第202話 エルフとの遭遇
作者_(:3)レ∠)_「色々あって遅くなったけど新章開幕ですよー!」
ヘルニー┗(^o^;)┓┏(;^o^)┛「へーいドンドコドンドコ!」
作者(o゜Д゜)o「俺の腰の上で踊るなぁー!」
ヘルニー┗( ^ω^)┛「最近寒いから体を動かして温まらないとね!」
ヘイフィー_(:3)レ∠)_「という訳で連載再会ですー」
作者_(:3)レ∠)_「あと二度転生6巻が2/15に発売決定ですよー!」
ヘルニー┗( ^ω^)┛「みんなー! 予約よろしくー!」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
皆さんの声援が作者の励みとなっております!
「うーん、そろそろ新しい武器に替えようかなぁ?」
王都の家で装備の手入れをしていた僕は、剣の劣化具合を見ながらそんな事を考えていた。
というのもヴェノムビートのような猛毒を持った特殊個体や、溶岩の海で暮らすボルカニックタートルのような特殊な環境で暮らす魔物と立て続けに戦った事で部品の劣化が激しくなっていたんだよね。
特に交換用の消耗部品が酷い事になってるんだよね。
「おっ、兄貴買い替えか?」
装備を変えると聞いて、ジャイロ君が嬉しそうに声を上げる。
うん、新しい装備ってワクワクするもんね。
「馬鹿ね、レクスの場合買うより自分で作った方が良い物が出来るわよ」
「あっ、そりゃそうか」
「確かにそうですね。レクスさんなら木の棒でもそこらの剣より切れそうですから」
ミナさんの言葉にジャイロ君達が納得の声をあげる。
いやいや、それは買いかぶり過ぎだよ皆。
「そんな事はないよ。ドワーフの職人が作る武具は僕の作る物なんかより遥かに質が良いからね」
そう、前世や前々世で出会ったドワーフ達の技術はすさまじく、質の悪い鉄を使っても上質の鉄を使った他種族の鍛冶師が作った武具以上の物を作りあげる程だったんだ。
「ドワーフ? ああ、ゴルドフさんの事か。でもあのオッサンは兄貴の弟子じゃん」
ドワーフの鍛冶師と聞いてトーガイの町で働くゴルドフさんの事を思い出すジャイロ君。
「ゴルドフさんがなんで僕に弟子入りしたのかはよくわからないけど、極めたドワーフの技術は本当に凄いんだよ」
その辺、実はゴルドフさんはドワーフの職人の中じゃ若い方なんじゃないかな?
そして厳しい師匠が修行の為にあえて半人前の状態で人間社会に放り出したのかもしれない。
人間社会だと弟子を半人前で放り出すなんてありえない事なんだけど、他種族が相手だとそうとも言い切れないんだ。
前世や前々世でも他種族は人族とは違う常識で行動してたから、種族的な常識の違いに驚いたことは一度や二度じゃない。
「ドワーフねぇ。そう言えば他種族ってあんまり見ないから、他のドワーフの腕がどうなのか分かんないわね」
「え? 異種族を見ない? それってどういう意味なんですか?」
僕達の中でも一番冒険者としての経歴が長いリリエラさんからそんな事を言われて僕は驚いてしまう。
リリエラさんはほぼヘキシの町、というか魔獣の森専門でよその町には行ってないみたいだけど、それでも大きな町で活動していたのなら他の町の情報を聞くだろうし、町に立ち寄った他種族と遭遇する事もあるだろうに。
「良く分かんないんだけど、異種族って自分達の国に籠ってあまり外に出ないのよ」
「へぇー、そうなんですね」
意外だな。前世や前々世では普通に見かけたんだけど。
今の時代になって考え方が変わったのかな?
