけ!? トレーシーさんは主神の神殿の未来を背負っているんだよ!?
この戦いで主神の神殿が負けたら、世界のパワーバランスにどんな影響が出るか分からないのに!?
「ふふ」
そしたら何故かリリエラさんがおかしそうに笑った。
「リリエラさん?」
「やっぱり弟子は師匠に似るのね」
え? 弟子?
「あー、分かるわー。危険とか損得とか考えずに首を突っ込んでくるのよねー」
「ん、おせっかいのお人好し」
「でも、神に仕える者としてその気持ちは分かりますよ」
「えっと、どういう事?」
「つまりよ、トレーシーの姉ちゃんもお人好しな兄貴の弟子って事さ」
ニヤリとジャイロ君が不的な笑みを浮かべる。
えっと、僕そんなお人好しなつもりないんだけどなぁ。
けどまぁ、そうか。
トレーシーさんからすれば、主神の神殿が負けたら世界のパワーバランスがどうなるとか関係ないもんね。
それは僕らの事情でしかない。
彼女はただ、目の前で苦しんでいる人がいるから助けたいと思っているだけだ。
「でもそれこそが、大勢の人達が司祭様達に望む姿なんだよね」
「ふ、ふえ? な、何ですか皆さん?」
僕達に追いついてきたトレーシーさんは僕達が何を話していたのか分からず、不思議そうに首を傾げる。
「分かりました。じゃあトレーシーさんはノル、ノリエさんと一緒に毒で倒れた人達を助けてあげてください」
「は、はい!」
トレーシーさんに貸したマジックアイテムには解毒の効果のもあるから、急いで人を助ける必要があるノルブさんの手伝いをしてもらうべきだろう。
「それじゃあ改めて皆、要救助者の皆を助けるよー!」
「「「「「おおーっ!!」」」」」
参加者達 (((;゜Д ゜))) 「何事ぉーっ!?」
メグリ└(┐Lε:)┘「大惨事の予感……というかもうなってた」
罠└|∵┌|└| ∵ |┘|┐∵|┘「なおこの状況でも僕達は仕事するよ!」
司祭達 _:(´ཀ`」 ∠):_「「「「休んで!!」」」」
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