第224話 いざ主神の神殿!
作者_(┐「ε:)_「更新ですよー!」
ヘルニー_(┐「ε:)_「ちょっち遅くなってごめんねー」
ヘイフィー_(┐「ε:)_「再来週の分まで出来てるから、来週以降は水曜日更新だよー」
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「うう、恥ずかしいなぁ……」
フォカさんと別れた僕達は、主神の神殿へと向かっていた。
ただし僕達の格好はいつもの装備じゃなく、ヒラヒラの女の子の衣装だ。
「別にこんな格好する必要はなかったんじゃないですか?」
「全くだぜ、いつもの格好のままでいいだろうによ」
僕だけじゃなく、ジャイロ君達も自分達の格好に不満を漏らしている。
けれど……
「それは違うわ! ちゃんと見た目も変えないと駄目よ!」
とフォカさんに強く主張されたんだよね。
「でも巡礼の旅に出るのなら、ヒラヒラした格好よりちゃんとした装備の方が……」
「いいえ。私達もフォカさんに賛成よ」
しかし何故か僕達の反論をリリエラさん達までが否定した。
もしかして何か重要な意図が……?
「レクスさんは可愛いんだから、ちゃんと可愛い恰好をするべきよ!」
「……え?」
待ってリリエラさん、何を言ってるの?
「そうそう、それに女の子が男の格好をしてたらおかしいでしょ? 女の子に化けるなら、格好も女の子にするのは当然の事よ(せっかく面白い事になってるんだから、思いっきり楽しまないと損でしょ?)」
「おめー今絶対ろくでもない事考えてるだろ!」
「あらー、何の事かしら?」
「あの、僕は普通に僧服で……」
「ノルブは知識神の僧侶と分かるから一番可愛い恰好をしないといけない」
「後半全く関係ないですよね!?」
リリエラさんだけでなく、ミナさんとメグリさんもそれに同調した事で、僕達は女の子の格好をする事に決定してしまったのだった。
うう、まさかこんな所でパーティの弊害が出るなんて……ライガードの物語でもこんな話は……あったね。
大剣士ライガードは乙女の生贄を要求する魔物を撃退する為、自ら女の子に変装して魔物を待ち構えたというエピソードがあったっけ。
うう、これもライガードと同じと考えれば……いややっぱないな。
などと現実逃避をしていたら、何故かフォカさんが大量の女の子の服を持ち出してきた。
「さっ、お着替えしましょ」
「「「……これは負けてられない」」」
そして何故か負けてなるものかとリリエラさん達も自分達の着替えを持ち出し、大着せ替え大会が始まったんだ。
「キャーッ! 素敵! 可愛い!」
「ねぇねぇ、今度はこれとこれの組み合わせにしてみましょう!」
「……」
「この服もアリだわ。次はこっちを着て頂戴」
「……」
「次はセクシー系で責めてみる。その次はキュート系で行ってみる」
「……」
「「「「キャーッ!!」」」」
(((早く終わってぇ……)))
こうして、永遠とも思える苦行は続き、ようやく皆が納得するコーディネイ……ト? が終わって僕達は解放された。
曰く、すっごく可愛い女の子の格好をした状態で。
ウウ、恥ずかしいなぁ。
さっきから通行人が何度もこっちをチラチラと見てくるし……
「というかですね、僕は普通に主神様のシスター服で良かったんじゃないですか?」
さすがのノルブさんも、この状況は堪った物じゃないらしく、珍しく不満を口にしている。
「良くない。至高のバランスを追求するのは当然」
「はぁ……」
「凄く良く似合ってる。ノルブのお爺さんにも見せてあげたい。あの人ならノルブを聖女に推薦してもおかしくない」
「絶対やめてください!」
お爺さんに見せたいと言われ、ノルブさんが珍しく声を荒げる。
と言うか、そんな理由で孫を聖女に推薦するって権力の乱用なんじゃないの?
「くくく、ジャイロのお母さんに見せたら大喜びするわね」
「ぜってーに止めろよ! お袋に見られたらぜってぇ笑われるに決まってんだろ!」
あ、うん。ジャイロ君も同じ事になってた。
「ねぇねぇレクスさん、今のレクスさん達の姿を綺麗に残しておく似顔絵の魔道具とかないかしら?」
「いえ、見た事もありませんね」
リリエラさんが恐ろしい事を言ってきたので、僕は即座に否定の言葉を返す。
「ほんとにぃー?」
「ホントです」
リリエラさんが疑いの眼差しを向けて来るけれど……あの魔道具の事は絶対に教えないよ!
「あっ、それよりもそこの角を曲がったら主神の神殿がある筈ですよ」
そろそろフォカさんから教えて貰った主神の神殿が近い事もあって、僕は強引にこの話題を打ち切った。
そしてようやく僕達は主神の神殿にたどり着いた……んだけど。
「「「「「「「うわっ、ボロッ」」」」」」」
何と言うか、主神の神殿は予想以上にボロかった。
一応教会としての規模は十分に大きいんだけど、長年手入れをされてこなかったみたいで、かなりボロボロの姿になっていたんだ。
更に周囲の神殿の方がキラキラしている上に、大きさも主神の神殿の何倍もあるから、どうしても相対的にショボく見えてしまう。
とはいえ、ここで立ち止まっていても仕方がない。
中に入って主神の司祭を探そう。
「すみませーん」
神殿の中は閑散としていた。
一応多少は信徒が居るみたいだけれど、外の人通りの多さと比べると明らかに神殿内の人間の比率が少なすぎる。
「はーい」
そんな事を思っていたら、神殿の奥から司祭と思しき女性が姿を見せた。
「初めまして。私はこの主神様を祭る神殿の司祭でトレーシーと言います。本日は当神殿にどのような御用でしょうか?」
トレーシーと名乗った女性は僕達よりも年上ではあるものの、司祭と言うにはいささか若い。
司祭と言えばもう少し年を取った人の役職だと思ったんだけど、実は年齢の割に有能な人なのかな?
「あの、ぼ……私はラクシと言います」
「私はリリエラです」
「俺はジャ、ジャネットだ!」
「私はミナよ」
「ぼ、私はノ……リエと申します」
「メグリ」
僕達男勢は、あらかじめ用意していた偽名を名乗った……んだけど、やっぱり慣れないし恥ずかしいなぁ。
「キュフン!」
「あっ、これはペットのモフモフです」
うん、モフモフには偽名は要らないよね。
「ぼ……私達、聖都で開かれるという巡礼の旅に参加したくてやって来たんです」
「えっ!?」
僕達が巡礼の旅に出たいと告げると、トレーシーさんがビクリと体を強張らせる。
「私達、聖都の神殿のお役に立ち……」
「駄目よ!」
けれど最後まで言い切る前にトレーシーさんに止められる。
「貴方達、命を大事にしなさい!」
そう強い言葉で僕達を止めたトレーシーさんの表情は、真剣そのものだった。
レクス _:(´ཀ`」∠):_ ...「ヒラヒラ」
ジャイロ _:(´ཀ`」∠):_ ...「スカート」
ノルブ _:(´ཀ`」∠):_ ...「レースの下着」
モフモフ_Σ(:З)∠)_「なお我もリボンを巻かれている模様」
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