「でも言われてみれば確かに他種族を見た記憶がほとんどないや。一番よく見る他種族と言えば……魔人、かな?」
「「「「「いやいや、それこそ一番見ない存在だから」」」」」
と、今世で最も遭遇した異種族の事を思い出すと、それを聞いていた皆が一斉に否定してきた。
「というか、ほんの数か月前まで魔人が実在するなんて思ってもいなかったのよねー」
「ですよね。村を出てきてから何度魔人と遭遇した事か」
「俺、もう一生分くらい魔人にあった気がする」
「ホントそれ」
まぁ今の時代の魔人は色々と裏で企んで表には出てこなくなったみたいだから、気持ちは分からないでもない。
とはいえ、やっぱり前世と前々世の記憶がある僕としては魔人を見ない今の時代の方が違和感を感じるんだよね。
うーん、でもそんな話をしてたら何で異種族が自分達の国に籠るようになったのか気になっちゃうなぁ。
異種族の事情に詳しい人か……でもそんなピンポイントな事情に詳しい人なんて……
「あっ!」
そうだ、あの人が居たじゃないか!
「ゴルドフさんに聞いてみよう!」
「えっ!?」
そうだよ。ゴルドフさんも異種族なんだし、そのあたりの事情を聞くのに最適な相手じゃないか!
「でも何であの人に?」
「うん、さっきも言ったけどそろそろちゃんとした職人の作った装備が欲しいからね。ゴルドフさんにドワーフの里がどこにあるか聞こうと思ったんです。で、そのついでに何で異種族が他国に出てこなくなったのかを聞いてみれば良いんじゃないかって」
「へー、ドワーフの里かー」
ドワーフの里へ行くと聞いて、皆も興味を示す。
「ドワーフの鍛えた品は武具以外でも価値が高い。そんなドワーフが暮らす町なら凄いお宝がありそう……つまり、凄く興味ある」
「メグリが長文を喋ってる。これは本気だわ」
ああ、メグリさんのやる気のあるなしそうやって判断するんだ。さすが付き合いが長いだけあるなぁ。
「よーし! それじゃあ明日はトーガイの町にいくよー!」
「「「「「おーっ!!」」」」」」
そんな訳で僕達は新しい装備を手に入れる為、ついでに異種族の事を聞くためにゴルドフさんのお店に向かう事にしたんだ。
◆
「こんにちはー」
飛行魔法でトーガイの町にやって来た僕達は、さっそくゴルドフさんのお店にやって来た……んだけど。
「あれ? ゴルドフさん居ないのかなぁ?」
お店の中にはお客さんどころかゴルドフさんの姿もなかったんだ。
鍵もかけずに不用心だなぁ。
「待って、奥から話し声が聞こえるわよ」
リリエラさんの言葉に耳をすませば、確かに奥の工房から人の声が聞こえてくる。
「すみませーん!」
工房の方に声をかけると、話し声が止まってゴルドフさんが出て来る。
「ああ悪いな。今ちょっと立て込んでて……って師匠!?」
僕の顔を見たゴルドフさんが何やら妙に驚いた様子で声をあげる。
急に来たからビックリさせちゃったかな?
「おひさしぶりですゴルドフさ……」
「丁度良かった! 今まさに師匠の話をしていた所なんですよ!」
用件を切り出す前にまずは再会の挨拶をと思ったんだけど、ゴルドフさんは突然僕の両手を握って嬉しそうにそんな事を言ってきたんだ。
「え? 僕の話?」
僕の話って、一体何を話していたの!?
「おーいシャラーザ! こっちにこい!」
ゴルドフさんが工房の方に声をかけると、奥から先ほどの会話の相手と思しき人が出て来る。
「「「「「「あっ」」」」」」
そして出てきた人の姿を見て、僕達は驚いた。
「一体どうしたのだゴルドフ」
その人は銀色の長い髪をなびかせたとても美しい人だった。
けれどそれ以上に特徴的なのはその耳だ。
人種族の丸い耳とは違い、その人の耳はツンと尖った形をしていたんだ。
「「「「「「エルフだ!?」」」」」」
そうこの人はエルフだ。
森の種族エルフ。彼等は精霊と森と共に生きる種族で、人族とは違った技術で繁栄する種族なんだ。
前世じゃどこにでもいる普通の異種族の一つだったんだけど、リリエラさん曰くエルフ達もまた自分達の領域に籠って滅多に外に出てこないらしい。
「このタイミングでエルフと会えるなんて……」
ついさっき異種族の話をしていたっていうのに、本当にびっくりだよ!
「喜べシャラーザ! この方がさっき話していた俺の師匠だ!」
「何?」
そう言ってゴルドフさんは僕の背中を押してシャラーザと呼んだエルフの前へと連れていく。
けれど当のシャラーザさんは困惑の顔で僕を見ていた。
「師匠。コイツは俺の古い知り合いのエルフでシャラーザと言います。ちょいと俺達の故郷で困った事になって、それで師匠の力を借りたいと相談を受けていたんですよ」
「ゴルドフさんの故郷の事情ですか?」
あれ? 俺達って事は、エルフとドワーフが一緒に暮らしているの?
「ええ、実は今……」
「待てゴルドフ、どういう事だ!? お前の師とはドワーフではなかったのか!?」
ゴルドフさんに事情を聞こうとしたら、シャラーザさんが突然大声を上げて詰め寄って来たんだ。
「いや、師匠は見ての通り人間だぞ。言ってなかったか?」
ゴルドフさんがそう答えると、シャラーザさんは顔を真っ赤にして怒り出す。
「聞いていないぞ! 私が聞いたのはお前の師がSランク冒険者だという話だけだ! だというのに人間の子供が師だと!? 私を馬鹿にしているのか!?」
あーうん、まぁ知り合いのドワーフが若い人間に弟子入りしていたらビックリするよね。
特に今世の僕は成人して間もないから、子供と間違えられるのも仕方がない。
「おいアンタ! エルフだかなんだか知らねぇが兄貴の事を何も知らない癖に随分な言い草じゃねぇか!」
けれどそれでは納得できなかったジャイロ君がシャラーザさんに食って掛かる。
「ふん、知っているぞ。お前達人間は見た目の若さと年齢が比例することくらいな。そしてSランク冒険者は熟練の冒険者だけが成れるのだろう? ならば若く未熟な子供の人間では冒険者の最高峰に成るなど不可能という事ではないかっ!!」
いやまぁそれについては僕が一番納得いってないんだけどね。
「あーまぁそうなんだけどなぁ」
「気持ちは分かるんだけど」
「普通に考えればそうなのよねぇ」
「僕達だって何も知らなければそう考えていたでしょうしねぇ」
「ん」
「「「「「でも兄貴/レクス/レクスさんだから」」」」」
あ、あれ? 皆その結論はおかしくない!?
何で僕なら納得するの!?
「シャラーザよ、確かにレクス師匠は若く見えるかもしれんが……」
「っ!!」
激昂するシャラーザさんをなだめようとゴルドフさんが出てきた瞬間、シャラーザさんが動いた。
「何をっ!?」
「兄貴っ!?」
リリエラさんとジャイロ君が反応したものの、既にシャラーザさんの剣は僕の喉元に突きつけられた後だった。
シャラーザさんは剣を引くと、冷たい目でゴルドフさんを睨みつける。
「見ろ、この小僧の間抜け面を。私の寸止めに全く反応できなかったではないか。まだそちらの娘と小僧の方が見込みがある」
それだけ言うとシャラーザさんは剣を納め、僕達に背を向ける。
「郷の者ではないお前に相談したのが間違いだった。Sランク冒険者は私だけで探す事にする」
「ま、待てシャラーザ! 師匠は本当に……」
けれどシャラーザさんはゴルドフさんの言葉に耳を貸す事は無く、そのまま店を出ていこうとドアに手をかけた……その時だった。
ドォォォォォォォォォンッッッ!!
突然、店の外から大きな音が響いてきたんだ。
「な、何だ!?」
一体何が起きたのかと驚いた僕達が外へ飛び出すと、それは見えた。
「何だありゃ!?」
「で、デカッ!?」
「き、巨大な魔物!?」
「な、なんて大きさ……」
皆が驚いたのも無理はない。
その魔物は本当に大きかったんだ。
この町……というか大抵の町の周囲には背の高い防壁があって、それのお陰で魔物や盗賊が町に侵入する事を防いでいる。
だから通常町の中から町を襲う魔物の姿は見えたりしないんだ。
にも関わらず、その魔物の姿を僕達は見る事が出来た。
「……馬鹿な」
シャラーザさんが驚くのも無理はない。
何しろあの魔物の大きさは町を守る防壁をはみ出すほどなんだから。
見えない部分を含めたらドラゴンよりも大きいかもしれないぞ。
「ギュルアァァァァァァァッッッ!!」
「「「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」」」
魔物の雄叫びを聞いて我に返った町の人達がパニックを起こし、慌てて魔物から逃げ出し始める。
「いけない! 皆パニックになってる! まずは町の人達の避難を手伝わないと!」
「それは僕達がやります。僕達の攻撃力ではあの巨体に当てても焼け石に水でしょうから」
「ん、冒険者ギルドと衛兵隊に手を貸す」
そう言ってくれたのはノルブさんとメグリさんだ。
「俺は行くぜ! アイツを足止めしないとな」
「まぁそうなるわよね。アイツが私達に気付くか分からないけど」
「待ちなさいって! まずは私が魔法で派手に注意を引くから、飛び込むならその後にしなさい!」
そしてジャイロ君とリリエラさんの前衛組と魔法使いであるミナさんが魔物を町から引き離す相談を始める。
となると僕はミナさんと一緒に魔法で魔物を町から引き剥がす役かな。
「そういう訳なので、ゴルドフさん達は……」
避難していてくださいと言おうとしたその時、突然シャラーザさんがはじき出されるように飛び出したんだ。
それも魔物に向かって。
「シャラーザさん!?」
「お前達は手を出すな! アレの狙いは私だ!」
足を止めずにそう言うと、シャラーザさんは人ごみの中に消えていってしまった。
「いけない! 僕達も追いかけよう!」
僕達は慌てて飛び出していったシャラーザさんを追いかける。
理由は分からないけど、あの魔物を見た瞬間のあの人の様子は尋常じゃなかった。
もしかしたらあの魔物がシャラーザさんが僕を、いやSランク冒険者を探していた理由なのかもしれない。
「待ってくださいシャラーザさん!!」
幸い、シャラーザさんにはすぐに追いつくことが出来た。
「ねぇ! あの魔物を知ってるの!?」
「お前達には関係のない話だ! 私がアイツをおびき寄せる。その間にお前達は町の人間を反対方向の門から逃がせ!」
シャラーザさんは僕達が追ってきたことに気付くと、わずかに驚きと苛立ちの混ざった顔を見せる。
「お前達!? 何故ついて来た! 足手まといだ、さっさと逃げろ!」
「そういう訳にはいかねぇぜ! この町は俺達が最初に拠点にした町だかんな! 俺達も一緒に戦うぜ!」
僕達に避難を促すシャラーザさんにジャイロ君が反論する。
「そういう事。正直言えば関わる義理なんてないけど、流石にこの状況を放ってはおけないものね」
ちょっとからかうような口調でミナさんもジャイロ君の意見に同意する。
「アレの狙いは私だと言っただろう! 巻き込まれたくなければすぐに離れろ!」
そう言ってシャラーザさんは僕達を拒絶する。
うーん、この人口調はキツいけど悪い人じゃないっぽいね。
寧ろキツい言い方をする事で僕達を遠ざけようとしているような……
そしてこの位置まで来たことで、誰かが魔物と戦っている姿が見えてきた。
防壁の上で弓や魔法を放っているのは衛兵さん達みたいだ。
もしかしたらオーグさんもいるかもしれない。
でも彼等の攻撃は魔物に全然通用していないみたいで、矢が当たっても刺さることなく弾かれていたんだ。
「奴の殻は硬い。生半可な攻撃では貫通など不可能だ!」
なるほど、どうやら相手は相当硬さに自信のある魔物みたいだね。
でもあの魔物、全然見覚えが無いんだよなぁ。前世でも前々世でも見た記憶がない魔物なんて。
なんて事を考えていたら、魔物が何かを吐きだした。
するとそれに当たった防壁の一部がみるみる間に溶けだしたんだ。
「ああっ!? 防壁が溶けた!?」
「酸だ。あれを使われたらただの石作りの壁などひとたまりもない。お前達も死にたくなければ今すぐに逃げろ!」
やっぱりシャラーザさんは僕達を巻き込まないようにしているみたいだ。
「私が奴の注意を引いて町から引き離す。お前達は逃げ遅れた人間達を連れて反対側の門から逃げろ!」
「ねぇ! 何でそこまでして自分が囮になろうとするの!?」
「奴等がこの町の人間まで標的にしない為にだっ!」
リリエラさんの言葉に間髪入れず答えたシャラーザさんの眼差しは真剣そのものだった。
この人は本気で知り合ったばかりの僕達や町の人達を巻き込まないように気を使っているんだ。
ああそうか! さっきのバレバレの寸止めは僕達を巻き込まない為の演技だったんだね。
殺気が全然無かったのも、若い僕達を危険な目に遭わせたくなかったからなんだね!
「分かりました! それなら僕等の魔法でアイツを防壁から引き剥がします!」
「だから逃げろと……っ!! ああもう! やるなら土か風系の衝撃系魔法だ! 奴の甲殻は分厚すぎて魔法でもダメージはなかなか通らん! ダメージを与えようと考えるな! ヤツの気を逸らすだけで構わん!」
「分かりました!」
なるほど、分厚さを極める事で魔法への疑似的な耐性を獲得したんだね。
地味に面倒なタイプの魔物だなぁ。
と思っていたら、シャラーザさんがため息を吐きながら僕に声をかけてきた。
「あの魔物を見ても戦意を失わないとは、お前は未熟ではあるが正しい戦士の心は持っているようだな。まぁさっきの非礼は撤回してやらんでもない」
それだけ言うとシャラーザさんは大きく目立つように跳躍をする。
うーん、やっぱり良い人だなぁあの人。
「よーし、それじゃあ僕達もシャラーザさんの援護だ! 行くよ! トライバーストインパクト!」
僕は今まさに溶けた防壁の隙間から町に入ろうとしていた魔物へ向けて魔法を放つ。
これぞ対大型甲殻系魔物用魔法トライバーストインパクト!
面積の広いハンマーのごとき衝撃を瞬間的に三連発する打撃系魔法だ!
これならあの巨体を防壁から引き剥がす事が出来……
ドッ、グシャアッ!
「あ、あれ?」
まずは防壁から引き剥がそうと思ったのに、何故か魔物は一発目の衝撃を受けただけで破裂してしまった。
「……え、えーと」
予想以上に簡単に吹き飛ばせた……というか倒せてしまった事に困惑してしまう。
見れば先行しようとしていたシャラーザさんが困惑する様に近くの家の屋根の上で立ち尽くしている。
そしてこちらに振り向きお前が何かしたのか? と視線で聞いてきた。
「ええと……意外と殻が薄かったみたいですね?」
「い、いやいやいや! 奴の甲殻の硬さは並みの武器や魔法では傷一つ付ける事が出来んのだぞ! ただの魔法であんな風になる訳がない!」
シャラーザさんがありえないと声を張り上げるんだけど、こちらも事前情報と違って驚いている訳だし……
「あっ、もしかしてカニみたいに脱皮した直後だったとか?」
それならあの柔らかさも納得が……
「そんな訳あるかぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
衛兵A(;^ω^)「うわー、見ろよこの割れた魔物の殻。厚みが20㎝はあるぞ」
衛兵B(;´∀`)「こんなんどうやって割るんだよ。Sランク冒険者怖ぇ……」
魔物(´·ω·`)「あれー?僕の無双タイムは? 剣も魔法も効かない僕に恐れおののく人間達の姿は?」
モフモフ_Σ(:3)レ∠)_「ご主人が居た時点で諦めろ。しかし美味い。モグモグ」
魔物(´;ω;`)「食べないでーっ!」
面白い、もっと読みたいと思ってくださった方は、感想や評価、またはブクマなどをしてくださると、作者がとても喜びます。_(:3 」∠)_